受け口は早めの治療が大切と聞きましたが、なぜですか?|矯正期間の開始・治療方法(成長期):よくある質問・何でも相談室:矯正歯科治療のお話|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

受け口は早めの治療が大切と聞きましたが、なぜですか?

よくある質問と相談室

2.治療の開始時期・治療方法

Q. 受け口は早めの治療が大切と聞きましたが、なぜですか?
A. 成長とともに、治療が難しくなるためです。



 受け口とは、本来上の歯が下の歯より前で咬むべき状態であるのに対して、下の歯の方が前で咬んでいる状況を指します。反対咬合(はんたいこうごう)下顎前突症(かがくぜんとつしょう)などとも呼ばれます。受け口は、成長とともに治療が困難になる場合が多く見られます。また、悪い咬み合わせでものを噛みつづけることで、自分の歯を傷つけてしまい、歯肉がさがり(歯肉退縮/しにくたいしゅく)、歯がぐらぐらになってしまったり、時には歯が欠けてしまうこともあります。これを咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)といいますが、このような状態にならないようにするには、早期の対応が重要です。

 また歯並びが悪いために、正しい位置でまっすぐに噛めず、あごをずらして噛む習慣が、骨格的なあごの歪みへと発展する場合があります。このような歪みは、前後的な場合を反対咬合、横への歪みを偏位咬合(へんいこうごう)といいますが、早期の対応によって未然に防げる場合もあります。

受け口のタイプ

 ところで、受け口には2つのタイプがあります。ひとつは、歯の位置異常による「歯槽性(しそうせい)の受け口」、もうひとつは、本当に下あごの骨が上あごに比べて大きい「骨格性の受け口」です。

 歯の位置異常による受け口とは、上の歯が本来あるべき場所より、内側に生えてきたり、逆に下の歯が本来の位置より外側に生えてきて、上下の咬み合わせが逆になった状態です(前歯の切端が咬む状態は切端咬合といいます)。

 これに対して「骨格性の受け口」とは、上下のあごの成長量や位置がずれている受け口のことです。 下あごの成長は、一般的に身長の伸びと一緒に大きくなり、また、上あごよりも下あごの方が遅れて大きく成長する特徴があります。
 そのため、骨格的な問題を持つ受け口では、成長が止まるのを待って対応する場合もあります。ただし、このような受け口でも、早期から長年の治療計画のもとでの対応が極めて重要になります。矯正歯科専門の医療機関では、このような状況のすべてに対応が可能です。

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