|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

第13回ブレーススマイルコンテスト入賞作品発表

2017年12月26日

第13回ブレーススマイルコンテスト入賞作品発表

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会

矯正歯科治療中の方を対象にした笑顔のフォトコンテスト「第13回ブレーススマイルコンテスト」(主催:公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会、日本歯科矯正器材協議会)の入賞12作品が、一次審査の結果470作品の中から決定しました。

本コンテストは、矯正歯科治療中の方がより前向きに治療に取り組んでいただくことを目的として、日本臨床矯正歯科医会が2005年より実施しています。

今回は「もっと!輝く笑顔へ!」というテーマのもと、全国からたくさんの方々にご応募いただきました。
最優秀賞をはじめとする各受賞作品は随時発表します。

【入賞作品】

「輝く白い歯!毎日笑顔!」N.N.さん(12歳)

「輝く白い歯!毎日笑顔!」N.N.さん(12歳)
【応募コメント】
お母さん!いつになく、とびきりの大きな声と笑顔で、賞状を見せてくれました。矯正を始めてから二年でしたが、素敵な笑顔を見せてくれる自慢の娘になりました。これからもその笑顔で頑張っていこうね!!

「笑顔でいっぱい」R.I.さん/T.I.さん(16歳)

「笑顔でいっぱい」R.I.さん/T.I.さん(16歳)
【応募コメント】
高校の健康診断で「歯並びが悪いから病院に行った方がいいよ。」と言われて始めた矯正治療。徐々に歯並びが良くなり、二人で見せ合いっこするようになりました。歯が痛い時もありますが、綺麗な歯になれるよう二人で頑張ります。

「家族三人ただいま矯正歯科治療中」T.O.さん(46歳)

「家族三人ただいま矯正歯科治療中」T.O.さん(46歳)
【応募コメント】
娘の矯正歯科治療をきっかけに私達両親も治療を始めました。少しでも娘の治療のつらさを共有したいと思っていたのが、逆に娘に励まされる日々です。いつか美しい歯並びの家族写真を撮ることを目標にみんなで頑張っています。

「フットサル頑張るぞ!!」A.S.さん(11歳)

「フットサル頑張るぞ!!」A.S.さん(11歳)
【応募コメント】
矯正を始めて運動ができるか心配でしたが、サッカーやフットサルも問題なくできています。痛みも思ったよりも少なく、どんどん綺麗な歯並びになってきています。これからも色々なスポーツに挑戦していきたいと思います!!

「毎日頑張ってキレイになるぞ!」R.N.さん(6歳)

「毎日頑張ってキレイになるぞ!」R.N.さん(6歳)
【応募コメント】
一昨年から矯正を始めました。最初は痛みがあったりしたけどだんだんきれいになっていくので嬉しいです。今では自分でフェイスマスクもつけられるようになったし、ますますきれいになりたいと思ってます。

「キラキラ笑顔キラキラ坊主」Y.W.さん(11歳)

「キラキラ笑顔キラキラ坊主」Y.W.さん(11歳)
【応募コメント】
矯正治療を始めて1年になります。歯に矯正装置を装着しての生活、きっと慣れない事もたくさんあったと思いますが、キレイになっていく歯並びを雄児本人も喜んでいます。歯科帰りに撮った一枚。素敵な笑顔を見せてくれました。

「青組頑張れ~」M.T.さん(10歳)

「青組頑張れ~」M.T.さん(10歳)
【応募コメント】
数ヶ月前から矯正をはじめました。通院のたびに歯並びが綺麗になり、毎回ワクワクしてます。装置をつけるのもはじめは嫌だなぁと思っていましたが、どんなカラーにするのか楽しみで、学校の運動会で青組を応援する日は青色の装置をつけ、大きな口を開けて、声援を送ります。残りの矯正ライフも思いっきり楽しみます。

「笑顔の力」R.K.さん(24歳)

「笑顔の力」R.K.さん(24歳)
【応募コメント】
看護師として働き患者さんの笑顔に何度も励まされ、笑顔には人を元気にする力があると感じました。治療は始まったばかりですが、周りの人をハッピーにするような笑顔で頑張っていきます!

「ヒゲに似合わぬカラフル矯正」K.T.さん(21歳)

「ヒゲに似合わぬカラフル矯正」K.T.さん(21歳)
【応募コメント】
私は受け口が高校時代からのコンプレックスで大学生になって少し経った時に思い切って矯正をし始めました。初めは抜歯、慣れない金属の金具、食べにくさがストレスでかなり大変でしたが今ではすっかり私の大切な一部で、話のネタでも大活躍しています。これも全て治療後の最高の笑顔の準備のためです。早くキレイに整った歯で思いっきり笑いたいです!!

「還暦前の勇気」M.K.さん(58歳)

「還暦前の勇気」M.K.さん(58歳)
【応募コメント】
矯正治療を始めて三年半。生えてない永久歯の関係もあり歯並びが悪く、年齢的にも 難しいと思っていましたが、びっくりする程きれいになった前歯にパッピー感いっぱい。スタートは早い方が良いものの、来年還暦を迎える私の年齢からでも遅くはありません。にっこり、スマイル人生を送っていきたいです。

「部屋とTシャツと姉貴」J.M.さん(19歳)

「部屋とTシャツと姉貴」J.M.さん(19歳)
【応募コメント】
姉の影響を受けて始めた矯正。初めは色んな器具をつけることに抵抗もありましたが、カラフルな器具にしたり、なにより姉妹でいつもふざけあい、励まし合うことで、楽しく過ごせています。春からは接客業なので、きれいな歯並びで満面のスマイルを作れる様に、日々練習中です!

「踊る!よさこいスマイル♫」J.S.さん(19歳)

「踊る!よさこいスマイル♫」J.S.さん(19歳)
【応募コメント】
大学生になり、よさこいを始めました!歯並びが良くなってきて、自信を持って笑顔になれます!高知よさこいでは「笑顔がいい」と審査員からメダルを頂きました。ブレースをつけた自慢の笑顔のおかげで、よさこいがもっと大好きになりました!!


第13回ブレーススマイルコンテストの概要
1 テーマ 「もっと!輝く笑顔へ!」
2 募集期間 2017年6月1日(木)から8月31日(木)まで
3 応募条件 応募者が矯正歯科治療中の方
4 表彰式 2018年2月21日(水)
ホテルグランヴィア岡山(岡山県岡山市)
5 応募総数

470作品

6   賞  最優秀賞1作品
優秀賞2作品
大会賞1作品
7 主 催 公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
日本歯科矯正器材協議会
【本件に関する問い合わせ先】
公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
(広報代行)共同ピーアール株式会社 担当:北条、大須賀、佐藤
電話 03-3571-5238  FAX 03-3571-5360

拡大床の「無料相談室」を新設

「氾濫する拡大床使用」から起こトラブルへの警鐘
拡大床の「無料相談室」を新設
悩める 患者さんの疑問やご相談を受付けます!
~日本臨床矯正歯科医会のHPで2017年 3月 2日から~

矯正歯科専門開業医の全国組織である公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会では、2017年3月2日(木)より拡大床の「無料相談室」を本会HPに新設し、受付開始します。
拡大床は、昨今、「痛みが少ない」「アゴを拡げるので歯を抜かずに治療ができる」「取り外しが可能で、人目に付かない」「簡単に治る」「安い」などという謳い文句で誘導され、多くの患者さんが選択している矯正装置です。しかし、拡大床は適応症が限定されることや、矯正歯科の専門的な知識と注意が必要といったことがあまり知られておらず、誤った使用方法で利用されているケースが多く見受けられます。そのことで、「かえって症状が悪化した」、「外したら戻った」など十分な治療結果を得られない患者さんが多くいるのが現状です。
そこでこの「無料相談室」では、本会 HP を通じてお問合せいただいた、現在拡大床で矯正歯科治療をされている方や、これから検討される方などから、疑問やご相談にお応えします。本会 HP に設置された拡大床の「無料相談室(矯正歯科何でも相談)」のページからご相談フォームを選択し、必要事項をご記入のうえ送信。後日メールにて担当部署から個別にご回答致します。
日本臨床矯正歯科医会では、今後とも拡大床使用による安易な矯正歯科治療に対する警鐘を鳴らし、多くの患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、本会会員をはじめとする経験豊かな矯正歯科を専門とする歯科医師によく相談いただくことをお勧めします。
※トップページに設置したバナーボタンからも入れます。

-拡大床の「無料相談室」概要-

■受付開始: 2017 年 3月 2日(木)~
■相談方法:
①日本臨床矯正歯科医会 HP のトップページ上に設置した拡大床「無料相談室」 のトップページ上に設置した拡大床「無料相談室」 バナーボタンを選択。
②拡大床の「無料相談室」から、ごフォームに必要事項を記入うえ送信。
③後日、メールにて担当部署から個別ご回答致します。
日本臨床矯正歯科医会 HP
拡大床の「無料相談室
【本件に関する問い合わせ先】
公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
(広報代行)共同ピーアル株式会社
アカウント本部 9部 担当:大須賀、北条
電話 03-3571-5238 FAX 03-3571-5360

2017年度震災支援事業

東日本大震災で孤児・遺児となった方を対象に
平成29 年度「震災孤児・遺児支援事業」を実施
~新規矯正歯科治療希望者を無償で治療~

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
矯正歯科専門開業医の全国組織である公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(会長:富永雪穂)は、東日本大震災で孤児(両親を亡くした子ども)・遺児(片親を亡くした子ども)となった方で、新規に矯正歯科治療を希望する方を無償で治療する平成29 年度「震災孤児・遺児支援事業」を、本年4月1 日(土)より実施します。

今回の支援事業は、多くの方が被災された東日本大震災において親御さんを亡くされ、その後矯正歯科治療を受けたくても受けられない状況にあるお子さんに対し、本会会員が担当医となり無償での治療を行うものです。本会では、2011 年6 月より、被災者支援事業として矯正歯科治療が継続困難となった患者さんに対し、会より補助金を提供して本会会員診療所における治療継続支援を実施、また2013 年度には震災孤児に対する矯正歯科治療の無償支援事業を実施、1 名への支援を行いました。さらに、2014 年度からは、対象者を遺児の方にも広げての支援事業とし、2014 年度は5 名、2015 年度は3 名、2016 年度は5 名への支援を行っています。
平成29 年度(2017 年度)の支援事業の概要は以下の通りです。

◆支援対象者:東日本大震災により孤児・遺児になられた方(2011 年3 月11 日時点で20 歳未満)
◆支援条件:
1.治療すべき不正咬合がある方
2.日本臨床矯正歯科医会会員診療所に通院できる方
3.日本臨床矯正歯科医会の活動に協力していただける方(症例報告への資料提供など)
◆受付期間:2017 年4 月1 日(土)~2017 年12 月28 日(木)までを予定
◆募集人数:受付期間中5 名を上限として募集します。
◆支援事業に関するお問い合わせ先:
公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会 事務局(一般財団法人 口腔保健協会内)
〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43−9
TEL 03-3947-8891 FAX 03-3947-8341
email: gakkai6@kokuhokenn.or.jp
または、最寄りの日本臨床矯正歯科医会会員医院までお問い合わせください。
※会員医院は、日本臨床矯正歯科医会ホームページ(http://www.jpao.jp/)でも検索可能です。

【本件に関する報道関係者からの問い合わせ先】

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
(広報代行)共同ピーアール株式会社
PR アカウント本部9 部 担当:大須賀、北条
電話 03-3571-5238  FAX 03-3571-5360

「第 13 回 ブレース スマイル コンテスト 」 開催!

矯正歯科 治療中の方を対象にした笑顔フォト コンテスト
「第 13 回 ブレース スマイル コンテスト 」 開催!
~募集期間: 6月 1日(木)~ 8月 31 日(木)/テーマ :『もっと! 輝く笑顔へ!』~

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
矯正歯科専門開業医の全国組織である日本臨床会(会長: 富永雪穂)は、矯正歯科治療中の方を対象とした笑顔のフォトコンテスト「第13回ブレース スマイル コンテスト」を実施、本年 6月 1日(木)から 8月 31 日(木)まで作品の募集を行います 。応募された作品の中から本年 10 月に 入賞 12 作品 (予定)を選出 し、12 月に各受賞者を発表します。
本コンテストの 今年のテーマは『もっと! 輝く笑顔へ!』です。矯正歯科治療でキレイな歯並びになっていく皆さんの” 輝く笑顔 “を募集します。
同コンテストは、矯正歯科治療中の方がより前向きに取組んでいただくことを目的として、臨床矯正歯科医会が2005年より実施し、今年で13回目になります。昨年は全国から310点と非常に多くの作品が寄せられました。
なお、本コンテストでは最優秀賞、優秀賞受賞者には賞金と、副賞として東京ディズニーリゾート1デーパスポート2日分(ペア)と東京ディズニーリゾートギフトカード5万円分を贈呈いたします。その他入賞者全員にQUOカード5000円を贈呈いたします。募集要項については、別紙をご参照ください。
第12回 最優秀賞
第 12 回 最優秀賞
「地震なんかに負けないぞ」
※過去の受賞作品写真がご入り用の方は、下記までお問い合わせください。

【本件に関する報道関係者からの問い合わせ先】

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
(広報代行)共同ピーアル株式会社 (広報代行)共同ピーアル株式会社 PR アカウント本部 9部 担当:北条、大須賀
電話 03-357-5238 FAX 03-3571-5360

『第 13 回ブレース スマイル コンテスト 募集要項』

テーマ 『もっと! 輝く笑顔へ!』
募集期間 2017年 6月 1日(木)から 8月 31 日(木) ※締切日必着
応募条件 応募者が矯正歯科治療中の方。応募者のブレース(矯正装置)がはっきりと写っていること。
受賞の対象となるのは応募者のみとなります。(被写体は複数人可)
応募はお一人につき 応募はお一人につき1点のみとさせていただきます。※複数名でのご応募は不可とします。
応募方法

デジタル写真データ、またはプリントデジタル写真
<デジタル写真データの応募方法>
6月1日開設予定の日本臨床矯正歯科医会のホームページ(http://www.jpao.jp/smile /)からご応募ください。(応募受付は 6月 1日より 開始します。)
デジタル写真データの場合、サイズ1 MB 以上2 MB 未満のもの。
<プリント写真の応募方法>
・写真はカラープリント (サービス版~2Lサイズ )のみです。記録媒体の郵送は不可。
・写真の裏面に応募者名前を記入してください。
・以下の必要事項を別紙に明記し(書式自由)、写真と同封てご郵送ください。
【必要事項】
応募者氏名(フリガナ)/年齢/郵便番号/住所/電話番号/メールアドレス(メールアドレスをお持ちでない場合は記載の必要ござません)/治療医院名/治療医院電話番号/治療医院開始年月日/募集を知った方法〈医院、メディアなど〉/写真のタイトル/矯正歯科治療を経験した感想。歯並びと笑顔についてのコメント〈~100字程度〉

