2015年4月28日

Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」 第7回「ブレーススマイルコンテスト」

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「歯を見せて笑うことに抵抗がある」「歯磨きがしづらくてむし歯が多い」「前歯でものが噛み切れない」...。咬み合わせや歯並びに問題があることで生じる、さまざまな支障。なんとかしたいと思いつつも、急を要すものではないからと、治療のための行動をつい先延ばしにしている人も少なくないのではないでしょうか。実際、治療には何らかのきっかけが必要なようです。

では、実際に治療を始めた人たちは、どのような"きっかけ"があったのでしょうか。「第7回ブレーススマイルコンテスト(以下、ブレスマコンテスト)」の受賞者の皆さんに、「はじめの一歩」を踏み出した理由についてうかがいました。

増井美千代さん

■歯並びの悩み:
前歯同志が当たって咬みにくい
■治療期間:2年11カ月

当初は非抜歯でスタートしたものの、ご本人の希望で途中から抜歯治療に変更。治療では上顎のみ舌側に装置をつけ、仕上げはご本人の希望により約6カ月間、唇側からの治療を実施。2012年1月にブレースを撤去し、現在、保定開始2カ月目。


"いつの間にか"キレイになった友人に触発されて
増井美千代さん(熊本県在住/36歳)

 私の場合、学生時代からの友人に影響されたのが、直接的なきっかけですね。あるとき、彼女の八重歯がなくなって、歯がきれいに並んでいるのに気づいたので「どうしたの?」と聞いてみたんです。そしたら「矯正しているんだよ」って。いつの間にか、歯の裏側に矯正装置(ブレース)をつけて治療していたんです。びっくりしました。そういう方法があるのを知らなかったので(笑)。

 当時の私は前歯がしっかり噛み合わなくて、上下の歯が先端であたっているような状態。下の歯列もデコボコでした。そんな自分の口もとが気になってはいたのですが、治療して治そうとまでは思ってもいませんでした。それが友人のキレイに並んだ歯を見て、一気に気持ちが治療に向けて動き出して(笑)。こんなに口もとの印象が変わるのなら、しかも誰にも気づかれずに裏側から治療できるのなら、治したい! 治そう! って。それでさっそくその友人が通っている矯正歯科を紹介してもらって、歯の裏側からの矯正治療をスタートしたんです。治療の成果が目の前にあったので、気持ちが決まってからは迷いがありませんでしたね。
増井美千代さん

点線

惣司(そうつか)友衣子さん

■歯並びの悩み:過蓋咬合
上下前歯の正中のズレ、顎関節雑音
■治療期間:2年6ヵ月
(現在、保定期間中で、4ヵ月に一度通院

咬み合わせが深く、上あごの咬合平面が左右に傾斜していることで下あごが偏位し、上下の前歯の正中がズレて、大臼歯関係が左右で異なっていた。そこで治療では、咬み合わせの高さを整え、正中のズレと顎関節症状の改善を図った。


今だ!と思えたときが、きっとベストな時期です
惣司(そうつか)友衣子さん(長崎県在住/29歳)

 私は結婚するまで、京都の矯正歯科医院で歯科衛生士をしていました。私自身、咬み合わせが深くて前歯が出ていたので、キレイになっていく患者さんを見ながら、いつか自分も治療を受けよう、キレイな歯並びになろうとずっと思っていたんです。でも、独身の頃はいろんなタイミングが合わなくて、なかなか最初の一歩が踏み出せなくて。結局、自分自身の治療について具体的に考えられるようになったのは、結婚して歯科衛生士という仕事を離れてからでした。

 結婚後は九州に住むようになったのですが、せっかく治療するなら自分が一番信頼できるクリニックで受けたいと思いました。それは私の場合、自分が勤めていた矯正歯科だったんです。先生も信頼できるし、歯科衛生士も患者さんのことを考えて仕事していることをよく知っていましたから、あそこなら安心してお任せできると。そんな気持ちを夫に話すと「物理的な距離よりも、精神的な距離が近いところで治療するのが僕もいいと思う」と賛成してくれたので、思い切って長崎から京都まで飛行機で通院することにしました。

 もっと早く治療していればよかったとは思いますが、物事にはタイミングもあるので、実行できるときがベストな時期なんだと思っています。
惣司(そうつか)友衣子さん

点線

小島千奈さん

■歯並びの悩み:叢生(乱ぐい歯)
■治療期間:1年7カ月(一次治療)・
約2年半予定(二次治療)

