3.不正咬合の種類と治療法|矯正歯科治療について:矯正歯科治療のお話|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

3.不正咬合の種類と治療法

上顎前突(出っ歯)の治療法

上顎前突(出っ歯)の治療法
 成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は上顎骨の過剰発育を抑えたり下顎骨の成長を促進したりします。これは成長の早い時期(8才~10才)に行うのが望ましいです。
 さらに奥歯に原因がある場合は、適切な矯正装置で上下の奥歯も動かし、正しい咬み合わせにします。必要に応じて、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。
 次に前歯を移動させて引っ込めたり、その他のすべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
 歯が動いていく隙間をつくるため、抜歯をすることもあります。
特に顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で骨の手術を併用することもあります。

下顎前突(反対咬合・受け口)の治療法

下顎前突(反対咬合・受け口)の治療法
 適切な矯正装置で上下の前歯を動かし、正しい咬み合わせにします。これは成長の早い時期(6~8才)に開始するのが望ましいです。
 同時に、成長期にお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は下顎骨の過剰発育を抑えたり、上顎骨の成長を促進したりします。
 必要に応じて、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。
 成長の終了後に、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
 特に顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で骨の手術を併用することもあります。

叢生(八重歯など)の治療法

叢生(八重歯など)の治療法
 成長期のお子さんで、骨格に問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。歯だけが問題の場合は、永久歯がすべて揃うまで、しばらく観察を続けます。
 しかし、がたがたのために上下の歯がうまく咬み合わない場合には、部分的に悪いところのみを早期に治療する場合もあります。永久歯がすべて揃った段階で、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。歯が動いていく隙間をつくるため、抜歯をすることもあります。

開咬の治療法

開咬の治療法
 成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。指しゃぶりや舌のくせがある場合には、適切な矯正装置を用いるか、舌やお口の周りの筋肉のトレーニングを行ってそれらの影響をなくし、正しい咬み合わせにします。これは成長の早い時期(6才~8才)に開始するのが望ましいです。
 鼻・のどに慢性的な病気があり、いつも口で呼吸をしている場合も顎の発育に問題がでることがありますので、耳鼻科の先生の診察も必要になることがあります。
 成長期間中、必要に応じて、上下の顎の成長の管理をします。
成長の終了後に、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
 歯が動いていく隙間をつくるため、抜歯をすることもあります。
特に顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で骨の手術を併用することもあります。

過蓋咬合の治療法

過蓋咬合の治療法
 成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。これは成長の早い時期(8才~10才)に開始するのが望ましいです。
 一般的に引っ込み過ぎた上の前歯を先に治します。
 成長期間中、必要に応じて、上下の顎の成長の管理をします。
成長の終了後に、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
 歯が動いていく隙間をつくるため、抜歯をすることもあります。
 特に顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で骨の手術を併用することもあります。

矯正装置

 矯正装置には、たくさんの種類があります。一般には、歯の表面に金属やレジン、セラミックの小さなブラケットをつけ、それに細いワイヤーを通して歯を動かす固定式の装置を使います。プラスチック製の取りはずし式装置を使う方法や、フェイシャルマスク、ヘッドギアなど口の外で使う装置もあります。
固定式矯正装置
固定式矯正装置固定式矯正装置
固定式矯正装置固定式矯正装置
固定式矯正装置固定式矯正装置

取りはずし式矯正装置
取りはずし式矯正装置取りはずし式矯正装置
取りはずし式矯正装置取りはずし式矯正装置取りはずし式矯正装置