【郵送先】
〒116-0013 日本郵便荒川郵便局 私書箱22号
第 13 回ブレースマイルコンテスト 応募 事務局 ※応募作品はご返却しません。

各賞 ※ご応募いただ作品から入賞12 作品(予定)を選出後、下記の各賞を選考します。
★最優秀賞(1名) ★優秀賞(2名) ★大会賞( 1名) 、他
賞金 ★最優秀賞(1名)賞金 5万円と副賞(東京ディズニーリゾート1デーパスポート 2日分( ペア )+東京ディズニーリゾートギフカード 5万円分)
★優秀賞 (2名) 賞金 3万円と副賞(最優秀と同じ)
★入賞者全員にQUOカード 5000円を贈呈します。
受賞者発表 2017年10月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で入賞12作品を発表予定。
2017年12月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で各賞発表予定。
(日本臨床矯正歯科医会ホームページhttp://www.jpao.jphttp://www.jpao.jp)

※12月の各賞発表後、最優秀賞、優秀賞 、大会優秀賞受賞者の皆様には、2018年2月実施予定の表彰式へのご招待のご連絡をさせていただきます。またその他の受賞者の皆様にもご招待の連絡をさせていただく場合がございます。

注意事項

※本会の書籍など出版物やウェブサイト、PR・プロモーションために使用させて頂くことがありますのであらかじめご了承ください。なお、応募作品は返却いたしません。
※応募作品を本会の出版物やウェブサイト、PR・プロモーション活動等に使用する場合、必要に応じ画像のトリミングや色調の補正等加工を行う場合があります。
※第三者の権利(著作、肖像権など)を侵害する作品は応募できません。応募作品に著作権や肖像権の問題が発生しましても、本会はその一切の責任を負わないものとし、その責任・解決はすべて応募者に帰属するものとします。
※入賞作品(写真タイトル、 応募コメントを含む)は、本会の広報発表資料や主催する催し、広報誌や作品集等の出版物、ポスター・チラシ、ウェブサイト等で使用する場合があります。また、入賞作品(写真タイトルまた、応募コメントを含む)は、本会が認めるメディア等に提供することがあります。作品の使用にあたっては、入賞者の氏名や年齢、居住都道府県表示を行う場合があります。
※応募に関する個人情報は、本コンテスト連業務(賞の発表や絡を含む)ウェブサイトや書籍等へのご協力を確認する連絡以外には使用いたしません。

主催 ・公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会  ・日本歯科矯正器材協議会
問い合わせ先 日本臨床矯正歯科医会 第13回ブレースマイルコンテスト応募事務局 E-mail:brace-smile@jpao.jp
ブレースマイルコンテスト ホームページ(6月1日開設予定) http://www.jpao.jp/smile/

新会長就任2017_ニュースリリース

公益 社団法人 社団法人 日本臨床矯正歯科医会
新会長 に、稲毛 滋自 が就任が就任

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会は、2017年6月7日(水)付けで、稲毛滋自が新会長に就任しましたので、お知らせします。
なお、副会長には野村聡が就任、専務理事には土屋朋未が就任いたしました。

新会長および 新会長および 新会長および 新役員

会長 稲毛 滋自 (いなげ しげより ) いなげ矯正歯科医院 院長(神奈川県横浜市)
副会長 野村 聡(のむら さとし ) のむら矯正歯科 院長(岡山県倉敷市)
専務理事 専務理事 土屋 朋未 (つちや ともみ ) つちや矯正歯科 院長(東京都世田谷区)

退任

会長 富永 雪穂(とみなが ゆきほ) アルファ矯正歯科クリニック院長(静岡県静岡市)
副会長 箕浦 雄介(みのうら ゆうすけ) 王子みのうら矯正歯科院長(東京都北区)
専務理事 専務理事 伊藤 智恵(いとう ともえ) 伊藤矯正歯科クリニック院長(宮城県仙台市)

【本件に関する問い合わせ先】

東京都豊島区駒込1-43 -9 駒込 TS ビル 口腔保健協会内
日本臨床矯正歯科医会 事務局 担当:澤辺
電話 03 -3947-8891 FAX 03 -3947-8341
または
(広報代行)共同ピーアル株式会社 PR アカウント本部
担当:北条 、大須賀 、大須賀
電話 03 -3571-5238 FAX 03 -3571-5360

日本臨床矯正歯科医会 会長(2017年6月7日就任)

稲毛 滋自 (いなげ しげより ) 略歴
1954年 神奈川県生まれ(62歳)
1981年 東京医科歯科大学歯学部卒業
1985年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業(歯学博士)
1987年~1990年 東京医科歯科大学歯学部第1矯正科医員
1990年 いなげ矯正歯科医院開業(横浜市)
1998年~ Charles H. Tweed Foundation for Orthodontic Research & Education, Instructor
1998年~ Charles H. Tweed Foundation for Orthodontic Research & Education, Exiaminer
2010年~2016年 Charles H. Tweed International Foundation for Orthodontic Research & Education, Director

【現在】
いなげ矯正歯科医院院長
日本矯正歯科学会認定 認定医・専門医
Charles H. Tweed Foundation for Orthodontic Research & Education, Instructor
Charles H. Tweed Foundation for Orthodontic Research & Education, Exiaminer
日本矯正歯科学会会員
東京矯正歯科学会会員
日本口蓋裂学会会員
日本顎関節学会会員
日本顔学会会員
Edward H. Angle Society, Affiliate Member
World federation of Orthodontists, Member

【趣味】
読書 パワーヨガ 旅行 ちょっと古い車

日本臨床矯正歯科医会 平成29年度通常総会・6月例会レポート

日本臨床矯正歯科医会 平成 29 年度通常総会・6 月例会レポート
富永 雪穂会長による挨拶
 公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(富永雪穂会長)(以下、本会と略す)は、平成29年度通常総会・6月例会を、去る6月7日(水)、8日(木)、メルパルク大阪にて開催いたしました。
 本会では、矯正歯科を取り巻く環境が急速に変化している社会状況に対応し、国民が安心して矯正歯科医療を受けられるように、矯正歯科医療に関わる各種の情報発信を継続的に行うとともに、矯正歯科専門開業医療機関の質の向上と治療の安心・安全を目指しています。
 本例会でも総会、各委員会プログラムをはじめ、症例展示、会員発表、スタッフプログラムなどが行われました。


【日本矯正歯科学会からのお知らせ】
中村 芳樹先生(公益社団法人日本矯
正歯科学会倫理・裁定委員会委員長)
「転医に際しての返金指針と臨床・疫学研究倫理審査について」
中村 芳樹先生(公益社団法人日本矯正歯科学会倫理・裁定委員会委員長)
 近年、矯正歯科治療の料金トラブルが増え、厚労省や消費者庁はその対応に苦慮しています。
 日本矯正歯科学会は患者に安心して安全な矯正歯科治療を提供することを目的とし、倫理規程の改定を行い、『治療費返金の指針』を策定し、その旨をホームページに公開しています。


講演の様子―1 中村 芳樹先生


 これに違反し倫理規程違反と判断された場合は、日本矯正歯科学会倫理審査・懲戒規則が適用されると指摘されました。
 次に、臨床・疫学研究倫理審査の内容について示されました。
 人を対象として研究をする際には、研究倫理審査委員会の承認を得ることが前提になりますが、開業医にとって研究倫理審査の承認を得ることが困難な場合があります。
 そこで日本矯正歯科学会の会員支援を目的として『臨床・疫学研究倫理審査委員会』を発足させ、会員の要請に応えられる体制を整えたと説明されました。
村 千鶴子先生(東京経済大学現代法
学部教授、弁護士)
「矯正歯科医療と特定商取引法の現段階」
村 千鶴子先生(東京経済大学現代法学部教授、弁護士)
 2016年6月3日に公布された改正特定商取引法では、『特定継続的役務提供取引』の規制対象に『美容医療』が追加されることになりました。
 2015年の消費者委員会特定商取引法専門調査会の議論で『美容医療』の範囲として、『審美歯科』に含まれるホワイトニングと共に『歯列矯正』が指摘されました。
 『歯列矯正』について、今回は、『美容医療』に含まれないことになりましたが、業界全体で問題解決の為の自浄作用ができない場合は今後、規制対象とされる可能性があります。
当日の会場の様子


 今回の講演では、美容医療の状況や範囲を解説され、特定商取引法の規制の概要、中途解約のルールの説明がありました。
 またこれまでも消費者の中途解約、料金の清算については、消費者契約法による規制があり、説明いただきました。
 最後に、1. 返金・中途解約の契約条項の適正化、2.誇大広告の是正、3. 契約の際のきちんとした説明及び熟慮期間の保障を業界全体で取り組むことが大切であることを指摘されました。
【広報委員会プログラム】
広報委員会プログラム 1
「二人でできる地域密着型市民セミナー」
高橋 知江子会員、矢野 収一会員(九州支部)
 人口13万人足らずという地方都市で矯正歯科を標榜する一般歯科開業医も多い中、地元の歯科医師会のイベントを通じ、人間関係や利害関係を損なうことなく行ってきた地道な矯正歯科の広報活動を報告していただきました。
 地元歯科医師会で毎年開催される『むし歯予防デー・イベント』を活用し、周囲の歯科医師からの反応を一番に配慮しつつ、少しずつ活動内容を拡大し、小さな改善を重ね、最終的にはイベントの中でも存在価値を認められることに至った経緯は大変興味ある広報活動であり、他支部におきましても非常に参考になるご発表となりました。
広報委員会プログラム 2
「平成27年度・28年度の広報活動の総括 ―今季新規事業と従来の事業の視点から」
三村 博会員(広報担当理事)
 この2年間の広報事業は、新・東京宣言以来、公益事業の目的を「広く国民の健康増進を図るため、臨床矯正歯科医療に関する普及啓発活動を行い、矯正歯科医療の向上を図り、もって臨床矯正歯科医療の進歩発展に寄与する」と掲げ、公益事業の根幹に広報活動があるものと考え、進められました。
平成27・28年度実施された広報事業として
1. web事業
2. 内部広報としてのニューズレター
3. 矯正歯科啓発事業
を展開し、特にメディアリレーションに事業の重心を置き、本会の活動や本会の主張をいち早く本会HPに掲載することにより、国民に対してより迅速に正しい矯正歯科治療についての本会の立場を発信することに努めました。
【社会医療委員会プログラム】
社会医療委員会プログラム 1
講演の様子―2 小畑 真先生


「社会医療委員会活動報告」
土門 明哉会員(社会医療担当理事)
 東日本大震災被災者支援事業報告、熊本地震の被災矯正歯科患者へのメッセージを当会ホームページに掲載、小冊子「保険で治せる矯正歯科治療があるってご存知ですか?」の改訂、「診療ステップに関する指針」の策定状況などの事業報告および平成28年度診療報酬改定における改定項目の要点の説明が行われました。
社会医療委員会プログラム 2
「『矯正歯科何でも相談』白書Vol.7 発刊のご報告」
藤山 光治会員(社会医療委員会委員)
 平成27年1月より平成28年12月までの相談内容を「矯正歯科何でも相談白書 Vol.7」にまとめ、発刊。Vol.7では190件と前期の2倍以上の相談件数となりました。
 これは、NHK朝の情報番組「あさイチ」の報道の影響と考えられます。
 2年間の統計データの報告、相談内容の抜粋およびその回答例が紹介されました。
【医療管理委員会プログラム】
小畑 真先生(弁護士法人小畑法律事務
所代表弁護士、北海道医療大学客員教授)
「患者説明・労務環境アンケート結果から見た矯正歯科におけるこれからのリスクマネジメント」
小畑 真先生(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士、北海道医療大学客員教授)
 近年、患者トラブル、労務トラブルが増加していますが、その原因として、インターネットに溢れる
 様々な情報を事前に収集して治療に臨む患者や勤務するスタッフが増加していることに伴い、自己の権利を主張しやすい社会状況にあることが考えられます。
 また、歯科医療機関側も、様々なルールの整備を後回しにして、集患・増患、自費率アップといった収入を増加させることに興味が集中しがちであることも大きな要因の一つと考えられます。
 医療と同様、具合が悪くなったら(「トラブルになったら」)ではなく、トラブルを「予防」していくという視点は、健全な医院経営や良質な医療を提供するうえでとても重要となります。
 今回、歯科医師でもある弁護士の小畑 真先生に、本会会員に対して行った、患者説明及び労務環境アンケート結果をもとに、今後、矯正歯科医がどのような心構えを持っていくべきかなどについてお話しいただきました。


【学術委員会プログラム】
「学術委員会報告」
森本 徳明会員(学術理事)
 「症例報告」と「学術発表」の二点について説明がありました。「症例報告」については、その趣旨から具体的な記述形式にわたり、少しでも会員が報告しやすいように説明がありました。
 「学術発表」については、大会で発表される際に近年必要とされる「研究倫理審査」と「利益相反(COI)」について説明されました。次回(岡山大会)から必要とされるため、早急な対応が求められることを訴えました。
 学術委員会プログラムでは平成28年度通常総会・6月例会と、第44回日本臨床矯正歯科医会千葉大会の症例展示でそれぞれアンコール賞に選ばれた2症例と千葉大会の学術展示で選ばれた1題について、各会員からの発表がありました。以下に発表の要旨を紹介します。
「下顎第二大臼歯萌出障害における矯正歯科治療」
荻原 祐二会員(神奈川支部)
 以前から神奈川支部学術委員会では「下顎第二大臼歯の萌出障害」をテーマに報告を行ってきたが、今回はそれに対するアプローチの方法について調査した。
 その結果、以下の4パターンに集約された。
① 後方部スペース不足の場合は第三大臼歯抜去、
② 後方部と前方部ともにスペース不足の場合は小臼歯抜去、
③ 後方部と前方部のスペース不足が著しい場合は小臼歯および第三大臼歯抜去を、
④ その他に第二大臼歯抜去であった。この4パターンの代表的な治療例が提示された。
村木 一規会員(東海支部)
「Gummy smileを伴ったAngleⅡ級2類過蓋咬合症例」
村木 一規会員(東海支部)
 28歳9カ月の女性で、Gummy smileを伴うAngleⅡ級2類過蓋咬合症例の矯正歯科治療を行うにあたり、まずAngleⅡ級1類の状態にすることを当初の目標にした。
 上顎左右側第一小臼歯を抜去してバイオプログレッシブの治療を開始した。
動的治療期間は2年7カ月で、下顎のロックが解放され、運動制限のない良好な咬合を獲得し、顎関節のクリックも消失した。
 動的治療後約3年経過した時点でも良好な状態を維持している。