現在、下顎にまだ少しデコボコが残っており、それがキレイに並んだらブレースを外す予定。期間にすると、あと2~3カ月といった段階。


海外でも通用するキレイな歯並びを目指したい
小島千奈さん(岐阜県在住/15歳)

私は小さいときからあごが細くて、乳歯のときからデコボコしていたので、「時期がきたら矯正しようね」って両親から言われていました。私は小さかったので矯正がどんなものかよくわかりませんでしたけど、よく家族から矯正治療のことを言われていたせいか、悪い歯並びは治したほうがいいんだなって自然に思っていました。どうして両親がそんなに矯正治療に熱心だったかというと、お父さんがよく海外出張に行くんです。欧米は歯並びのいい人が多いので、お父さんも私の歯並びを気にしていたみたいです。

 矯正歯科で治療を始めたのは、小学1年のときからです。近い将来、海外に住むかもしれないから、日本にいるうちに治療しておこうということで、お母さんがまわりの人の評判を聞いたり電話帳で調べたりして、車で通える範囲にある4軒くらいの矯正歯科に相談に行きました。私はそのときのことをよく覚えてないんですが、お母さんは先生から治療内容を説明してもらって、一番納得できたところに決めたようです。

小島千奈さん

点線

須藤大祐さん
〈大祐さん〉

■歯並びの悩み:叢生(乱ぐい歯)
■治療期間:
2009年9月に検査・診断

上下左右の第二小臼歯を計4本抜歯して、治療を開始。上顎大臼歯の固定源にTADs(インプラントアンカー)を使用。現在、正中線を補正するなど、治療の最終段階。


娘と一緒なら、支え合っていけるから
須藤大祐さん(宮城県在住/37歳)・彩乃さん(10歳)

 高校卒業の頃から歯並びが悪くて歯磨きがちゃんとできないため、むし歯が多く、歯科医院との縁は切れませんでした。その頃から歯並びがコンプレックスになって、笑顔で写真に収まることに抵抗がありました。ですから、矯正治療をしてすっきりした口もとになりたいという思いは、ずっとありましたね。でも、仕事をして家庭をもって、という中で、なかなか治療する踏ん切りがつかなかったんです。

 そんなとき、娘の彩乃が学校の歯科検診で咬み合わせをチェックされたことで、矯正治療というものが身近に迫ってきました。そこで「それなら二人で一緒に治療するか!」と、娘と一緒に矯正治療を始めることにしたわけです(笑)。矯正治療は歯が動くときに痛みがあると聞いていたので、二人同時に治療すると、お互いに支え合っていけるのでいいのではと。治療先を決めるにあたっては、通っている歯科医からの推薦はありましたが、自分が実際にそのクリニックを訪ね、先生の説明やスタッフの印象などを総合的にみて判断しました。やはり納得できるかどうかを大切にするのが重要だと思いますね。
須藤大祐さん


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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

弱い力をかけ続けて、ゆっくりと歯を動かしていく矯正歯科治療。物理的な矯正力が体の負担にならないよう、治療は数年かけて行われます。人生の中での数年間は、わずかな期間。それでも治療中にはさまざまな変化が起こるものです。
受賞者の皆さんも、ブレスマコンテストの受賞を始め、治療前には思ってもいなかった"うれしい"変化があったよう。いったいどんな変化でしょう?

増井美千代さん

★応募写真について
2番目の子が不思議そうにブレースをさわった瞬間を、夫が撮ってくれました。このときすでに、おなかに3番目の子どもが宿っていたんですよ。

増井美千代さん

最優秀賞:「1番のスマイルをあなたに!」
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矯正治療に対する意識が変わりました!
増井美千代さん

 治療中の変化はたくさんありました。何と言っても大きいのは、治療前からつきあっていた彼との結婚、妊娠、出産ですね。治療期間の最後には3人目の子どもも授かりました。自分の生活も大きく変わりましたが、こういう変化が始まる前に治療できたのはよかったと思います。

 それと、変化といえば自分自身の矯正に対する意識の変わりようも大きいですね。最初はまわりの人に治療していることを気づかれたくないから歯の裏側にブレースをつける"見えない矯正"を選んだのに、治療が進むうちに、気づいてもらえないのがつまらなくなってきて、「私、今矯正してるの」って自分から話すようになりました(笑)。

