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知っておきたい!犬歯の異常には早めの対処が必要なこと

歯の根っこが短くなるって、どういうこと?
■犬歯が正しく生えない子どもの0.8~2.9%に歯根吸収が起こっている
上あごの犬歯の萌出障害がもたらすリスク、それは隣りあう歯の根(歯根)のセメント質や象牙質を溶かし、短くしてしまうことにあります。これを「歯根吸収」と呼びます。
しかし、歯根が半分くらいになっても、歯に痛みや変色などは起こりません。そのため、発見が遅れて、さらに歯根吸収が進行すると、やがて歯に痛みを感じ、最悪の場合には歯が抜けることもあるのです。
海外の研究データによれば上あごの犬歯の萌出障害が起きた人のうち38%に、隣接する切歯の歯根吸収があったということです。また、その割合を子どもに限定すると、0.8%~2.9%に隣接歯の歯根吸収が起きていたのだとか。
その結果、犬歯の萌出障害は女児が男児の1.9倍にのぼり、span class=”bold-text”>問題があらわれる年齢は男女とも10~11歳がもっとも多い*ことがわかっています。
*公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会の研究から引用
●110症例の男女比
110症例の男女比
110症例の男女比
■歯根が切り落とされるような重度だと、抜歯するしかない
具体的に、画像を見ながらご紹介しましょう。
Aのエックス線写真は、11歳の女児の歯の生えかわりの様子を示すものです。乳歯を押すように、顎骨の中に永久歯が準備されていることがわかります。
一方、Bの画像では、上あごの犬歯が斜めを向き、隣り合う切歯の歯根に重なっています。その結果、切歯の歯根が切り落とされ、切歯は安定を欠いた状態に……。
ここまでくると歯としての機能は望めず、切歯を抜歯するしかありません。
A顎骨の中で生える準備をしている上あごの犬歯(問題のない例)
顎骨の中で生える準備をしている上あごの犬歯(問題のない例)
B上あごの犬歯によって切歯が歯根吸収された例
上あごの犬歯によって切歯が歯根吸収された例
抜歯した後はブリッジやインプラントなどの方法で抜いた歯のすき間をカバーするか、矯正歯科治療で犬歯を切歯の位置に動かして歯列を整えることになりますが、こうなる前にリスクを回避することが大切なのはいうまでもありません。
では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?
★次のページでは、予防法についてご紹介!

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