内田 春生会員(甲信越支部)
「第一期からの上顎前突治療」
内田 春生会員(甲信越支部)
 初診時年齢8歳1カ月の女児で、鳥貌を伴う上顎前突症例の矯正歯科治療を行うにあたり、まず第一期治療としてフレンケル装置を用いることによりAngle Ⅰ級に近い上下顎前突になった。
 第二期治療として上下顎左右側第一小臼歯を抜去して歯科矯正用アンカースクリューを用いた治療を行った。
 下顎の旺盛な前方成長により良好なプロファイルと咬合状態が得られた。
 会場ではガムを用いて下顎位を安定させる要因について説明された。


【編集委員会プログラム】
「編集委員会報告」
根来 武史会員(編集委員会副委員長)
 今期、編集委員会では、通常の雑誌発刊業務に加え、論文作成にかかわる「論文の作成についての指針」、「投稿要領」、「査読の基準」について見直しを行い、それをまとめた資料「投稿の手引き」を新規に作成し、会員へ送付しました。
 本会会員が投稿される論文は科学論文なので、その書き方、査読の方法には一定のルールがあると同時に、雑誌の理念に基づき幾分の差異があります。
 そこで本雑誌のルールをまとめ、先生方の臨床での成果を十分に報告でき、
また経験による知見を論文としてまとめるための手助けとなればという思いで作成しました。
 また、近年、臨床研究を行う上で権利保護のための「同意書」および「著作権」、研究の真正性の確保のための「研究倫理」「利益相反(COI)」に関する知識が
必要となってきており、当然のことながら「研究倫理審査委員会」の設置も早期に行う必要があります。
講演の様子―3 天野 敦雄先生


 「投稿の手引き」を片手に、会員が積極的に論文による発表を行っていただければ、本会の雑誌の投稿数と質の向上に寄与し、個人の業績としてだけではなく、本会が学術団体としても十分発言力をもち、益々発展することにつながるものと信じています。
天野 敦雄先生(大阪大学大学院歯学
研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯
科学分野教授)
【隣接医学講演】
「病原性の高いプラークと低いプラークを見分ける科学」
天野 敦雄先生(大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学分野教授)
 歯周病の原因は、プラークの病原性と歯周組織の抵抗性の均衡崩壊による。そしてプラークには病原性が高いプラークと低いプラークがあり、病原性が高いプラークでは特にP.gingivalis II型が歯周病の悪化に大きな影響を及ぼしていることなど、歯科医師として知っておくべき歯周病とプラークの病原性の基礎知識を、楽しく、そしてとてもわかりやすくご講演をしていただきました。


【スタッフプログラム】
プログラム 1
「歯科医院で働くために知っておきたいこと」
小畑 真先生(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士、北海道医療大学客員教授)
 歯科医院で働くためには、患者さんに対してはもちろんのこと、院内での連携や歯科技工士、歯科器材業者など院外の関連業者との連携も必須であるので、スムーズに仕事をしていく上でも、コミュニケーション能力を高めていく必要がある。
 「歯科医療」というものは様々な「ルール」を守って行わなければならないことを忘れてはいけない。
 少なくとも自分が働く業界のルールを知ることは、スムーズに仕事をする上でも、自分の身を守る上でも、そして、より良い医療を提供する上でも、非常に重要なことである。
このように、歯科医院で働くスタッフが、社会人として医療人としてプロとして、最低限のルールを認識しつつ、自覚を持って働くことは、無用なトラブルを防ぐことに繋がる。
 働きやすい環境を創り、患者さんに安心して良質な医療を提供し続ける上で、非常に重要なことなので、歯科医院で働くために知っておきたいルールを中心にお話しいただきました。
プログラム 2
濱田 智恵子先生(株式会社Tomorrow
Link 代表取締役/歯科衛生士)
「スタッフが輝きあえるチームのために必要な3つの習慣 ~院内のちょっとした習慣で、お互いに尊重しあい高めあえる関係について~」
濱田 智恵子先生(株式会社TomorrowLink代表取締役/歯科衛生士)
 歯科医院スタッフ育成や院内システム構築サポートを行っていて感じるのは、チーム力を100%実力発揮するのは簡単ではないということ、またチームでプロ意識を持って仕事をするのと仲良く仕事をするのとは異なるということです。
 「歯科医院」は医院ごとに理念があり、その理念に基づいてスタッフ全員で患者さんをサポートする場所ですが、スタッフ同士が「医局では仲良く元気だけど、診療室だとお互いに言いたいことが言えない…」「医局でも診療室でも会話がない…」などでチーム力を発揮できていないケースも少なくありません。


 そこで今回は「チーム力を発揮し、患者さんをサポートできる歯科医院って?」を解決するヒントとして、輝きあえるチームのために必要な3つの習慣
① お互いの仕事に興味を持とう!
② 会話する時間を作ろう!
③ そして、お互いの背負っている荷物の中身を軽くしよう!
を紹介していただきました。
 つまり、対患者さんだけではなくスタッフ同士においても互いに気遣い、コミュニケーションをとることが大事であるということを経験談も踏まえてご講演いただきました。
スタッフプログラムの様子 濱田 智恵子先スタッフプログラムの様子―2 下野 正基先生


プログラム 3
正基先生(東京歯科大学名誉教授)
「歯肉を見る・知る ~矯正歯科クリニックのドクターとスタッフのために~」
下野 正基先生(東京歯科大学名誉教授)
1. 歯肉のしくみとはたらき
2. 歯肉からみた歯周組織
1)歯肉の異常形体から何が分かるか?
2)歯周ポケットはどのように形成されるか?
3)歯周ポケット内では何が起こっているのか?
4)プロービング時の出血は何を意味するのか?
5)歯周病菌は本当に血管に入るのか?
6)長い付着上皮は短くなるのか?
7)歯周基本治療はなぜ重要なのか?
8)ルートプレーニングはどこまでやれば良いのか
3. 歯の移動と歯周組織
など、基礎的観点と矯正歯科臨床に則した内容を話していただきました。


(文責:日本臨床矯正歯科医会・大会運営委員会・広
報委員会)

第45回 日本臨床矯正歯科医会大会・岡山大会のご案内(第1報)

第45回岡山大会案内第一報.pdf

拡大床による矯正歯科治療のトラブル事例①


■口を閉じられないほどの出っ歯に……!?
前ページでは、矯正歯科治療を取り巻く問題点と背景をご紹介しました。ここからは、拡大床の安易な使用によってどのようなことが起きているのか、事例をもとに解説していきましょう。

Case1 一般歯科医のもとで8年間、拡大床を使った治療を受け、
あごから歯が飛び出してしまったA子さん(18歳)の場合

A子さんが、一家のかかりつけであった一般歯科のもとで矯正歯科治療を始めたのは、6歳になってすぐ。あごに対して歯が大きいため、将来、歯がデコボコにならないようにとの思いからでした。治療先の一般歯科医は「成長期の今、あごを広げておけば、この先、抜歯をしなくてもすべての歯がきれいに並ぶ」という判断のもと、拡大床の使用を勧めたといいます。

A子さんはその言葉を受け、上下の歯に取りはずしのできる拡大床をつけての治療をスタート。そして、拡大を続けること7年7か月。その間、乳歯は永久歯に生えかわり、非抜歯のまま治療は進みましたが、上下の前歯は前に飛び出すようになり、奥歯も含めすべての歯の咬み合わせが不安定な状態に……。食事をしっかりとかむという基本的なことさえうまくできず、経過観察を続けていた18歳のとき、これはおかしいと、矯正歯科専門開業医のもとに駆け込んだのです。

石膏模型

A子さんは指定された装置を真面目に使い続けたにもかかわらず、矯正歯科医のもとを訪れたときには口もとはもったりとし、自然に閉じることができない状態でした。また、歯列にはデコボコが残り、上下の前歯の根っこが歯槽骨(しそうこつ/歯を支える骨)からはみ出し、歯が外側に傾斜して咬み合わせが不安定な状態でした。
●矯正歯科受診時
矯正歯科受診時
このままではかめないばかりか、歯の寿命も短くなってしまいます。
そこで矯正歯科では、頭部X線規格写真(セファログラム)検査を行い、上下のあごの大きさとズレ、あごや唇の形態、歯の傾斜などを総合的に診たうえで、良好な歯並びと咬み合わせを生涯にわたって維持するため、上あごの両側にある第一小臼歯(前から4本目の歯)と、下あごの両側にある第二小臼歯(前から5本目の歯)の抜歯を提案しました。
●矯正歯科での頭部X線規格写真検査
矯正歯科での頭部X線規格写真検査
そして、A子さんの承諾のうえで抜歯を行った後、一般的な矯正歯科治療で用いるマルチブラケット(ブレース)をつけた治療を3年6か月行いました。その結果、咬み合わせのバランスが整い、もたついていた口もとの印象もすっきりと変化しました。
●矯正歯科での治療後
矯正歯科での治療後
●矯正歯科での治療後に行った頭部X線規格写真検査
矯治療後に行った頭部X線規格写真検査
マルチブラケット治療の前と後を比べてみると、その差は一目瞭然です。
矯正歯科での治療後
■拡大床は、あごを広げるものではない
さて、ここで知っておきたいのが、そもそも矯正歯科治療とはどんなもので、何を目指すのかということです。鶴見大学 歯学部教授の中村芳樹先生は、
「矯正歯科治療とは歯だけでなく、歯周組織やあご、骨を含む領域を扱う医療であり、決して歯並びだけを治すのではありません」と話します。
つまり、治療の対象には、歯のほかに上下の顎骨や筋、神経も含まれているのです。
「なぜなら歯は独立してあるのではなく、内側からは舌が押し、外側からは頬の筋肉や唇が歯を抑えています。こうしたバランス力学の上に歯列は成り立っているわけです。食事や会話ができるのも、歯、顎骨、筋肉、神経の4つの力が統御されているからなのです」
この事実に対して、歯のみに働きかけるのが拡大床という装置です。
「つまり、拡大床はあごを広げるのではなく、歯を押して外側に傾斜移動させるものであり、矯正歯科の中ではマイナーな装置という位置づけです。治療後に後戻り(元の位置に歯が戻ること)が起きやすいのも、拡大床を使用することで舌と頬の筋肉のバランスを崩すことになるためです」
傾斜移動を解説する写真
では、拡大床を使っても、あごが広がることはないのでしょうか?
「その質問にお答えするために、まずは成長発育についてご説明しましょう。人間の歯は、乳歯から永久歯へと生えかわりますね。具体的には、生後6か月で歯が生えはじめ、2歳半で乳歯列が完成し、6歳くらいで乳歯の後ろに第一大臼歯が生え、その後、さらに後ろに第二大臼歯が生えてきます。乳歯列の後ろに永久歯が生える、ここがポイントです。つまり、私たちのあごは成長とともに大きくなりますが、それは横に広がるのではなく、主に後ろに広がるのであって、横幅はせいぜい2~3ミリしか大きくならないのです。拡大床はあごを広げるわけではないので、使ったとしても同じことです」


●あごの成長変化
あごの成長変化
「そのため、矯正歯科を専門に行っている歯科医は拡大床を補助的に使うことはあっても、治療の基本に据えることはありません」
中村先生は、矯正歯科治療の社会からの信頼回復のためにも、拡大床の治療は歯科矯正学ならびに矯正歯科治療について、しかるべき研究機関で5年以上にわたって研修し、高度な診断と治療能力を備えた矯正歯科医が行うべきだと強調します。
にもかかわらず拡大床による被害は頻発しており、拡大を続けて反対咬合(受け口)になったり、5年以上続けて拡大したあげくに結局抜歯をしたりと、様々な問題が出てきているのです。
★次のページでは、拡大床による不適切治療の2事例をご紹介!

Vol.18 知っておきたい! 拡大床を使った矯正歯科治療の 危険とトラブル


知っておきたい! 拡大床を使った矯正歯科治療の 危険とトラブル

矯正歯科治療のトラブル、その原因は?

■拡大床による安易な治療なトラブルの要因
かつてよりポピュラーになってきた矯正歯科治療。しかし、その一方で、近年治療によるトラブルが目立つようになってきたといわれています。「長期間治療しても、いっこうによくならない」、「治療後、元の状態よりひどい歯並びになった」……etc.
咬み合わせを整える目的で始めた矯正歯科治療で、いったいなぜ、そんなことが起こるのでしょうか? 矯正歯科専門開業医の団体である公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)では、トラブルの原因は矯正歯科のトレーニングを積んでいない歯科医師による“安易な「拡大床(かくだいしょう)」の使用”にあると警鐘を鳴らしています。
ちなみに、拡大床とは薄い入れ歯のような装置に、拡大ネジ(スクリュー)を埋め込み、そのネジを回すことで歯列を広げる、矯正歯科治療に用いる拡大装置のこと。
「拡大装置には、自分では取りはずしができるものや拡大ネジを使うもの、ワイヤーの力で拡大するものなど、様々なタイプがあります。拡大装置のひとつである拡大床とは、あごを広げるものではなく、歯を外側に傾斜させて歯を拡大させるために使うものです。そのため適応症は限定され、どのような患者さんにも使える万能の装置では決してありません」と話すのは、矯正歯科医会 前広報理事の三村 博先生。
さまざまな拡大床
さまざまな拡大床写真提供/(株)アソインターナショナル
にもかかわらず、「あごを広げるから歯を抜かずに治療できる」、「取りはずしができて人目につかない」、「簡単に治る」、「治療費が安い」……といった謳い文句で歯科医からすすめられ使用した結果、歯並びが改善しないばかりか「かえって症状が悪化した」、「装置をはずしたら元に戻った」というトラブルが続発しているのです。
実際、矯正歯科医会が400人の会員に対して行ったアンケート(2016年7月7日実施)によると、回答した137人の約8割が「不適切な拡大をされた患者さんを診察した経験を持つ」と回答。しかも、その大半は「拡大床によるもの」だと答えています。
円グラフ
■どこで治療するかに慎重になるべき
矯正歯科医会 前会長の富永雪穂先生は、標準治療から大きく逸脱した不適切な治療の背景には、経験不足のまま矯正歯科治療を行う歯科医の存在があると指摘します。
「本来、矯正歯科治療は患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの治療であり、その方の状態に合った適切な治療を行うためには、矯正歯科治療についての専門教育と研修、経験が不可欠です。しかし、昨今は口腔機能の向上という医療の目的よりも、治療を商業的に捉える診療所があり、わずか1日の矯正歯科セミナーで矯正歯科治療を学び、適切な検査や診断なしに既成の装置(咬合誘導装置)を使って、簡単に治療を行ってしまうケースがあるのです。このことを、我々は非常に憂慮しています」
上記に加えて、歯科医の免許があれば、たとえ専門教育や研修を受けていなくても矯正歯科の看板を掲げることができるという日本の制度的な問題も、理由のひとつだといえるでしょう。
こうした状況下で安心して治療を受けるためにはいったいどうすればいいのでしょうか?富永先生は、“どこで治療するか”に慎重になることがまず大切だと話します。
「日本中で歯科医師は約10万人います。その中で、矯正歯科治療に知見のある歯科医師は日本矯正歯科学会の会員として約6600人。なかでも、きちんとした標準治療を行える矯正歯科医は、学会の認定医である約3100人だといえます」
適切な矯正歯科治療が行える専門性の高い歯科医師は、なんと全歯科医師の約3%のみ! 歯科医ではあっても、そのキャリアも技術も千差万別。それを踏まえ、治療先は矯正歯科学会認定医の資格を持つ矯正歯科医を目安に据えるのがおすすめです。
★次のページでは、拡大床による不適切治療の事例をご紹介!