 受賞した写真にはブレースが写っていますが、あれは歯並びを最後に微調整するために短期的に前からブレースをつけたときに撮ったもの。先生から「微調整する方法として、歯の表側にブレースをつけるのと、取り外しのできるポジショナーという装置をつけるのと2つあるけど、どっちがいい?」と聞かれて、迷わず「表側からのブレース」と答えました。歯並びがキレイに整っていく中で、ブレースはだんだん体の一部になっていって、つけているのは恥ずべきことじゃないと思えるようになったんです。そして、最後にはブレースがついた写真でコンテストに応募して、最優秀賞までいただくことに(笑)。そんな自分の意識の変化にびっくりしています。

点線

惣司(そうつか)友衣子さん

★応募写真について
矯正歯科医院に置いてあった募集チラシを見て、自分のいい治療記録になればと思い、実家で撮った写真で応募しました。まさか賞がいただけるなんて思ってもいませんでしたが、治療中けっこうがんばったので、その努力が認められたようでうれしいです。

惣司(そうつか)友衣子さん
優秀賞:「なでしこスマイル☆」
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患者さんの気持ちを知ることができました!
惣司(そうつか)友衣子さん

 私も治療中に妊娠・出産を経験しました。子どもは欲しいと思っていたので妊娠したのはうれしかったし、治療中だからといって特別大変なことはなかったのですが、歯が動いて痛みがあるときに鎮痛剤が飲めないのだけは少しつらかったですね(笑)。

 治療中の変化という点では、矯正治療を患者の立場から経験できたのが自分にとって大きな気づきとなりました。もともと歯科衛生士をしていたので治療の流れや方法はわかっていたつもりですが、実際、患者になってみると新しい発見がいろいろあったんです。そのひとつが、ブラッシング。大人であれば説明を聞いてできると思いますが、小さいお子さんの場合は、その通りに実行するのは難しいだろうなと改めて思いましたね。

 私は大人ですから、むし歯をつくらないよう、毎日2列の細い歯ブラシやワンタフトブラシなど、衛生士時代に扱っていたアイテムをフル活用して歯磨きしました。外出先にも、気になったらすぐ磨けるよう歯ブラシと歯間ブラシを持参したり、すぐ磨けない場合に備えてつまようじを持ち歩いたりして、元歯科衛生士として恥ずかしくないようお手入れに励みました。

点線

小島千奈さん

★応募写真について
去年の夏、旅行先でお母さんに撮ってもらいました。
(お母さま)
 2010年8月、旅行先の北海道で撮影。この笑顔はコンテスト用ではなく、滅多に食べることのできない大好物の夕張メロンを前に、つい出てしまった満面の笑みです。普段は、カメラを向けると作り笑いになりがちですが、カメラやブレースをまったく意識していない笑顔が、両親の一番のお気に入りです。

小島千奈さん
優秀賞:「一人一人の笑顔が日本の元気」
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海外に住んで、歯並びの大切さを実感!
小島千奈さん

 小学4年から6年までの3年間、お父さんの仕事の都合で、ロンドンで暮らしたことが大きな変化かもしれません。ちょうど経過観察の時期だったので、ロンドンでは矯正歯科に通わず、お母さんがメールで日本の先生に相談したり、一時帰国するたびにクリニックに行って歯並びをチェックしてもらっていました。ロンドンでは矯正している子も多かったし、やっぱり歯並びって大事なんだなって思いました。

 本格的にブレースをつけた治療が始まったのは中学に入ってからで、あと数ヵ月で終わる予定です。早く終わるといいなあ。今はもうブレースにも慣れてカタイものでもガムでも何でも食べられますけど、歯が動く痛みがあるとき(毎月の通院後2~3日)はパンを食べるのもつらいので(笑)。そんなとき、友達が目の前で私の好きなものを食べていたりすると、いいな~って思っちゃいます。ただ、痛いって言っても眠れないくらいじゃないし、何日か経ったら痛みが収まるのがわかってるから平気。痛いときはお母さんにスープとか噛まずに済むお料理をつくってもらって、がんばって乗りきっています!

