4.治療のすすめ方

治療のすすめ方

①検査・診断の重要性

 矯正歯科治療を行うためには、臨床検査として①口腔内検査 ②顎機能と咬合機能の検査 ③顎のプロポーション検査 ④筋機能の検査などを行います。セファログラム(頭部X線規格写真)の撮影は矯正歯科の検査で特徴的で、診断のグローバル・スタンダードです。特に子どもの患者さんでは顎顔面の成長バランスや成長方向、量の予測をするために不可欠な検査です。
 また、診断資料の分析として①模型分析 ②頭部X線規格写真の分析 などを実施した上で診断、治療方針・治療計画を決定します。
 治療計画については、わかりやすい治療のゴールやそのプロセスを患者さんに示しながら、それぞれの患者さんに適した治療装置とその効果,治療期間、第2期治療の可能性(子どもの場合)、保定、後戻りの可能性や治療のメリット・デメリットおよび抜歯・非抜歯について説明を行います。

②治療開始時期

子どもの矯正歯科治療

 子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)の生え変わりはある程度時期が決まっています。親知らず以外の永久歯が全て生えそろうのは中学生くらいです。
 歯並びや咬み合わせは、全ての永久歯がしっかり並んで、それぞれの歯がしっかり噛み合ってこそ健康的に長持ちするのです。したがって、早く治療を開始してもその子どもさんの成長が止まって咬み合わせが安定していることを確認するまでは矯正歯科治療や管理が続くことになります。
 子どもの矯正歯科治療を始めるにあたっての大原則は、治療期間や本人の負担をなるべく軽減するために「後からでも改善できることはあまり早くから介入しないこと」です。
早期に矯正治療を着手しないといけない症例は問題は、そのまま放置しておくと今後起こる成長に悪い影響を与えると判断されるものだけです。
 それ以外の場合は早期に着手しても、後々歯の生え変わりや成長とともにまた問題が再発することもがあります。最も効果の出やすい最適な開始時期まで待ちましょう。
 ただし症状や患者さんの骨格パターンによっては、早く治療を開始したほうがいい場合も少なからずあります。
 歯並びやかみ合わせが気になったら受診は早めに、治療開始時期は矯正歯科医に見極めてもらうことをお勧めいたします。

☆子どもで始めた場合
【メリット】

○これから起こる成長を利用しやすい。
○虫歯や修復歯、欠損歯が少ないので、矯正歯科治療を行う上での選択肢に幅がある。
○歯の移動に伴う歯肉の退縮や骨の減少が起こりにくい。

【デメリット】
○保護者の方の意見が優先されがちで、患者さん本人が消極的な場合は、治療の協力(歯みがきも含めて)が得られにくい。
○成長に伴う環境の変化、また患者さん自身にも変化が見られるので、治療に対するモチベーションを維持するために、特に注意を払う必要がある。

大人の矯正歯科治療

 矯正歯科治療は子どもの時にするものだから、大人になったらもうできないと思って諦めかけている人も案外多いようです。
 大人の患者さんには歯周病のリスクを抱えている、子供に比べて歯の動きが遅い、歯に詰め物やかぶせ物をしている箇所が多い、骨の成長を期待できない、...などの特徴を持っている方がほとんどです。その一方で、歯の矯正歯科治療中にいろんな装置を使うこと、丁寧に歯磨きを行うこと、きちんと来院することなどについて患者さんの協力が得られやすいというメリットもあります。

☆大人で始めた場合
【メリット】

○本人の意志で治療を開始するので、その後の治療においても協力が得られやすい。
○治療に対しての関心や理解力が高い。
○すぐに本格的な治療が開始できる。

【デメリット】
○虫歯や修復歯、欠損歯が多い。
○歯周病に罹患している場合が多く、治療に対して注意が必要である。
○歯の移動に伴い歯肉の退縮や骨の減少が起こる可能性がある。

③保定までが矯正歯科治療

 矯正歯科治療の本当の目的は、患者さんが80歳になっても20本以上の歯が残っているように、歯と歯並びを長持ちさせることにあります。
 そのために、歯がきれいに並んで理想的なかみ合わせになったら、ある程度の期間、歯をとめて、なるべく長く維持させる必要があります。
これを保定といいます。
 保定に使う装置は取り外しができるものや表から見えにくいものなどがほとんどで、歯を動かす治療のときに使う装置に比べるとかなり負担が減ります。また、来院も4~6か月に1回程度になります。

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