拡大床による矯正歯科治療のトラブル事例①


■口を閉じられないほどの出っ歯に……!?
前ページでは、矯正歯科治療を取り巻く問題点と背景をご紹介しました。ここからは、拡大床の安易な使用によってどのようなことが起きているのか、事例をもとに解説していきましょう。

Case1 一般歯科医のもとで8年間、拡大床を使った治療を受け、
あごから歯が飛び出してしまったA子さん(18歳)の場合

A子さんが、一家のかかりつけであった一般歯科のもとで矯正歯科治療を始めたのは、6歳になってすぐ。あごに対して歯が大きいため、将来、歯がデコボコにならないようにとの思いからでした。治療先の一般歯科医は「成長期の今、あごを広げておけば、この先、抜歯をしなくてもすべての歯がきれいに並ぶ」という判断のもと、拡大床の使用を勧めたといいます。

A子さんはその言葉を受け、上下の歯に取りはずしのできる拡大床をつけての治療をスタート。そして、拡大を続けること7年7か月。その間、乳歯は永久歯に生えかわり、非抜歯のまま治療は進みましたが、上下の前歯は前に飛び出すようになり、奥歯も含めすべての歯の咬み合わせが不安定な状態に……。食事をしっかりとかむという基本的なことさえうまくできず、経過観察を続けていた18歳のとき、これはおかしいと、矯正歯科専門開業医のもとに駆け込んだのです。

石膏模型

A子さんは指定された装置を真面目に使い続けたにもかかわらず、矯正歯科医のもとを訪れたときには口もとはもったりとし、自然に閉じることができない状態でした。また、歯列にはデコボコが残り、上下の前歯の根っこが歯槽骨(しそうこつ/歯を支える骨)からはみ出し、歯が外側に傾斜して咬み合わせが不安定な状態でした。
●矯正歯科受診時
矯正歯科受診時
このままではかめないばかりか、歯の寿命も短くなってしまいます。
そこで矯正歯科では、頭部X線規格写真(セファログラム)検査を行い、上下のあごの大きさとズレ、あごや唇の形態、歯の傾斜などを総合的に診たうえで、良好な歯並びと咬み合わせを生涯にわたって維持するため、上あごの両側にある第一小臼歯(前から4本目の歯)と、下あごの両側にある第二小臼歯(前から5本目の歯)の抜歯を提案しました。
●矯正歯科での頭部X線規格写真検査
矯正歯科での頭部X線規格写真検査
そして、A子さんの承諾のうえで抜歯を行った後、一般的な矯正歯科治療で用いるマルチブラケット(ブレース)をつけた治療を3年6か月行いました。その結果、咬み合わせのバランスが整い、もたついていた口もとの印象もすっきりと変化しました。
●矯正歯科での治療後
矯正歯科での治療後
●矯正歯科での治療後に行った頭部X線規格写真検査
矯治療後に行った頭部X線規格写真検査
マルチブラケット治療の前と後を比べてみると、その差は一目瞭然です。
矯正歯科での治療後
■拡大床は、あごを広げるものではない
さて、ここで知っておきたいのが、そもそも矯正歯科治療とはどんなもので、何を目指すのかということです。鶴見大学 歯学部教授の中村芳樹先生は、
「矯正歯科治療とは歯だけでなく、歯周組織やあご、骨を含む領域を扱う医療であり、決して歯並びだけを治すのではありません」と話します。
つまり、治療の対象には、歯のほかに上下の顎骨や筋、神経も含まれているのです。
「なぜなら歯は独立してあるのではなく、内側からは舌が押し、外側からは頬の筋肉や唇が歯を抑えています。こうしたバランス力学の上に歯列は成り立っているわけです。食事や会話ができるのも、歯、顎骨、筋肉、神経の4つの力が統御されているからなのです」
この事実に対して、歯のみに働きかけるのが拡大床という装置です。
「つまり、拡大床はあごを広げるのではなく、歯を押して外側に傾斜移動させるものであり、矯正歯科の中ではマイナーな装置という位置づけです。治療後に後戻り(元の位置に歯が戻ること)が起きやすいのも、拡大床を使用することで舌と頬の筋肉のバランスを崩すことになるためです」
傾斜移動を解説する写真
では、拡大床を使っても、あごが広がることはないのでしょうか?
「その質問にお答えするために、まずは成長発育についてご説明しましょう。人間の歯は、乳歯から永久歯へと生えかわりますね。具体的には、生後6か月で歯が生えはじめ、2歳半で乳歯列が完成し、6歳くらいで乳歯の後ろに第一大臼歯が生え、その後、さらに後ろに第二大臼歯が生えてきます。乳歯列の後ろに永久歯が生える、ここがポイントです。つまり、私たちのあごは成長とともに大きくなりますが、それは横に広がるのではなく、主に後ろに広がるのであって、横幅はせいぜい2~3ミリしか大きくならないのです。拡大床はあごを広げるわけではないので、使ったとしても同じことです」


●あごの成長変化
あごの成長変化
「そのため、矯正歯科を専門に行っている歯科医は拡大床を補助的に使うことはあっても、治療の基本に据えることはありません」
中村先生は、矯正歯科治療の社会からの信頼回復のためにも、拡大床の治療は歯科矯正学ならびに矯正歯科治療について、しかるべき研究機関で5年以上にわたって研修し、高度な診断と治療能力を備えた矯正歯科医が行うべきだと強調します。
にもかかわらず拡大床による被害は頻発しており、拡大を続けて反対咬合(受け口)になったり、5年以上続けて拡大したあげくに結局抜歯をしたりと、様々な問題が出てきているのです。
★次のページでは、拡大床による不適切治療の2事例をご紹介!

拡大床による矯正歯科治療のトラブル事例②


■必要な装置は、治療前の検査・診断を経て決まる

Case2 5年以上拡大床を使い続けた末に
結局抜歯をしたB美ちゃん(13歳)の場合

B美ちゃんは、歯を抜かずに歯並びを整えるため、一般歯科のもとで6歳から約5年間、拡大床を使用した治療を受けました。その中で、あごをより効率よく広げるために、発育に合わせて拡大床を4回作り直したといいます。

その後、13歳で上あごの右側犬歯(前から3番目の歯)が本来生えるはずの場所ではなく、中切歯(前から2番目の歯)の歯肉側から生えてきてしまった(犬歯の異所萌出)ため、これまでの非抜歯治療から一転、主治医から犬歯の抜歯を提案されてしまいます。
それを不安に感じたご家族がB美ちゃんを連れて矯正歯科を受診しました。

拡大床をつける前

4つも拡大床を作り替えたことから、真面目に治療を受けていたと思われるB美ちゃん。にもかかわらず、矯正歯科に来たときには口もとは出たままでした。パノラマX線写真を撮って見ると、犬歯は切歯(1番目の歯)の横にありました。
●矯正歯科専門歯科医院を受診した際のパノラマX線写真
矯正歯科専門歯科医院を受診した際のパノラマエックス線写真
犬歯は咬み合わせを安定させる要となる歯だけに、異所萌出を放置すると、見た目によくないだけでなく、臼歯(奥歯)の咬み合わせに負担がかかり、歯列を乱す原因となります。
そればかりか、隣接する歯を傷め、寿命を短くしてしまうことにもつながってしまうのです。
そこで矯正歯科では、犬歯の異所萌出により今後起こりうるリスクを本人とご家族に説明し、同意を得たうえで、犬歯を本来の位置に移動することはあきらめ、歯根のダメージを受けている上あごの左右両方の側切歯(前から2番目の歯)と、下あごの左右両側の第二小臼歯(前から5番目の歯)を抜歯し、マルチブラケットを用いて再治療を開始しました。
1年半が経過した今、矯正歯科治療は順調に進行しています。
●現在の歯並び
現在の歯並び
★犬歯の異所萌出については、トレンドウォッチvol.10をご覧ください。

Case3 治療ゴールがないまま拡大床を使用し
反対咬合になったC雄くんの場合

C雄くんは、永久歯が生えるスペースを確保するため、9歳のときから5年間、一般歯科のもとで上下のあごに拡大床をつけました。その結果、上下とも、ほぼデコボコのない状態で永久歯が生えました。

しかし、拡大床の使用中に反対咬合になってしまったのです。口の中の写真を見ると、大臼歯が咬み合っていないのがわかります。そのことに疑問を抱き、14歳のとき、自ら矯正歯科を訪ねたのでした。

●拡大床使用中(12歳8か月)の歯列状態
拡大床使用中(12歳8か月)の歯列状態
拡大床使用中(12歳8か月)の歯列状態

このようにずれてしまった臼歯は、拡大床の使用だけでは改善できません。また、C雄くんは下あごの成長とともに右方へのズレも認められ、正面からみて顔が非対称になってしまっています。これは治療のゴールを明確に定めないまま、安易に拡大床を使ったことによるトラブルです。
●矯正歯科を訪ねたとき
矯正歯科を訪ねたとき
矯正歯科では、骨格的な歪みと下あごの突出は矯正歯科治療のみでは治せないと判断し、本人と相談のうえ、「顎変形症」として成長終了後にあごの外科手術を併用する矯正歯科治療を行うこととしました。なお、現在は拡大床の使用を中止し、今後のあごの成長を継続している状態です。
こうした事例からいえるのは、拡大床を使用すべきかどうかは、検査・診断を経て判断されるべきだということ。そして、拡大床だけで治療を終えるのではなく、マルチブラケットを用いて咬み合わせを整えることが重要だということです。
★次のページでは、安心して治療を受けるために知っておきたい
 6つの基本をご紹介!

安心して矯正歯科治療を受けるための6つの基本

■受診時の目安を知っておくことが大切
これまでご紹介した3つの事例は、いずれも現在、矯正歯科で安定した咬み合わせへと向かう治療が続けられています。しかし、これまでの道のりを見ると、患者さんがかけた労力や時間、費用は大変なものだといえます。
矯正歯科医会では、こうしたトラブルをなくすために、信頼できる矯正歯科治療を見極める受診時の目安として「6つの指針」を掲げています。ぜひ、参考にしてください。
1 頭部X線規格写真(セファログラム)検査を行っている
繊細な作業を求められる矯正歯科治療では、口腔内の検査にレントゲンは必須。なかでも、頭部X線規格写真による検査は、診断のグローバル・スタンダードといえるもので、この検査を行うことで上下のあごの大きさやズレ、あごや唇の形態、歯の傾斜、口もとのバランスなどの状態を正確に知ることができます。この検査をせずに矯正歯科治療を行うのは、目的地を定めずにロケットを発射するようなもの。危険きわまりない行為といえます。
頭部X線規格写真
2 精密検査を行い、それを分析・診断したうえで治療している
矯正歯科治療を行うには、臨床検査が不可欠。具体的には、①口の中の検査 ②あごの機能と咬み合わせの検査 ③あごのプロポーション検査 ④筋機能の検査。また、診断資料を分析するために、石こう模型や頭部X線規格写真の分析なども行います。これらの分析・診断を踏まえて、治療方針を決めるのです。
3 治療計画、治療費用について患者さんに説明をしている
矯正歯科では、採取した資料を後日患者さんに見せながら、診断や治療方針の説明を行っています。その中で患者さんに対してわかりやすく治療のゴールやそのプロセスを示し、個々に適した治療装置とその効果、治療期間、後戻りの可能性や治療のメリットとデメリットなどについて伝えます。逆にいうと、資料を見せて説明しない矯正歯科は信用できないということです。
4 治療中の転医と、その際の治療費精算まで説明している
数年を要する矯正歯科治療では、治療途中に引っ越しや留学などで、治療先の矯正歯科を替わらざるを得ない場合も出てきます。その際、転居先にできるだけ近い矯正歯科を紹介してくれるかどうかも重要なポイントです。矯正歯科医会の場合、「転医システム」が整っており、転医段階で治療費の精算も行っています。
5 常勤の矯正歯科医がいる
治療日数が限られ、緊急時の対応ができない場合もある非常勤の矯正歯科医では、矯正装置がとれてしまったなど器具に不具合があってもすぐに対応できません。逆に、常勤であれば緊急時の対応ができるほか、同じ担当医による一貫治療が受けられるという安心感があります。
6 専門知識のある歯科衛生士やスタッフがいる
矯正歯科を専門にしている歯科医院なら、歯科衛生士やスタッフも矯正歯科治療に熟練しており、治療中の食事や歯みがきなどにもしっかりとしたアドバイスやケアができるもの。また、矯正歯科医の指導のもと、患者さんへの様々な対応も可能となります。
■拡大床についての相談を受付中!
矯正歯科医会の公式ホームページ内にある「矯正歯科何でも相談」のコーナーでは、この春から拡大床の無料相談室を設け、拡大床で治療をしている方やこれから治療を検討している方からの疑問や相談を受け付けています。
ご相談は「矯正歯科何でも相談」の相談フォームに必要事項をご記入のうえ送信してください。後日、メールにて担当部署から個別に回答が送られます。