点線

須藤大祐さん

★応募写真について
毎朝、娘と一緒に家を出るんです。この写真は家を出る前、玄関先で撮ったもの。コンテストの締め切り直前だったので、撮ってすぐに応募しました。

須藤大祐さん
特別賞:「二人三脚で矯正中!」
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大震災の混乱の中、絆の大切さを再認識!
須藤大祐さん

 宮城県に住んでいるので、治療中印象に残っているのは、やはり東日本大震災ですね。ちょうど去年の2月上旬に、上の前歯を後ろに動かすために上あごにインプラントアンカーを入れたんです。その術後1ヵ月というタイミングで大震災が起こりました。

 治療中、特に術後は口の中を清潔に保たなければいけないのに、当時は歯磨きもろくにできない状態。月に一度の通院予定日が迫っていたこともあり、矯正歯科の先生に無理を言って、震災直後の混沌とした状況の中、口の中の清掃といつものワイヤー調整をしていただきました。当時は、電気は復旧してもガスが通っていなかったので、いつもの温水ではなく、水での口腔内清掃となりました。その水の冷たさが、当時の思い出として強く残っていますね。幸い、娘のほうは通院予定日がずれていたのと治療内容が違うので、緊急で診ていただかなくても済みました。

 そんなこんなで一時は大変でしたが、熱心な先生のおかげで僕も娘も無事治療を続けることができています。大変な時期と重なったからこそ、治療がもたらしてくれた人との絆や、まっすぐな歯を、親子ともども大切にしていきたいと思っています。

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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

すでにブレースが外れ、今は整えた歯並びをその場で保つ保定期間中の増井さんと惣司さん、そして、もうすぐ治療が終わる須藤さんと小島さん。 それぞれの立場から、キレイな歯並びに託した未来への思い、治療を受けて変わったと思う点など、明るい将来に向けたメッセージをうかがいました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「矯正治療っていいよ」って、みんなに知らせたい!
増井美千代さん

 歯並びをよくするには、歯を削ったり抜いたりして、時間をかけずに簡単にできる方法もありますが、私は時間がかかっても自分の歯を根っこの部分からまっすぐに整えていく矯正治療を選んで本当によかったと思っています。治療を始める前は矯正がどういう治療か知りませんでしたし、自分が数年かけて歯を治すなんて思ってもみませんでした。でも、治療を始めて歯が整っていくにつれて、自分の歯がいとおしく思えて、大切にしたいと思うようになりました。治療してよかったと自信をもって言えるので、まわりで歯並びに悩んでいる人がいたら、矯正をすすめたいですね。私は33歳から治療を始めましたが、スタートするのに遅すぎるなんてことはありませんから。
 自分の子どもの歯並びに問題があればどうするか? もちろん、治療を受けさせてあげたいと思います。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「矯正治療っていいよ」って、みんなに知らせたい!
惣司(そうつか)友衣子さん

 歯科衛生士をしていたときは、たくさんの患者さんがキレイになっていくのを見ると、正直、うらやましいな、自分も同じようになりたいな、という思いがありました。ですから、念願の矯正治療で歯並びがキレイになったのは本当にうれしいことです。
 以前は、歯並びだけではなく顎関節に痛みもあり、口が開きづらいという機能的な問題も抱えていました。そんな不調も、咬み合わせがよくなったおかげでほとんど感じなくなりましたね。そう考えると、治療は見た目だけではなく、健康のためにもよかったんだと思えます。主人も、「口だけみるとセレブだね」って褒めてくれるんです(笑)。そう言われると、私のうれしさも倍増。治療してよかった! と心から思えます。これからはリテーナー(保定装置)もきちんと使って、一生キレイな歯並びを保ちたいと思っています。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「まっすぐな歯並びで思いっきり笑いたい!
小島千奈さん

 まだブレースはとれていませんが、以前のガタガタした歯並びがすっきりキレイに並んだので、ブレースをつけた状態でも思いっきり笑えるようになりました。そこは以前と全然違う点です。治療していると痛みがあったり、歯磨きが面倒だったりしますけど、今となっては治療してよかった。ブレースがとれたら何がしたいか、ですか? うーん、なんだろう。やっぱり思いっきり笑いたいです。ブレースのないキレイな歯で(笑)。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」娘と一緒に笑顔の写真をたくさん撮りたい!
須藤大祐さん
 治療前は笑顔の写真を撮られるのが苦手でしたけど、今は気にならなくなりました。逆に、写真となるとつい笑顔になってしまう(笑)。この違いはかなり大きいと思いますね。あと、以前は咬み合わせが悪かったこともあって、無意識のうちに歯をかみしめて、歯ぐきがうずくこともあったのですが、治療してそれもなくなりました。そういう部分のストレスが解消されたので、対人面でのコミュニケーションにもいい変化が出ているのではと思います。
 娘の治療は発育に応じてこの先もまだ続きますが、ひとあし先に終わる自分としては、これからも娘の治療を見守っていくつもりです。そして、二人揃ってブレースがとれたら、そのときにはまた同じように二人で笑顔の写真をたくさん撮りたいですね。

~大阪大会賞に輝いた大坂文代さんにもコメントをいただきました!~ 大坂文代さん

咬み合わせがよくなって、
ラーメンだっておいしく噛んで食べられます!

 受賞した写真はお昼ご飯のシーンです。私の歯並びは「開咬(かいこう)」といって歯を噛み合わせても上下の前歯が噛み合わない状態だったので、前歯で麺が噛み切れなかったんです。不便でしたけど、矯正治療をしようとは思っていませんでした。矯正ではなく、ひどいむし歯になった奥歯を抜いてブリッジかインプラントをしてもらおうと一般歯科に行ったところ、矯正治療をすすめられたのが最初です。紹介された矯正歯科に行くと、奥歯にむし歯が多いのは咬み合わせが悪いのが原因だと言われました。そして、開咬をきちんと治すには外科手術と組み合わせた矯正治療が必要だとすすめられたんです。


大坂文代さん
大阪大会賞:「かめるかめる!感動!!」
>>写真をクリックすると、大きな写真と受賞コメントが現れます。


 矯正歯科の先生は32本ある歯を人間にたとえて「32人の従業員のうち、半分しか働いていなかったら、その会社はどうなると思う?」っておっしゃいまして(笑)。私の口の中は、ちょうどそんな状態だったんです。それできちんと治す決心をしました。手術は去年の6月に無事終了し、今は術後の矯正中。あと半年くらいでブレースが外れる予定です。ブレースがとれたら? まっすぐな歯を思いっきりブラッシングしたいですね(笑)。


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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

第7回「ブレーススマイルコンテスト」
矯正歯科専門開業医の団体、日本臨床矯正歯科医会の主催で2005年から毎年行われているブレスマコンテスト。7回目を迎える今回は、「日本を支えるあなたの笑顔」をテーマに、2011年7月から作品を募集しました。その結果、寄せられたのは7歳から63歳までの幅広い年齢層からの183作品。応募期間終了後、日本臨床矯正歯科医会のメンバーと協賛企業の投票による1次審査と2次審査を行い、優秀賞3作品と東日本大震災被災地へのエールを込めた特別賞と優秀コメント賞、大阪大会賞が選ばれました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

そして、優秀賞3作品の中から最優秀章を決定する最終審査が行われたのが、表彰式前日。会場となった大阪国際交流センターの壁面には最終選考に残った作品がずらりと展示され、多くの人の注目を集めていました。

岡村日向子さん

ベストコメント賞:「笑顔で恩返し」
福島県 岡村日向子さん

>>写真をクリックすると、大きな写真と受賞コメントが現れます。

ベストコメント賞に輝いた福島県在住の岡村日向子さんはあいにく表彰式には欠席となりましたが、『笑顔で恩返し』というタイトルの受賞作品とコメントが会場のスクリーンに大きく映し出されると、たくさんの温かい拍手がわき起こりました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

最初は少し緊張ぎみだった受賞者の皆さんも、表彰式の進行とともに、だんだんリラックスした表情に。主治医の先生やスタッフの皆さん、そして表彰式に同行したご家族らが受賞者を囲んで記念撮影する頃には、和気あいあいとした雰囲気となりました。

皆さん、本当におめでとうございます!

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

ブレスマコンテストはこれからも毎年開催され、2012年の夏には第8回目の応募が始まります。今、治療中の方も、これから治療を始める方も、このコンテストへの応募を矯正歯科治療中の思い出のひとつにしてみてはいかがでしょう。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿 健康寿命を伸ばす

健康寿命を伸ばす

 世界に名だたる長寿国の日本。2010年の国民の平均寿命は、男性79.55歳、女性86.3歳となり、厚労省では、このままいけば2022年には男性81.15歳、女性87.87歳まで平均寿命が延びると推計しています。寿命が延びるのはよいことですが、その一方で気になるのが「健康寿命」です。

 健康寿命とは「介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる」年齢のこと。いうなれば、平均寿命から平均療養期間を引いた数字です。

 日本人の場合、2010年の時点で健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳。つまり、男性は9年あまり、女性は約13年間も日常生活に差し障りのある"不健康な"療養期間があるのです。

 ちなみに、この健康寿命、2001年とくらべると延びてはいるものの、平均寿命に比べると延び率が小さく、9年前より療養期間が長くなっているのも気になる点です。

健康寿命と平均寿命の推移
資料:健康寿命は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
平均寿命は厚生労働省「簡易生命表」
(注)日常生活に制限のない期間が「健康寿命」、0歳の平均余命が「平均寿命」