第13回ブレース スマイル コンテスト 作品募集

2017年5月30日

矯正歯科治療中の方を対象にした笑顔のフォトコンテスト
「第13回 ブレーススマイルコンテスト」開催!
~募集期間:2017年6月1日(木)~8月31日(木)/テーマ:『もっと!輝く笑顔へ!』~
矯正歯科治療でキレイな歯並びになっていく皆さんの”輝く”笑顔の写真を募集します。

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会

第12回ブレース スマイル コンテスト 矯正歯科専門開業医の全国組織である日本臨床矯正歯科医会(会長:富永雪穂)は、矯正歯科治療中の方を対象とした笑顔のフォトコンテスト「第13回ブレース スマイル コンテスト」を実施、本年6月1日(木)から8月31日(木)まで作品の募集を行います。応募された作品の中から本年10月に入賞12作品(予定)を選出し、12月に各受賞者を発表します。

 本コンテストの今年のテーマは『もっと!輝く笑顔へ!』です。矯正歯科治療でキレイな歯並びになっていく皆さんの”輝く”笑顔の写真を募集します。

 同コンテストは、矯正歯科治療中の方がより前向きに治療に取り組んでいただくことを目的として、日本臨床矯正歯科医会が2005年より実施し、今年で13回目になります。昨年は全国から402点と非常に多くの作品が寄せられました。

 なお、本コンテストでは最優秀賞、優秀賞受賞者には賞金と、副賞として東京ディズニーリゾート1デーパスポート2日分(ペア)と東京ディズニーリゾートギフトカード5万円分を贈呈いたします。その他入賞者全員にQUOカード5000円を贈呈いたします。募集要項については、別紙をご参照ください。

第12回 最優秀賞
第12回 最優秀賞
 「地震なんかに負けないぞ」

※過去の受賞作品の写真がご入り用の方は、下記までお問い合わせください。

【本件に関する報道関係者からの問い合わせ先】
公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
(広報代行)共同ピーアール株式会社 PRアカウント本部4局 担当:北条、大須賀
電話 03-3571-5238  FAX 03-3571-5360

『第13回ブレーススマイルコンテスト 開催概要』

>> PDFダウンロードはこちら

テーマ 『もっと!輝く笑顔へ!』
矯正歯科治療でキレイな歯並びになっていく皆さんの”輝く”笑顔の写真を募集します。
募集期間 2017年6月1日(木)から8月31日(木) ※締切日必着
応募条件 応募者は矯正歯科治療中の方で、作品には応募者本人のブレース(矯正装置)がはっきり写っていること。応募者お一人につき作品は1点のみとし、被写体は複数人数可ですが、受賞の対象は応募者のみとなります。 ※複数名でのご応募は不可とします。
応募方法 デジタル写真データまたは、プリント写真でご応募いただけます。

<デジタル写真データの応募方法>
日本臨床矯正歯科医会のホームページ(http://www.jpao.jp/smile/)からご応募ください。
○デジタル写真データの場合、サイズ1MB以上2MB未満のもの。

<プリント写真の応募方法>
○写真はカラープリント(サービス判から2Lサイズまで)のみ。記録媒体の郵送は不可。
○写真の裏面に応募者の氏名を記入してください。
○次の必要事項を記入したもの〈書式自由〉を写真と同封して所定の応募先へご郵送ください。
○必要事項:
 応募者氏名(フリガナ)/年齢/郵便番号/住所/電話番号/メールアドレス(メールアドレスをお持ちでない場合は記載の必要ございません)/治療医院名/治療医院電話番号/治療開始年月日/募集を知った方法〈医院、メディアなど〉/写真のタイトル/矯正歯科治療を経験した感想。歯並びと笑顔についてのコメント〈~100字程度〉

【プリント写真の応募先】
〒116-0013 日本郵便荒川支店 私書箱22号
第13回ブレーススマイルコンテスト応募事務局
※応募作品はご返却しません。

各賞 ※ご応募いただいた作品から入賞12作品(予定)を選出後、下記の各賞を選考します。
★最優秀賞(1名) ★優秀賞(2名) ★大会賞(1名)、他
賞金 ★最優秀賞(1名):賞金5万円
 <副賞>東京ディズニーリゾート1デーパスポート2日分(ペア)+東京ディズニーリゾートギフトカード5万円分
★優秀賞(2名):賞金3万円
 <副賞>東京ディズニーリゾート1デーパスポート2日分(ペア)+東京ディズニーリゾートギフトカード5万円分
★入賞者全員にQUOカード5000円を贈呈します。
受賞者発表 10月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で入賞12作品を公開予定。12月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で最優秀賞、優秀賞、大会賞等の発表を予定しています。
(日本臨床矯正歯科医会ホームページ http://www.jpao.jp
発表後、最優秀賞、優秀賞、大会賞受賞者の皆様には、2018年2月実施予定の表彰式へのご招待のご連絡をさせていただきます。またその他の受賞者の皆様にもご招待のご連絡をさせていただく場合がございます。
注意事項 応募作品(写真タイトル、応募コメントを含む)の使用及び著作権は日本臨床矯正歯科医会に帰属し、本会の書籍などの出版物やウェブサイト、PR・プロモーションのために使用させて頂くことがありますので、あらかじめご了承ください。なお、応募作品は返却いたしません。
応募作品を本会の出版物やウェブサイト、PR・プロモーション活動等に使用する場合、必要に応じ画像のトリミングや色調の補正等の加工を行う場合があります。
第三者の権利(著作権、肖像権など)を侵害する作品は応募できません。応募作品に著作権や肖像権の問題が発生しましても、本会はその一切の責任を負わないものとし、その責任・解決はすべて応募者に帰属するものとします。
入賞作品(写真タイトル、応募コメントを含む)は、本会の広報発表資料や主催する催し、広報誌や作品集等の出版物、ポスター・チラシ、ウェブサイト等で使用する場合があります。また、入賞作品(写真タイトル、応募コメントを含む)は、本会が認めるメディア等に提供することがあります。作品の使用にあたっては、入賞者の氏名や年齢、居住都道府県の表示を行う場合があります。
応募に関する個人情報は、本コンテストに関連する業務(賞の発表や連絡を含む)、ウェブサイトや書籍等へのご協力を確認する連絡以外には使用いたしません。
主催 ・公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
・日本歯科矯正器材協議会
問い合わせ先 日本臨床矯正歯科医会 第12回ブレーススマイルコンテスト応募事務局
E-mail:brace-smile@jpao.jp
ブレーススマイルコンテスト ホームページ:http://www.jpao.jp/smile/

第12回「ブレース スマイル コンテスト」表彰式レポート&インタビュー


第12回「ブレーススマイルコンテスト」レポート&インタビュー
矯正歯科治療中の方を対象にした笑顔のフォトコンテスト「ブレース スマイル コンテスト」。
2005年にスタートして以来、今回で第12回目を迎えました。
ここでは、去る2月22日(水)に行われた表彰式の様子とともに、
受賞者への取材を通して、矯正歯科治療によって生まれる”とっておきの笑顔”の秘密に迫ります。
(記事作成 2017年4月15日)
取材・文:冨部志保子(編集・ライター)

第12回「ブレーススマイルコンテスト」レポート&インタビュー

第12回「ブレース スマイル コンテスト」表彰式までの歩み

■今年の応募総数は310点!
これを読んでいるあなたなら、すでに聞いたことがあるのでは?
「ブレース スマイル コンテスト(以下、ブレスマ)」。それは名前のとおりブレース(矯正装置)をつけて矯正歯科治療をしている人たちのスマイルフォトの公募展です。
2005年の第1回開催から回を重ねた同コンテストは、昨夏には“ただいま矯正治療中!とっておきの笑顔”というテーマのもと、第12回目の公募が行われました。応募期間は約2カ月間。その間、テーマどおりの素敵な笑顔が続々と集まり、結果的には全国の3歳から54歳という幅広い年齢層の方から310点もの作品が寄せられました。とりわけ今回は、『日本カメラ』や『アサヒカメラ』といった写真雑誌に募集告知をしたこともあり、バリエーション豊かな作品が揃ったようです。
そんな応募作品の中から栄えある賞に輝くには、1次審査と2次審査(最終審査)という二つの関門を通過しなければなりません。その第1関門である1次審査の様子を、少しご紹介しましょう。
■一次審査で11作品を選出。そして公開審査を経て
時は、2016年9月8日(木)――。
例年どおり、会議室のテーブルの上に全応募作を並べ、一つ一つの作品とコメントに審査員が目を通し、”これは”と思う作品に付箋をつけていきました。審査にあたったのは、主催する日本臨床矯正歯科医会と日本歯科矯正器材協議会のほか、歯科関係団体、養護教諭団体らの外部関係者の皆さま。毎年のことですが、数百枚ものブレーススマイルを目にするのは、審査員である矯正歯科医や関係者にとっては大きな喜びだといいます。
そのことを表すように、審査会場ではこんな言葉が聞かれました。
「以前は一人で写っている写真が多かったけれど、だんだん友人同士や親子など集合の写真が増えてきて、矯正歯科治療が日常に定着していることを感じて、うれしいですね!」
「どの作品も素敵なので一次審査で選ばれない作品に申し訳ないですね。できれば応募してくれた全員に何かをあげたい気持ちです」
「笑っても目立たないブレースがあることを『ブレスマ』で知ってもらって、それなら治療してみたい!という人もいそう。このコンテストを通じて、矯正歯科治療のいろんな面を伝えていけるといいですね」
食べづらい、磨きにくいなど、日常生活でマイナスの面もある治療期間は、同時に気になる歯並びが整っていくプラスの期間でもあります。集まったブレーススマイルはどれも、そのプラス面を如実にあらわすもの。それだけに簡単に甲乙はつけがたく、審査は楽しくも悩ましい時間となるのです。今回も予定時間をめいっぱい使って、ようやく入選11作品が選ばれました。
応募作品を真剣に見入る審査員の先生たち。
そして第二関門となる二次審査は例年とは趣向を変え、今回は一般の方々からのFAX投票も受け付ける公開審査のスタイルを導入。その結果、約3週間の間に1025通もの投票がありました。
受賞作品はこうしたFAX投票と全国の矯正歯科医による投票結果を合わせ、ついに決定したのです。
■きめ細かな打ち合わせを経て、いざ表彰式へ!
会場となったヒルトン成田。表彰式当日は、すっきりとした冬晴れでした日にちは変わり、2017年2月22日(水)。
第12回「ブレスマ」の表彰式当日がやってきました。開催場所は、成田空港の近くにある「ヒルトン成田」。

大きくプリントされ、スポットライトを浴びる受賞作品会場入口には、今年も受賞作品が大きく貼り出されていました。

表彰式は午後2時スタートの予定ですが、運営にあたる矯正歯科の先生たちは前日から現地に入って、映像や照明、全体の進行などを入念にチェック。当日も朝からホテルで最後の調整を行っています。
また、受賞者の皆さんも当日の午前11時には控え室にご到着され、壇上でのリハーサルで座る場所や花束を受け取るタイミングなどを確認した後、本番に臨みます。
★次のページでは、第12回「ブレスマ」表彰式の様子をご紹介!

第12回「ブレース スマイル コンテスト」表彰式-1

和やかに始まった表彰式。
壇上にもスクリーンにも笑顔があふれて

■日本発の「ブレスマ」がさらにワールドワイドに!

表彰式の始まりに挨拶をする矯正歯科医会 会長 富永雪穂先生午後1時30分。いよいよ表彰式の始まりです。
まずは日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)の会長である富永雪穂先生のごあいさつ。その中で、「ブレスマ」がますます国際的な展開になってきたというお話がありました。実は、一昨年の韓国、昨年の台湾に続き、来年からはシンガポールでも「ブレース スマイル コンテスト」が開催されることが決まったのです。

表彰式会場には、韓国、台湾、シンガポールを代表する矯正歯科団体の代表者もお見えになり、今後のさらなる発展を予感させました。

■前回の覇者からの応援メッセージの紹介も

その後、「ブレスマ」の最近5年間の受賞者の作品がスクリーンに映し出された後、昨年、第11回 最優秀賞を受賞した和歌山県在住の橋本夏果さんから届いた”応援メッセージ”が紹介されました。

第11回「「ブレース スマイル コンテスト」最優秀賞受賞作品『夏はやっぱりスイカだね~』

真っ赤なスイカを手にした夏果さんの笑顔は、まるでお日様のようで印象的。お名前とぴったりの爽やかで元気な作品ですね。夏果さん、素敵な応援メッセージ、ありがとうございます!

■千葉大会賞は、千葉市在住の村上のの子さん

さて、ここからは受賞者の表彰です。
まずは開催地である千葉県で活動する、矯正歯科医会・千葉支部の先生たちが選んだ千葉大会賞の表彰から。

壇上のスクリーンに大きく映し出されたのは、ブルーの服とメタルのブレースの組み合わせがチャーミングな、千葉市在住の村上のの子さん(12歳)の作品『自慢の笑顔』

大会賞『自慢の笑顔』

花束を受け取る村上のの子さん人なつっこい笑顔がチャーミングな、のの子さん。治療中であっても、歯並びが整ってくると笑顔に自信がもてるのですね。受賞おめでとうございます!
(村上さんの喜びの声は、のちほどご紹介いたします)

■優秀賞1作品目は、広島県在住の小木戸胡春さん

続いては、審査員特別賞の発表です。
続いては、優秀賞に選ばれた2作品の発表です。
そのうちの1作品に輝いたのは、広島県三次市在住の小木戸胡春(こきど・こはる)さん(13歳)の作品『夏のアスレチック』

優秀賞『夏のアスレチック』小木戸胡春さん(13歳)

賞状を受け取る主治医の森本徳明先生学校の関係で、本日は残念ながらご欠席となった胡春さんに代わって、主治医の森本徳明先生が賞状を受け取りました。

そして、小木戸さんからは受賞の喜びを直接声で伝えたいと、素敵なビデオレターが届けられました。その元気なメッセージをご紹介しましょう!

ビデオレターより
先生、きれいな歯並びにしてくれて、ありがとう!優秀賞/小木戸胡春さん

壇上の関係者の皆さんも、ビデオレターを熱心に見つめていましたビデオレターの最後は主治医の先生にぺこりとおじぎをして締めくくってくれた胡春さん。主治医の森本先生からは、「今回の受賞も小春ちゃんが、がんばってきたからだと思いますよ。おめでとう!」とのコメントがありました。

元気な笑顔が印象的な小木戸さん、受賞おめでとうございます!