歯と全身の健康に役立つ

丹根先生

お話をうかがった
広島大学大学院医歯薬保健学研究院
丹根一夫先生

 健康寿命を延ばすには、どうすればいいのでしょうか。

「それにはまず食事、睡眠、運動を適切に取り入れるなど日々の生活習慣を見直すと同時に、しっかりと咀嚼(そしゃく)できる安定した咬み合わせを保つことが大切です」と話すのは、広島大学大学院医歯薬保健学研究院 丹根一夫先生。

 咀嚼とは、食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすい状態にすることです。

「食物をしっかり咀嚼することは、胃や腸の消化吸収を助けるだけでなく、中枢神経系に働きかけて食べ過ぎを防いだり、唾液の分泌をよくしてむし歯や歯周病を防いだり、言葉の発音を明瞭にしたり、全身のさまざまな機能を活性するのに重要な役割を果たしているのです」

 そのため、反対によく噛まずに食べると満腹感が得にくくなり、つい食べ過ぎてしまい、肥満につながります。また、咀嚼によって歯やあごが鍛えられないことから歯の組織が弱まり、さらにやわらかいものばかり食べるようになる...といった悪循環に陥ることに。

コラム 学校食事研究会が噛むことの効用をわかりやすい標語にしています。それが「ひみこの歯がいーぜ」。現代人にくらべて噛む回数が何倍も多かったと考えられている弥生時代の人々。邪馬台国の女王、卑弥呼もきっとしっかりと噛んで食べていたでしょう。

「ひ」:肥満を防ぐ
「み」:味覚の発達を促す
「こ」:言葉の発音がハッキリする
「の」:歯をむし歯や歯周病から守る
「は」:肥満を防ぐ
「が」:がんを防ぐ
「い」:胃腸の働きを促す
「ぜ」:全身の体力向上


「現代の食事はやわらかい加工食が多く、あまり噛まなくても飲み込めます。しかし、それは歯にも身体にもよくないこと。また、口の中にちゃんと噛み合わない歯があると、その歯のまわりにある骨や組織が萎縮して、その結果、歯と歯を支えるあごの骨の結合力が弱まって抜けやすくなってしまいます。つまり、歯は使わないと弱くなるのです。これは入院して寝たきりの生活を送っていると、筋肉が落ちて痩せてしまうのと同じ原理。歯が『噛む』という本来の機能を発揮するためには、きちんと噛み合う状態であることが大切です」

 食べものを噛み始めると、それに伴う感覚情報が歯を骨とつなげている歯根膜(しこんまく)などで捉えられ、三叉(さんさ)神経に伝達されます。その際、咬み合わせが不安定だったり、歯をなくしてよく噛めない状態だと、脳への信号の伝達が十分に行われないため、ストレスをためやすくなったりもするのだそうです。

 そして、それだけではなく、最近では安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきているのだとか。

次のページでは、脳の健康と歯の関係についてご紹介します。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

健康な脳と咀嚼 噛むこと

健康な脳と咀嚼 最近では、安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきています。その話に入る前に、まず、噛むことによって脳にどれくらいの刺激を与えているのか、丹根先生にうかがいました。

「口の中や舌、歯の根もとにある歯根膜には、味覚や触覚、冷温、痛みなどを敏感に感じ取る感覚センサーがたくさんあり、咀嚼することで大量の感覚情報が脳に流れ込みます。その情報量は、手足や身体のほかの部位からくる情報と比べても格段に多いといわれています」

そのことを裏付けるのが、カナダのマギル大学のペンフィールド教授が作成した「ペンフィールド・マップ」。脳の表面に描かれた奇妙な顔と手足をもつ絵は、ホムンクルス(小さな巨人の意味)と呼ばれ、脳が身体を支配する領域の大きさに応じて、身体の部位を誇張して描かれています。それをみると、身体のほかの部位に比べて口や唇、舌の占める面積は非常に大きいことがわかります。つまり、それだけ口もとは精妙な動きができ、ものを噛むことによってきめ細かな情報を脳に伝えることができるのです。

ペンフィールド・マップ
ペンフィールド・マップ
ドット
 そのため、歯を失うなどしてよく噛めない状態になると、認知症の一種であるアルツハイマー病のリスクが高まるといわれています。そこで丹根先生は、咬み合わせの良し悪しと認知症の関わりを調べるため、さまざまな実験を行いました。

■実験1:歯がないとアルツハイマー病になりやすい?

「先ほどお話ししたように、ものを噛むと、その刺激は歯根膜から三叉(さんさ)神経を通って中枢神経系まで伝達されます。その途中で、計算や思考、記憶のメカニズムをになう海馬(かいば)に情報が送られるわけです。一方、アルツハイマー病というのは脳が萎縮していく病気で、アミロイドβ(ベータ)というタンパクが脳の海馬周辺に沈着することで発症するといわれています。そこで、まずは普通に歯があるネズミと先天的に歯が生えてこないネズミを使った実験で、大脳皮質や海馬、視床下部などにおけるアミロイドβの沈着の様子を確認してみることにしました」

 その結果、正常なネズミでは0個だったアミロイドβが、先天的に歯の生えないネズミでは、特に大脳皮質において平均157個のアミロイドβ沈着が認められました。

ネズミの大脳皮質
歯のある正常なネズミの大脳皮質(左)には認知症の原因となるアミロイドβが0個なのに対し、
歯のないネズミの大脳皮質(右)には平均158個のアミロイドβの沈着があった。

ドット
■実験2:噛まずに栄養をとっても海馬の細胞は減る?

 次に、粉末のエサを与えたネズミと固形のエサを与えたネズミで、記憶・学習能力をつかさどる海馬周辺の細胞の数を比較したところ、粉末の咬まずに食べられるエサを与えていたネズミは固形のエサを与えていたネズミより、海馬の錐体(すいたい)細胞の数が少なくなることが明らかになりました」

ネズミの海馬周辺の細胞数
固形エサを食べたネズミ(左)に対し、粉末エサのみを食べたネズミ(右)は、
海馬周辺の細胞数が少なかった。

「ここから推測できるのは、毎日自分の歯でものをよく噛んでいる人とそうでない人では、海馬の細胞数に差がある、つまり記憶・学習能力に差がつくのではないかということです」

 丹根先生は、この2つの実験で歯と脳の関わりを機能と構造の面から確認したうえで、「モーリスの水迷路」といわれる実験で、さらに噛むことと記憶・空間認知能力の関係を調べました。

ドット
■実験3:噛む回数が少ないと空間認知能力が落ちる?

 空間認知能力とは、周囲にあるものから自分の位置を知り、記憶すること。それも海馬の重要な働きです。

「先の実験と同じように、固形と粉末という硬さの異なるエサで育てた正常なネズミを直径60センチのプールに落とし、プールの縁までたどり着くまでの時間を8日間にわたって計測してみました。すると、どちらのネズミも生後半年齢ではハッキリとした差がなかったものの、生後約1年経ったネズミでは明らかな差が認められました

 粉末のエサを食べていたネズミのほうが、固形のエサを食べていたネズミよりゴールへの到達時間が長かったのです。

水迷路実験
「モーリスの水迷路」実験で使う装置。
ゴールまでの到達時間
固形エサを食べていたネズミのほうが、
プールの縁まで到達する時間が早かった。

「これらの実験から見えてくるのは、しっかり噛めないと記憶や空間認知能力の司令塔である海馬の神経活動が不活発になるという可能性です。もちろん、認知症を引き起こす原因はさまざまで、噛むことで確実に予防できるものではありませんが、安定した咬み合わせでよく噛める状態を保つことは、認知症のリスクを下げる一因になるのは事実だと思います」

次のページでは、歯と診療費の関係についてご紹介します。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

将来の治療費がかさむ! 毎月の診療費が多い

毎月の診療費が多い 少し前の情報になりますが、2005年の日経新聞に、朝食を食べた人と食べなかった人とで、記憶力にどのような違いが出るかを調べた研究結果が載っていました。それによると、朝食を食べたグループが明らかに優れた成績を示したそうです。また、別の研究では一日のブドウ糖の必要摂取量の約25%を朝食でとると、計算能力や想像力が高まったとされています。

 ここで注目したいのは、やはり噛むことの効用。ご飯やパンに含まれる炭水化物は、噛むと唾液と一緒になって、ブドウ糖になります。大脳を働かせるのは、ブドウ糖の役割。
 つまり、朝食をしっかり噛んで食べることで、脳と身体の健康に役立つのです。