★次のページでは、第12回「ブレスマ」の優秀賞2作品目と最優秀賞をご紹介!

第12回「ブレース スマイル コンテスト」表彰式-2

明るい未来を目指す すこやかな笑顔が最優秀賞に!!

■優秀賞2作品目は、大阪府在住の飯伏莉沙さん

続いて、優秀賞の2作品目の発表です。
選ばれたのは、大阪府和泉市在住の飯伏莉沙さん(22歳)の作品『自慢の矯正装置』

優秀賞『自慢の矯正装置』飯伏莉沙さん(22歳)

日本歯科矯正器材協議会会長の宮島勝さんから賞状を授与される飯伏莉沙さんシンデレラ城をバックに、真っ青な空と弾けるような笑顔のコンビネーションが印象的な1枚ですね。楽しい一日を想像させる素敵な作品です。飯伏さん、受賞おめでとうございます!
(飯伏さんの喜びの声は、のちほどご紹介いたします)

■そして、今回の最優秀賞の受賞者は、熊本県在住の掛須悠由さん

さて、残るは最優秀賞の発表を残すばかりとなりました。

第12回「ブレース スマイル コンテスト」最優秀賞を獲得したのは………!!
熊本県上益城郡在住の掛須悠由(かけす・ゆう)さん(11歳)の作品『地震なんかに負けないぞ』
元気な兄妹のスマイルフォトが、栄えある最優秀賞に選ばれました。

最優秀賞『地震なんかに負けないぞ』掛須悠由さん(11歳)

最大震度7の激震は多くの人の暮らしを一変させてしまいました。その重々しい事実に一筋の光を投げかけるかのような二人のすこやかな笑顔は、見る者の心を熱くします。
本日は、あいにく学校の関係で掛須さんはご欠席。その代わりに、ビデオレターを通して喜びのメッセージを届けてくださいました。


ビデオレターより
復興とともに自分も元気に。これからも治療を

主治医からのメッセージ

受賞をきっかけに、ますます元気に
池上矯正歯科クリニック 池上富雄先生

悠由くんの歯並びは、上あごの3番目(犬歯)と4番目(第一小臼歯)の歯が入れ替わっている、珍しいケースでした。通常だと犬歯を抜歯して治療することになりますが、悠由くんの場合は歯を抜かず、矯正歯科治療によって治しています。そのため、治療期間は3年と少し長くかかりましたが、経過は順調です。野球が好きな悠由くんは、学校ではピッチャーをやっているようです。そのせいか、「ブレスマ」に応募したときより、ぐんと背が伸びてお兄ちゃんっぽくなりました。彼は面白くて人に好かれるキャラクター。治療にもまじめです。この受賞をきっかけに、ますます元気に成長していってほしいですね。


掛須さんに代わって登壇した主治医の池上先生。

掛須さん、受賞おめでとうございます!!

★次のページでは、表彰式に出席した2組の受賞者にインタビュー!!

第12回「ブレース スマイル コンテスト」受賞者インタビュー

表彰式に出席したお二人に
治療について、応募作についてうかがいました!

ブレースをつけるのが楽しみで、自分からメタルのブラケットを選びました。矯正治療は楽しいです!

–治療を始めたきっかけは?
はじめて矯正歯科に行ったのは、小学5年生になってすぐです。きっかけは、学校の歯科検診で、矯正歯科に相談したほうがいいといわれたから。でも、その前から、よくお母さんに歯並びが悪いっていわれるから自分でも気になっていました。聞いたところ私は4歳くらいまで指しゃぶりをしていたみたいで、よけい悪くなったみたいです。

–はじめて行った矯正歯科はいかがでしたか?
先生がすごく優しそうで、ここで治療したい! って思いました。だから、ほかの診療所には行っていません。検査をした後、先生にいわれてビックリしたのが、私は上の前歯が出ていたんじゃなくて、下の前歯が引っこんでいたということ。ずっと出っ歯だと思っていたから驚きました。

–Ⅰ期治療から始めて、今はⅡ期治療ですね?
はい。上あごの裏側にだけ装置をつけていたⅠ期治療が去年終わって、すぐにブレースをつけたⅡ期治療が始まりました。Ⅱ期に入る前に上の歯を2本抜きましたけど、全然不安とかはありませんでした。今はだいぶん咬み合わせがよくなってきました。矯正治療って楽しいです。歯みがきも先の細いブラシを使って歯のすき間を磨くと、いろいろ取れるし(笑)。

–学校には矯正している子はどれくらいいますか?
今、吹奏楽部で打楽器を担当しているんですけど、部の中には矯正している子がたくさんいます。管楽器を吹く子でもブレースをつけていますよ。クラスでも10人くらいはいると思います。たいてい目立たない装置をつけていますけど、私は逆に目立つのにしたかったんです!人と違うほうが楽しいから(笑)。

–じゃあ、矯正治療は楽しみでした?千葉大会賞 村上のの子さん
はい。学校でもブレースをつけている子を見ると、かっこいいなって思うので。早くブレースをつけたかったです。

–歯が動く痛みは気になりますか?
通院した翌日に痛いときがありますけど、すぐに慣れます。それよりも、今は歯並びが整ってきているので鏡を見るのが楽しみです。治療が終わったら、もやしとか、ほうれん草とか、ナムルとか、食べにくいものを食べたいです。でも、ブレースにはすっかり慣れているので、とれるとちょっと寂しく感じるかもしれません……。

–受賞作品にはどんなエピソードがありますか?千葉大会賞『自慢の笑顔』
実は、2回目の応募です(笑)。今回応募したものは、去年のゴールデンウォークに家族で天城峠に行ったとき、お母さんに撮ってもらいました。「ブレスマ」に応募するために1年間、いろんなところに行くたびにアップの写真を撮ってもらっていたんです。前回応募したときはアップじゃなかったから、今度はブレースをしっかり見せて、賞がとれるといいなと思っていたので、本当にとれてうれしいです。

–最後に、将来の夢を教えてください
ハリセンボンの春菜さんみたいな、切り返しの上手な芸能人になりたいです! きれいな歯並びで夢を実現できるといいな。

千葉大会賞 村上のの子さん

主治医より

治療を、素敵な人生のきっかけに
たきもと矯正歯科 瀧本正行先生

たきもと矯正歯科 瀧本正行先生今は目立ちにくい矯正装置もありますが、あえて自分からメタルのブラケットを選んだのの子ちゃん。ふだんは穏やかな女の子ですが、「ブレスマ」に二度目のチャレンジをして成果を出せたのはすごいと思います。うちの診療所からはこれで2人目の受賞者です。主治医として、うれしいですね。私の診療のモットーは「きれいな歯並び、素敵な笑顔の人づくり」。のの子ちゃんも、歯並びを治して素敵な人生を送ってほしいです。


気になる歯並びを治したい。その想いが私を歯科衛生士にしてくれました。

–矯正歯科治療を受けようと思ったのはなぜですか?
もともと出っ歯で、自分としてはそれがすごくコンプレックスでした。もう小学生くらいから気になっていて、いつか治したいと思っていたんです。

–数ある治療先から、矯正歯科をどうやって選んだのですか?優秀賞/飯伏 莉沙さん
実は治療を始めるとき、歯科衛生士学校に通っていて、治療先は”自分が働きたいと思えるところ”が条件でした。それには技術的なこともありますし、通院のしやすいさや診療所の雰囲気など、いろんな要素がありますよね。実際、診療所に行ってみて、”ここなら”と思えたので決めました。

–では、今のお仕事は歯科衛生士さんですか?
はい。治療中、院長先生からうちで働いてみないかと声をかけていただいて、スタッフになりました。自分がいいと思った診療所で働けることになって、うれしいですね。スタッフには矯正治療の経験者が多く、私も治療をしたことで歯が動くときの痛みや歯みがきの大変さが実感できました。

–応募作品のエピソードを教えてください優秀賞『自慢の矯正装置』
去年の春、歯科衛生士学校の友達と、久しぶりに東京ディズニーランドに遊びに行ったときのものです。確か、カメラを置いて、タイマーで撮影した1枚です。「ブレスマ」への応募をねらって撮ったものではないのですが、楽しくて自然に笑顔になっていました(笑)。一緒に写っている友人も今は歯科衛生士になっていて、受賞を伝えたら喜んでくれました!

–矯正治療について今どんなふうに思いますか?
あと少しでブレースが外れる予定です。外れたら、ホワイトニングをして整った歯をさらにきれいにするつもりです。先ほどお話ししたように、治療したことで患者さんの気持ちがより理解できるようになり、この装置をつけたらこんな感じになるよとか、実感をもって患者さんに伝えることができます。思えば、自分のコンプレックスが私を歯科衛生士に導いたのかもしれません。これからも矯正歯科の歯科衛生士として、前向きに進んでいきたいと思っています。

優秀賞/飯伏 莉沙さん

主治医より

矯正治療は前向きな治療。そのことが伝わる1枚です
ヤマダ矯正歯科 山田尋士先生

ヤマダ矯正歯科 山田尋士先生飯伏さんが「ブレスマ」に応募していることを、実はずっと知らなくて、最終選考に残っていると聞いたときは驚きました(笑)。もちろん、うれしかったですよ。飯伏さんはスタッフとしても素敵な人。頭がよくてハッキリしていて、患者さんとのコミュニケーションもきちんと取れる歯科衛生士です。彼女を含め、うちの診療所からはこれで2人目の受賞者です(注:一人目は第6回目で優秀賞を受賞した出﨑朝子さん)。どちらも、作品から矯正治療が前向きな治療であることが伝わります。今後その意識がさらに広まることを願っています。


受賞した皆さん、そして担当の先生、それぞれの想いを語ってくださってありがとうございました!

■最後に……
「ブレスマ」はこれからも毎年開催され、今年の夏には第13回目の応募が始まります。今、治療中の方も、これから治療を始める方も、このコンテストへの応募を、矯正歯科治療中の思い出のひとつにしてみてはいかがでしょう。

>>「ブレスマ」に関する詳細は、矯正歯科医会の公式サイトをご覧ください。
(http://www.jpao.jp/)

※受賞者の年齢は作品応募時のものです。

日本臨床矯正歯科医会平成29年度通常総会・6月例会案内

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(富永雪穂会長)は、平成29年度通常総会・6月例会を、平成29年6月7日(水)、8日(木)、メルパルク大阪にて開催いたします。
今回も総会、各委員会プログラムをはじめ、隣接医学講演、教育講演、症例展示、会員発表、スタッフプログラムなどが予定されています。会員の皆様のみならず、勤務医やスタッフの方すべてに有益な情報や体験を得ていただけるよう配慮がなされたプログラムになっております。ぜひ皆さまでご参加いただきますようお願いいたします。
会期:平成29年6月7日(水)12:30~18:10 / 8日(木)9:00~16:35
会場:メルパルク大阪 
〒532-0003 大阪市淀川区宮原4-2-1
http://www.mielparque.jp/osaka/
メイン会場:4F ソレイユ
症例展示会場:6F 末広
懇親会およびスタッフプログラム:5F カナーレ
平成29年6月7日(水)
●受付 12:30~13:00
●開会式 13:00~13:10
●総会 13:10~15:10
●新会員紹介(渉外)15:10~15:25
●広報委員会プログラム15:40~16:30  座長 阿部 純子
『二人でできる地域密着型市民セミナー』 高橋 知江子(広報委員会委員) 
矢野 収一 (九州支部)
『「平成27年度・28年度の広報活動の総括」今期の新規事業と従来の事業の改革の観点から』三村 博(広報担当理事)
●隣接医学講演 16:40~18:10 座長 鮎瀬 節子
『病原性の高いプラークと低いプラークを見分ける科学』
天野 敦雄教授(大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子免疫制御学講座 予防歯科学分野
教授)
●症例展示 13:00~18:10
●懇親会(会場:5F カナーレ)18:30~20:00(新会員紹介も行います)
平成29年6月8日(木)
●学術委員会プログラム1 9:30~ 9:50  座長 土屋 公行
『学術委員会報告』    森本 徳明(学術担当理事)
●編集委員会プログラム 9:50~ 10:10 座長 石川 剛
『編集委員会報告』    根来 武史(編集委員会副委員長)
●社会医療委員会プログラム1 10:15~ 10:35  座長 北村 裕
『社会医療委員会活動報告』 土門 明哉(社会医療担当理事)
●社会医療委員会プログラム2 10:35~ 10:55 座長 北村 裕
『「矯正歯科何でも相談」白書Vol.7 発刊のご報告』 藤山 光治(社会医療委員会委員)
●日本矯正歯科学会からのお知らせ 11:05 ~ 11:25 座長 富永 雪穂
『日本矯正歯科学会からのお知らせ–転医に際しての返金指針と臨床•疫学研究倫理審査について–』中村 芳樹先生 (公益社団法人日本矯正歯科学会 倫理•裁定委員会委員長) 
●教育講演 11:30 ~ 12:10 座長 富永 雪穂
『矯正歯科医療と特定商取引法の現段階』
村 千鶴子先生(東京経済大学現代法学部教授 弁護士) 
●学術委員会プログラム2 13:40~ 14:50  座長 土屋 公行
アンコール賞受賞者発表
学術展示『下顎第二大臼歯萌出障害における矯正歯科治療』荻原 祐二(神奈川支部)
症例展示『Gummy Smileを伴ったAngle II級2類過蓋咬合症例』村木 一規(東海支部)
    『第一期からの上顎前突治療』内田 春生(甲信越支部)
●医療管理委員会プログラム 15:35~ 16:25 座長 野村 聡
『患者説明・労務環境アンケート結果から見た矯正歯科におけるこれからのリスクマネジメント』 小畑 真先生(弁護士法人小畑法律事務所 代表弁護士、北海道医療大学客員教授)
○スタッフプログラム1( 5F カナーレ) 9:50 ~ 10:50 座長 坂本 紗有見
『歯科医院で働くために知っておきたいこと』小畑 真先生(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士、北海道医療大学 客員教授)
 
○スタッフプログラム2( 5F カナーレ) 11:00 ~ 12:00 座長 深井 統久
『スタッフが輝きあえるチームのために必要な3つの習慣〜院内のちょっとした習慣で、お互いに尊重しあい高めあえる関係について〜』 
濱田 智恵子先生(株式会社Tomorrow Link代表取締役/歯科衛生士)
○スタッフプログラム3( 5F カナーレ) 13:40 ~ 15:10 座長 高橋 洋樹
『歯肉を見る・知る〜矯正歯科クリニックのドクターとスタッフのために〜』
下野 正基先生(東京歯科大学名誉教授)
●新会員オリエンテーション 12:15~12:30( 対象 新会員)6F 高砂
●支部長会         12:35~13:35         6F 高砂
●症例展示(会場:6F 末広)  9:00~15:05( 質疑応答14:50~15:05)
●第45回日本臨床矯正歯科医会大会案内(中四国支部) 16:25 〜 16:30
●閉会式 16:30~ 16:35
【例会参加費】         (事前申込みH28年5月24日 (水)まで/5月25日以降)
a. 正会員・会員家族(歯科医師以外)                   無料
b. 準会員                           6,000円/ 7,000円
c. 本会会員家族(歯科医師)・会員診療所勤務医          5,000円/ 6,000円
d. 会員診療所スタッフ(衛生士、助手、技工士)         6,000円/ 7,000円
e. 会員外歯科医師(今後入会を考えている方、事前申込のみ)  10,000円/
f. 懇親会費(区別なし)                    5,000円/ 6,000円
g.プログラム集                            500円
以下のサイトから参加申し込みを行っていただくことが可能です。ぜひご利用ください。
http://www.kokuhoken.or.jp/form/jpao/reikai29/
●お問い合わせは、下記 口腔保健協会までお願いいたします。
〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9
  (一財)口腔保健協会 学会部内
   日本臨床矯正歯科医会事務局
Tel:03-3947-8891/Fax:03-3947-8873

第44回日本臨床矯正歯科医会大会 千葉大会レポート

「成長期の不正咬合を考える-連携の新しい形-」をテーマに
公益社団法人・日本臨床矯正歯科医会(富永雪穂会長)は2月22・23日(水・木)の両日、千葉・ヒルトン成田にて第44回千葉大会(土屋俊夫大会長)を開催いたしました。本大会は「成長期の不正咬合を考える-連携の新しい形-」をメインテーマに土屋俊夫大会長、高橋洋樹実行委員長、佐藤國彦事務局長をはじめ千葉支部の先生方のご尽力により、474名の方にご参加いただき成功裡に閉幕しました。
 
また大会に併設して行われたエクスカーションには、成田山参道散策と護摩見学やディズニーランドホテルランチパーティなど千葉県ならではの企画に多数の参加があり、会員同士あるいは診療所間の懇親がはかられました。
それでは大会内容の一部をご紹介いたします。
【臨床セミナー】
「上顎前突の最適な治療開始時期はいつか?」という問いは、現在に至っても様々な検討がなされてきており、上顎骨の成長抑制や下顎骨の成長促進は矯正歯科臨床において有効な治療手段として認知されてきましたが、一方で有効でないとする意見もあります。
2014年には日本矯正歯科学会により、 「矯正歯科診療のガイドライン-上顎前突編-」が策定されており、矯正歯科治療に従事する者は「診療ガイドライン」が意味することとその運用法について正しく理解する必要があります。
千葉大会レポート稲毛滋自会員は、「骨格性上顎前突の早期治療について考える その1 -骨格性下顎遠心咬合の早期治療は有効か-」と題し、関係論文のレビュー、特に矯正歯科治療における randomized clinical trialの有効性に対する疑問を提起した Darendelilerによる2006年の論文についての解説と、昨年8月に行った『混合歯列期の下顎遠心咬合を伴うhigh angleでない骨格性上顎前突の患者』を課題症例とした会員アンケートから、治療開始時期等に関するアンケート結果を兼元廣明会員とともに発表されました。

千葉大会レポート末石研二先生(東京歯科大学歯科矯正学講座教授)には、「上顎前突の早期治療は有効か」と題し、日本矯正歯科学会のガイドラインの検討過程を含めた解説とその解釈の仕方を中心にご講演頂きました。また後半では実際の早期治療症例を多数ご提示いただきました。
 診療ガイドラインはより安全な医療を提供する上で重要な意味を持つものと考えられますが、多様な症型を有する矯正歯科分野では、それを診療の指針として実際の症例に直接適用することはできません。エビデンスだけでは無く、患者さん一人一人に対してナラティブに対応する必要性が高いと考えられました。

【シンポジウム】
「学校歯科健康診断、歯列・咬合・顎関節の事後措置における地域連携を考える」千葉支部シンポジウム実行委員会
千葉大会レポートコーディネーター 黒田敬之先生(東京医科歯科大学名誉教授) 
「最近の日本学校歯科医会の目指すところ」
日本学校歯科医会(以下、日学歯)での歯列・咬合・顎関節に関する健康診断がどのような歩みで今日を迎えているかについて簡単に次のような紹介がありました。昭和13年ごろにはすでに「口腔診査の御通知(但し歯列異常に就て)」が家庭へ配布されていたこと、昭和15年には、竹内嘉兵衛氏(校長)の考案による咀嚼訓練法なるものも発表されていたことなどについて触れられました。さらに、昭和58年頃より、口腔機能と不正咬合の問題を検討する委員会も設置され活動を始めたこと、当初は、新しい課題に対する日学歯内での受け止め方や、日本矯正歯科学会からの専門学会としての目線などから、必ずしもスムースな展開にはいたらなかったとのことでした。このような背景のもと、昭和62年には、歯列・咬合と口腔機能との関係の解説冊子の発行、平成7年には、学校歯科健康診断における歯列・咬合・顎関節の診査基準の導入、さらに昨年には発達段階に対応した診査基準の改訂も行われるまでに至ったことが紹介されました。
これら一連の歩みを踏まえ、歯列・咬合・顎関節の診査が、矯正歯科治療への薦めという視点ではなく、子どもたちの口腔の状態の把握と将来のQOLの向上についての教育的観点から、学校歯科医、養護教諭、地域歯科医療担当者との緊密な連携の必要性を強調され、このシンポジウムのねらいを評価されました。
千葉大会レポートパネリスト 中村道先生(高橋矯正歯科診療所所長)
「咀嚼機能の向上」
250~300μの微小粒子が2000個ほど入ったガム(ウェルカムガム)を用いて、一回咬む間につぶされる微小粒子の割合を咀嚼効率値として算定し咀嚼機能を評価します。年代別の咀嚼効率値は成人までは緩やかに上昇し、その後はほぼ一定となるが、最近の20~30代はやや低い傾向がみられます。咬合治療により不正咬合が改善すると咀嚼効率値は概ね上昇するが、一時期低下したり、上昇まで時間を要する症例もあります。咀嚼訓練を行うと咀嚼効率値は上昇し、さらに、姿勢を正して咀嚼訓練をした結果では数値がさらに上昇しました。
給食で定期的に咬み応えのある食材を咬む指導をしたり献立を工夫したりしている学校の学童は高い咀嚼効率値を示しました。学校教育は子供たちが一生、元気で健康に過ごすための準備、育成期間だから、生きることすなわち機能するための咀嚼の向上を目指した咬合の不正についての教育や指導、訓練、場合によって治療等の対応が大切だと思うとの講演がありました。さらに日本における矯正歯科治療は、その黎明期から形態だけを整えるのではなく、機能を重要視していたとのメッセージも示していただきました。
千葉大会レポートパネリスト 小縣雅子先生(千葉県印旛郡市養護教諭会会長)
「学校における歯科保健の未知なる分野」
現在の学校教諭は多忙を極めており、養護教諭も同様である。そのような中でも、学校での歯科保健の取組みは保健指導や健康教育の定番であり、齲歯の劇的減少という目に見える成果があるため、指導は定着したという思いがあったものの、歯列・咬合・顎関節については、健康診断の結果通知として各家庭に用紙を配布するが、相談があった場合でも「学校歯科医の指示です」という対応をするしかなく、学校の指導の手を離れた存在、すなわち保健指導をするという視点が全くありませんでした。しかし、これらを相談したい子供たちがいるのは事実であり、正しい医学的知識を持った上で、少しでも情報の提供や経過を追った指導ができるとしたら、そこで初めて、学校歯科健康診断での歯列・咬合・顎関節診査の実施意図を果たすと思うようになりました。子供たちの将来をみすえた健康教育という目標を軸として、養護教諭もさらに研修を積んでいかなければならないという思いをご講演いただきました。
今回のシンポジウムには90名の学校歯科関係者の参加があり、歯列咬合の診査において、歯列はdental arch(alignment of teethではない)、咬合はocclusion(occlusal relation of teethではない)であることを、講演の中でお示しいただきました。
千葉大会レポートパネリスト 坂本眞理子先生(前渋谷区歯科医師会会長)
「渋谷区における地域連携をふまえた組織づくり」
現在の渋谷区歯科医師会は、平成24年に公益社団法人に移行する際、別組織の学校歯科医会を統合した受託事業の協力医数が約180名の組織であり、会内組織の学校歯科医会は、小中部、幼保部という構成により学校保健を担う体制になり、任期制を導入し、広く会員から協力医を募る募集制としました。学校歯科医と園歯科医の働きを本会が把握・管理し、かかりつけ歯科医による健診の結果の理解につとめ、協力医全体会等の定期開催により学校歯科医と地域の先生方の連携が取りやすい組織機構にしました。
学校での顎関節や歯列・咬合に関する講演は矯正専門歯科医に依頼し、健診マニュアルの中で基準の統一に参画を求めています。園医・学校歯科医には、健診結果が矯正歯科治療の絶対的な必要性を示唆しないという説明をし、保育園・幼稚園・学校との十分なコミュニケーションをとり、指しゃぶりや悪習癖などの保育士・養護教諭の先生からの情報も参考の上、保護者向け説明用パンフレットを作成しています。現在は、保健所において、年に2回矯正専門歯科医による歯科相談日を設けて無料で相談ができるシステムになっているという講演をいただきました。渋谷区の具体的な資料等を会員の地元での今後の活動の参考にさせていただきたいと思っています。
<コーディネーターによる総括・まとめ>
パネリストの講演、フロアからの追加発言等で予定終了時間を超過したため、十分な時間のない中で、黒田先生は、矯正歯科医の立場で日学歯の活動を開始されて以来、ようやくこのように養護教諭・学校歯科医(一般歯科医も矯正専門医も)が一同に会して互いに理解し合うepoch-makingな機会が得られたことへの関係各位の努力に対する感謝と、今後、学校歯科医が教育の視点での活動を軸とし、養護教諭ほかの児童・生徒を取り巻く関係者と同じ視点で情報を共有し、お互いを尊重し密にコミュニケーションをとりながら、子供たちのQOL向上のための活動をつづけることへの期待とエールとで、シンポジウムを締めくくられました。
千葉大会レポート