よく噛むことが健康維持につながるなら、よく噛める状態の歯を保つことは、医療費を減らすことにもつながるということです」と丹根先生は話します。

 実際、兵庫県歯科医師会の研究から、残った歯の数が約8本の高齢者の診療費は、歯の数が約22本ある高齢者の診療費より月に1万円以上多いという結果が出ています。

「月々1万円以上も違うというのは年間にすると大変な差。しかも、歯の数と診療費は反比例の関係にあり、歯が少なくなるほど医療費が高くなるという結果になりました。さらに、歯が残っている高齢者は、かかる病気も、外耳炎や風邪、皮膚炎といった通院で済む程度なものなのに対し、歯の数が少ない、もしくはまったくなくて咬み合わせが保てない高齢者では、がんや糖尿病、肝硬変、認知症など、重篤な病気が目立っている点にも注目すべきでしょう」

噛める高齢者と咬めない高齢者

もってのほか

 ここまで読んできて、「では、すでに歯をうしなってしまった場合はもう手遅れなのか?」と思っている方もいるかもしれません。その点について、丹根先生はこう話します。

「歯がすでにない場合は、入れ歯などを利用して、ものが噛める状態にしておくことが大切です。抜けたままにしておくのは一番いけません

 しかし、入れ歯にすると、噛む力が天然の歯の約3分の1に落ちるというデメリットも。

「やはり一番よいのは、歯を失う前によく噛める状態に整えておくことですね。デコボコの歯並びなどでうまく咬み合わない歯は、歯磨きもしづらく、歯周病やむし歯になりやすいため、歯の寿命もおのずと短くなってしまいますから」

 そこで重要になるのが、安定した咬み合わせをつくる矯正歯科治療です。

次のページでは、大人になってから始める矯正歯科治療についてご紹介します。

健康な脳と咀嚼 自分の咬み合わせの状態

Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

自分の咬み合わせの状態を知る 自然のメカニズムを利用

キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿 矯正歯科治療とは、歯やあご位置を、上下・左右・前後と3次元的に見て、問題のある咬み合わせを直していく治療のこと。歯の根もとにある歯槽骨の新陳代謝のメカニズムを利用して、弱い力を継続的にかけることによって、理想的に咬み合う位置に歯を動かしていくのです。

 そもそも咬み合わせが悪くなる原因には、遺伝的なものと後天的なものとがあります。このうち根本的に咬み合わせに影響をおよぼしがちなのは、やはり両親から受け継いだ遺伝的なもの。例えば、親が乱ぐい歯だとその子どもも同じような乱ぐい歯になりやすいのは、歯の生えてくる時期やあごの骨の発育のしかたなどに遺伝的な条件が影響するためだといわれています。

 よくない咬み合わせ(不正咬合)は、こうした遺伝的要素に、子どもの頃の指しゃぶりや乳歯のむし歯、口呼吸、噛み癖、舌の癖など後天的な要素が加わり、成長する中でつくりあげられていきます。

 不正咬合をそのままにしておくと、ここで紹介したように健康面での問題が起こりやすいだけでなく、笑顔に自信がもてなかったり、歯に対するコンプレックスから人間関係でも消極的になったりしがちです。もちろん、咬み合わせに多少問題があっても、人間には適応力があるため、ただちに問題が起こるわけではないでしょう。しかし、そういう人は歯周病になったり、むし歯ができたりといった何らかの変化が加わると、口腔にかかる負担がより大きくなり、トラブルにつながる危険性を秘めているということです。

矯正治療は健康な未来への投資

 公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会が2012年に全国のOL300名を対象に行った意識調査によると、矯正歯科治療について「くわしく知っている」「なんとなく知っている」と答えた人の割合は約82%。そして、矯正歯科治療をしたいと思ったことが「ある」と答えた人は、半数近い47%となっています。

矯正治療は健康な未来への投資
日本臨床矯正歯科医会調べ

 少し前まで子どもが受けるもの、という意識が強かった矯正歯科治療ですが、最近では年齢に関係なく治療に関心を持ち、受けたいと考える人が増えてきているようです。その背景には歯に対する意識が高まったことや、歯と健康の関わりを大切に考える人が増えてきたことが挙げられるでしょう。

 安定したキレイな咬み合わせをつくる矯正歯科治療は、言うなれば、食事や日常生活に気を配って、いつまでも健康で若々しくいるための、いわばフィットネスと同じ。一生、自分の歯で食べ、話し、笑うための前向きな投資にほかなりません。

 今、咬み合わせに自信がないと感じている人は、将来問題を起こさないために、早めに専門家の意見を聞いて、自分の咬み合わせの状態を把握することから始めてみてはいかがでしょう。自分の歯に関心を持つこと、それは健康寿命を延ばし、幸せな人生を送るための大切なファーストステップでもあるのです。

矯正治療は健康な未来への投資

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  2. 2015年4月28日