【招待講演】
千葉大会レポート「Move teeth beyond boundary」
Dr. Wen-Chung Chang(Taiwan Association of Orthodontists学術理事)
両顎前突の治療に関して、以前は小臼歯を抜歯してただ単に前歯を牽引していたが、前歯をアップライトしすぎた過去の症例には満足できないとして、口唇の突出パターンをClass I, II, IIIと3タイプに分類し、それぞれに応じた対応が必要であると講演を始められました。
お話は1) Classification of the dental protrusion, 2) Different types of tooth movement, 3) Move teeth beyond boundary, 4) Solution from the related article, 5) My clinical trialという内容で進められました。前歯歯軸と歯槽骨形態に応じて、傾斜移動と歯体移動を考慮して移動することが重要であり、移動方法によって歯槽骨の添加量に差があることを過去の文献(Alexander D. V. 1998)を引用して説明されました。
歯科矯正用アンカースクリューの使用によって、歯の移動のコントロールがより自在になった今日、より高いゴールを目指すことが可能になったが、歯槽骨の添加には限界があり、その解決方法として、骨補填材を用いて骨の裂開が生じた場所に骨の造成を図ることで、borderを超えて歯を移動できるとご紹介いただきました。上下前歯の歯軸のコントロールを確実に行った結果、良好なプロファイルの改善が得られた症例を数多く見せていただき、得るところの多いご講演でした。
千葉大会レポート「Achieving better esthetic results in bimaxillary protrusion treatment」
Dr. Jae-Man Hyun (元Korean Society of Orthodontists会長、現Korean Association of Orthodontists副会長)
今年でJpAO大会参加3回目となるHyun先生のご講演は奇しくもChang先生と同じく、アジア人に多い両顎前突への対応がテーマでした。お話は1)どのように両顎前突症例において美しいプロファイルを獲得するか、2)カムフラージュ治療ではどのようなファクターについて考えるか、3)外科的矯正治療ではどうか、4)さらに追加できるものは?という内容でお話しくださいました。歯槽性の場合の矯正歯科治療での対応、骨格性の場合の外科的な対応、その他の前突の場合の対応について、患者の主訴を理解し、データを分析し、口腔外科医と現実的に可能かどうかを検討して、最終決定するとご説明くださいました。2 jaw surgery + Anterior Segmented Osteotomy、 2 jaw surgery + 回転、2 jaw のtotal set-backなどのさまざまな術式だけでなく、頬骨やオトガイ、下顎骨の顎角部の形態修正などについてもご説明いただきました。そして、それらを駆使した治療結果をご紹介いただき、会員は大きな刺激を受けたようでした。
【会員アンコール発表】
千葉大会レポート池森由幸会員(東海支部)
小下顎症の矯正歯科治療で上下顎同時移動術を併用し、形態と重度の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が改善された症例の報告でした。
〔症例〕初診時22歳の女性、小下顎症(ピエールロバン症候群)、口蓋裂術後、重度叢生、矯正歯科治療既往あり。
〔治療経過〕上下顎のレベリング後に、連携医療機関の口腔外科・形成外科にて、上顎骨をLe FortⅠ型骨切り術で上前方へ移動、下顎骨はSSROにて下顎骨体部の反時計回転を伴う前方移動をさせて咬合を改善し、オトガイ部も2段階で前方に移動させた。手術前後のセファロ分析所見では咽頭後部前後径に変化を認めなかったもののOSAは著しく改善した。手術前後の終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG検査)では、手術前は中等度のOSAと診断されたが、手術後では著しく改善され、保定4年後のOSA簡易検査でも良好な数値を維持している。
〔考察とまとめ〕小下顎症の場合、下顎骨を前方に移動させて咬合と顔面形態の改善を図るので、咽頭口部においても、形態的にOSA改善に寄与すると思われる。しかしながら、このような場合でも側面頭部X線規格写真による咽頭口部の前後径や、CTによる気道体積に変化を認めないことがある。OSAに関しては、終夜のSpO2値測定、低呼吸、無呼吸を調べることができるPSG検査、簡易検査等の機能分析でのみ評価されるべきである。
千葉大会レポート堀内敦彦会員(甲信越支部)
咬合が崩壊し治療後の安定が不安視された症例に対し、診断の段階からその原因を探ることで審美的、機能的に安定の得られた症例の報告でした。
〔症例〕初診時年齢32歳の女性で、主訴は下顎前歯の叢生であったが、口腔内は処置歯が多く、上顎右側犬歯が欠損し上下顎歯列弓は非対称、上顎歯列正中線は右側へ、下顎歯列正中線は左側へ偏位、下顎臼歯部の舌側傾斜、小臼歯部の叢生と逆被蓋が認められ、右側前歯部は舌側傾斜、左側前歯部は逆被蓋、頭蓋底、上顎骨の前後的劣成長、TMJの前方位によるHigh angle を伴うSkeletal Class Ⅲ症例。
〔治療経過〕上顎歯列弓の非対称改善のために左側第二小臼歯の抜去、下顎歯列弓の叢生改善のために左右側第一小臼歯の抜去を行った。High angle case であることより、垂直的なコントロールに留意して治療を行った。動的治療期間は2年5か月であった。
〔結果〕上下顎歯列弓は対称性のある良好な形態となり、前歯部の被蓋は改善され、上下顎歯列正中線も一致した。側貌および正貌にも改善が認められ、スマイルも良好であった。動的治療終了後、10年5か月を経過し良好な状態が維持され、非常によく安定している。
千葉大会レポート府川彰久会員(静岡支部)
下顎前歯に咬合性外傷の見られた重篤な過蓋咬合のtwo incisors 症例で、咬合挙上に苦慮された報告でした。
〔症例〕初診時年齢は10歳9か月の女性で、下顎左右側切歯の先天性欠如を伴う著しい過蓋咬合のAngle Class Ⅱ Division 2の症例。上下顎前歯が著しく舌側傾斜していた。
〔治療経過〕上顎前歯部の唇側移動を先行して行い、その後咬合挙上のためバイトプレートを装着、上下顎前歯の機能的障害を解消しつつ、下顎前歯の直立と圧下をはかり、咬合が挙上された後に上顎左右側第一小臼歯を抜去して上顎前歯ならびに上顎歯列の遠心移動を行い、歯列・咬合の再構成をはかった。動的治療期間は5年0か月。 
〔結果〕上下顎の歯槽骨に垂直的な成長がみられ、咬合が挙上された。咬合挙上により、安定した咬合が得られた。動的治療後9年位までは、比較的下顎前歯の舌側傾斜は小さかったが、18年が経過し、下顎第三大臼歯が抜去されると下顎前歯は舌側に倒れてきた。
《スタッフプログラム1》
千葉大会レポート「身体からアプローチするカウンセリング心理学」
真織由季氏(BTU.バランスセラピーuniversal武蔵小杉教室室長ストレスケアカウンセラー、元宝塚歌劇団)
脳疲労(ストレス)を筋肉から脳にアプローチして解消、脳を再活性させやる気や自信を再構築し健康を取り戻すと、問題とともにいきいきと生きることが可能になり、本来のその方の自己資産を100パーセント開花させます。心の熟達を心だけで頑張るのではなく、体の力と脳の力を最大限に活かすということが身体からアプローチするカウンセリング心理学。健康な心はまず、健康な身体から育まれるもの。そして60年前にハンスセリエが日本に「ストレス学説」を提唱した時の言葉通り「ストレスは幸福をもたらす原理である」ことを知っていることも重要とご講演されました。
いくつかの全体ワークも行ないながら、充実した楽しいあっという間の90分間でした。最後に、『希望のうた』を披露して下さり、一緒に唄うララララララ・・・♪で会場がひとつになり大きな笑顔で包まれました。
《スタッフプログラム2》
千葉大会レポート「審美的要求の高い患者に対する当院の試み-美しいスマイルのために-」
斎藤絵里子(はしば矯正歯科)
矯正歯科治療を希望する成人患者の多くはインターネットで様々な情報を得て来院するため、要求は具体的になり高度化しています。患者の年齢層がひろがり舌側矯正治療を選択する患者も増えています。そこで矯正歯科治療の一環として、口腔筋機能療法・スマイルトレーニングに加えホワイトニング治療を行うことで、審美的に優れた顔貌(facial esthetic)の獲得、そして患者がより満足のいく美しいスマイルを目指しています。
発表では舌側矯正歯科治療中に行うホワイトニング治療のメリットやデメリット、そして矯正歯科治療期間にホワイトニングを同時進行させる場合の患者側への配慮、治療のプロセスなどをご紹介いただきました。
千葉大会レポート「矯正歯科スタッフが知っておきたいMFT(口腔筋機能療法)」
橋本律子(大野矯正歯科)
歯科衛生士学校で使用されている最新の歯科矯正学の教科書には MFT の章が追加されており、歯科衛生士を目指す最近の学生は学生時代にMFTを学ぶ機会があります。口腔機能への関心が高まる中、小児の口腔機能育成から高齢者の口腔機能の向上維持などにMFTの一部が活用されており、口腔機能訓練が歯科衛生士の新たな役割として注目されています。特に矯正歯科医院に勤務するスタッフにとって口腔機能や口腔習癖の知識は必要不可欠です。
発表では自院におけるMFTの基本システムや指導の進め方についてご紹介いただきました。
千葉大会レポート「矯正歯科医院におけるプロフェッショナルクリーニングシステム」
佐藤朱美(岡下矯正歯科 非常勤歯科衛生士)
プラークコントロールおよび口腔内の清掃は、円滑な矯正歯科治療の進行に不可欠であり、ブラケット装着前、ブラケット装着後、ブラケット撤去時の歯面清掃に異なる対応が必要になります。
今回の発表では自院で行なっている矯正歯科治療におけるプロフェッショナルクリーニング(歯肉マッサージ・舌クリーニング)の一連の流れについて、口腔内の状況に応じたインスツルメント、材料をどのように選択、使用するのか動画を交えてお話いただきました。
《スタッフプログラム3》
千葉大会レポート「成長期の子供たちを健やかに育てるために私たちができること-その子供本来のカタチに近づけるために-」
小川晴也会員(中四国支部)
 
不正咬合の発症には、成長期における様々な習癖、態癖が関与し、それらを早く発見し癖を取り除くことによって患者本来の成長パターンに戻すことができ、矯正装置を使用することなく治癒させることが可能です。習癖除去のためには、患者自身の「本来の自分自身の形態に近づけたい」という気持ちを引き出すことが大切で、いかに患者を感動させ、やる気を起こさせるかが重要となります。具体的には、1)出生直後からの睡眠態癖に対する啓発 2)離乳食に引き続く正しい幼児食の与え方と正しい嚥下運動の獲得 3)幼児期以降の正しい姿勢と鼻呼吸の必要性 4)小児期以降の態癖および口腔周囲の悪習癖、これら時系列における啓発が大切です。
ご講演では、スタッフ全員での取り組みと、実際の治癒例を、多くのスライドを使用しながら軽妙洒脱、かつ情熱的にご紹介いただきました。
《スタッフプログラム4》
-スタッフ・ラウンドテーブル・ディスカッション-

昨年の長野大会に引き続き、今年も診療所スタッフによるラウンドテーブルディスカッションが開催されました。
会場が大きいこともあり今回は7つのテーマで19のテーブルに別れ、総勢190名ほどが参加し、活気あふれるディスカッションが行われました。どのテーブルも熱心に聞き入るスタッフの姿が印象的で、有意義な時間になったと思います。
以下は各テーブルのテーマとそのモデレーターです。
☆TC
1)『初診カウンセリングでのトリートメントコーディネーター(TC)の役割』中谷藍(岡下矯正歯科)
2)『当院がトリートメントコーディネーターを導入した理由。~これから導入しようとお考えの皆様へ~』永井佑奈(かわぐち矯正歯科)
☆MFT
3)『スマイルトレーニングを含めたMFTの導入方法』山本舞子(ふなき矯正歯科)
4)『Visual feedback効果を用いた口蓋への舌の位置について』山地加奈(こうざと矯正歯科クリニック)
5)『口腔筋機能療法(MFT)のここが知りたい-Q&A-』石野由美子(二子玉川ガーデン矯正歯科)
☆チームワーク
6)『新人教育のポイント』堂園葉月(木下矯正歯科)
☆技工
7)『床矯正装置の製作方法-基本構造とその応用-』更科綾( たけうち矯正歯科クリニック)
8)『矯正歯科における院内技工士の役割』山本孝教(岡下矯正歯科)
☆口腔衛生
9)『矯正治療中の口腔ケア-患者のモチベーションアップの秘訣-』清水成美(銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック
10)『年齢や症例別の歯ブラシ選び』常吉いすず(のぶしま矯正歯科)
☆その他
11)『ブラケット除去後の歯面のボンディング材除去について』岩崎のぞみ(アルファ矯正歯科クリニック)
12)『上手な印象の取り方・写真の撮り方、みなさんはどんな工夫をしていますか?』大神田美紀(ドモン矯正歯科)
13)『処置中に患者さんに苦痛を与えている行為とその対策』川上沙耶華(のむら矯正歯科)
14)『広げよう新人歯科衛生士の輪』金高由香(のむら矯正歯科)
15)『患者さんの安全確保は大丈夫ですか?-医院の感染対策を見直そう-』片山章子(銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック
16)『チーム力のあるスタッフを目指そう!!』丸岡恭子(三田矯正歯科医院)
☆コミュニケーション
17)『トラブル防止を目的とした「情報収集・共有」のシステム化』石川陽子(木下矯正歯科)
18)『患者様へのホスピタリティーとコミュニケーションについて』藤内悠起子(表参道高柳矯正歯科)
19)『成長期の子どもたちを健やかに育てるために私たちができること』小林純子(小川矯正歯科)
【ブレース スマイルコンテスト表彰式】
大会初日の2月22日(水)、第12回ブレーススマイルコンテスト(共催;日本歯科矯正器材協議会)の表彰式が行われました。
今回は「ただいま矯正治療中!とっておきの笑顔」をテーマに、全国の3歳から54歳までの幅広い年齢層から310作品と多くの応募があり、厳正な審査の結果「最優秀賞」に熊本県在住の掛須悠由さんの『地震なんかに負けないぞ』、「優秀賞」には小木戸胡春さん(広島県在住)、飯伏莉沙さん(大阪府在住)の2作品が、「千葉大会賞」には村上のの子さん(千葉県在住)が選ばれました。
今年の表彰式は期末試験の時期に開催されたため、表彰式に参加できなかった受賞者からのビデオレターが会場で放映され、会場での登壇では見ることが出来なかったであろう受賞者の生き生きとした表情が映し出されました。表彰式では各賞の作品・コメントの紹介に続いて表彰と各受賞者へのインタビューが行われ、受賞者の素晴らしい笑顔に会場から大きな拍手が贈られました。
現在『ブレーススマイルコンテスト』は日本のみならず韓国、台湾で行われており、今後さらにシンガポールでも行われる予定です。
千葉大会レポート
ブレーススマイルコンテストの受賞者、その家族、それぞれの主治医、海外からの招待者を囲んでの記念撮影
(文責:日本臨床矯正歯科医会・大会運営委員会・広報委員会)
公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会「平成29年度6月例会」ご案内
公益社団法人日本臨床矯正歯科医会の平成29年度6月例会が平成29年6月7・8日(水・木)の2日間にわたり、メルパルク大阪(大阪市淀川区宮原4-2-1)にて開催されます。
お問い合わせは、口腔保健協会までお願いいたします。
●口腔保健協会・学会部内
日本臨床矯正歯科医会事務局 Tel:03-3947-8891/Fax:03-3947-8341
●公益社団法人 日本矯正歯科医会 入会のお誘い (http://www.jpao.jp)
日本臨床矯正歯科医会は、1973年に設立された歴史ある矯正歯科専門開業医の会で、より多くの人たちに、健康な歯、美しい笑顔を獲得していただけるよう、さまざまな活動を行っております。本誌にてご報告しました矯正治療中の患者さんのフォトコンテスト「ブレーススマイルコンテスト」も、その一環で、矯正歯科治療の認知度向上と患者さんに自信を持って治療に臨んでいただける環境作りを続けてきました。
テレビ、週刊誌、インターネットにおいて、玉石混交の情報が多く氾濫し、安易な治療法が次々と紹介される現在、矯正歯科治療に対する正しい理解を一般に広めることが急務であると思われます。こういう時期であるからこそ、矯正専門開業医が力を合わせて直面する問題点を解決し、矯正歯科治療を通して社会にますます貢献することが必要であると考えられます。
未入会の先生方には、是非ともご入会いただけますようご案内申し上げます。ご入会に関してのお問い合わせにつきましては、(一財)口腔保健協会・学会部内の本会事務局(Tel:03-3947-8891、担当澤辺)まで御願いいたします。

当会の取り組み(1)

日本臨床矯正歯科医会は転居に伴う転医をすることになった患者さんに最良の医療を提供するために「矯正歯科患者の矯正歯科医変更に関する規程」を設け、下記の診療報酬の精算目安を提唱しています。
<日本臨床矯正歯科医会の診療報酬精算目安>
1.永久歯列期のマルチブラケット装置による治療の場合
(既に全額入金となっている患者に対しての返金する割合の目安)
  治療のステップ   返金額判断の目安
  全歯の整列     60~70%程度
  犬歯の移動     40~60%程度
  前歯の空隙閉鎖   30~40%程度
  仕上げ       20~30%程度
  保定        0 ~ 5%程度
診療報酬精算額は、治療のステップや既に経過した治療期間、今後の内容などを考慮し、最終的な精算額の決定を行います。非抜歯治療や他のテクニックに対しても治療終了に至るまでのおおよその治療内容の到達度を考慮し、返金額を決定します。
2.乳歯列・混合歯列期の治療を開始した場合
(A)第1期治療分のみの治療契約をしている場合
(1)主訴または第1期治療の目標が達せられていれば、治療終了として精算額は0とする。
(2)主訴が改善されていなかったり、治療の継続が必要と判断されたりする場合には、現在までの治療内容と今後予想される治療期間を考慮して決定する。
(B)第2期治療(永久歯列期)まで含めて治療費の契約をしている場合、第1期治療が終了していれば、精算判断の目安は40%程度とする。