治療を始めるにあたって、親としてどんなことに気をつければよいでしょうか?
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4.治療中の生活
Q. | 治療を始めるにあたって、親としてどんなことに気をつければよいでしょうか? |
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A. | ときに励まして、お子さんのやる気を持続させましょう。 |
しっかり噛める歯並びの大切さを説明したい
矯正歯科治療の期間中は、日常的に矯正装置を入れたり、毎日の丁寧な歯みがきや定期的な通院が必要になったりと、治療する本人の努力や根気が求められることが多くなります。そのため、治療のスタートにあたっては、お子さん自身に自発的な意思のあることが大切です。しかし、いざ治療が始まると、慣れない矯正装置への違和感などで、子どもがやる気をなくしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、食べものをしっかり噛んでおいしく食べられる幸せや、きれいな笑顔で人と接することのできる素晴らしさなどを話し、そのための第一歩が矯正歯科治療であることを伝えて、励ましてあげましょう。
デンタルケアに家族全員が関心をもって
食後の歯みがきを忘れないよう、家族でサポートしてあげることも大切です。特に固定式の矯正装置を使っている場合は、24時間装置が口の中に入っているので、食べた後、歯みがきを丁寧にしないと、むし歯や歯肉炎になりがちです。治療の途中でむし歯ができると、場合によっては途中で装置をはずし、むし歯の治療を優先することにもなりかねません。そうならないように、例えば食後に親子一緒に歯みがきをする習慣をつけてみてはいかがでしょう。
矯正歯科治療の場合、一般歯科とちがって、矯正装置自体も自分でつけたり、はずしたりする場合が出てきます。なかでも装置を「1日10時間つけてください」などといわれたときは、それをきちんと守らないと治療の効果があがりません。治療をお子さんだけに任せず、ときに励まし、ときに注意を促しながら、子どものやる気を支えてあげてください。
歯が動くときの痛みはどの程度ですか?
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4.治療中の生活
Q. | 歯が動くときの痛みはどの程度ですか? |
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A. | 痛みの感じ方には個人差がありますが、慣れると気にならなくなるようです。 |
矯正歯科治療の初期段階では、あらかじめ歯列の形に調節したワイヤーを使用することで、少しずつ歯を動かしていきます。
このとき、理想的な歯列からはずれている歯には相対的に強い力がかかることになるため、痛みを強く感じることがあります。矯正装置をつけた直後や通院後の数日間に集中していますが、これは歯が動くことによる痛みであり、正常な反応です。この間は、かたい食べものを力強く噛むのは難しいかもしれませんが、治療が進むと痛みの程度や期間は徐々に減少し、ほとんど気にならなくなるのでご安心ください。
治療中でも、スポーツや楽器の演奏は普通にできますか?
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4.治療中の生活
Q. | 治療中でも、スポーツや楽器の演奏は普通にできますか? |
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A. | たいていのスポーツは問題ありません。 楽器は種類によっては慣れが必要です。 |
身体能力アップのために治療するアスリートも
最近では、ヤクルトスワローズの青木宣親選手やフィギュアスケートのキム・ヨナ選手のように矯正歯科治療をしながらプロスポーツ選手として活躍している人も見かけます。また、アメリカのプロ野球大リーグで活躍する松坂大輔選手も矯正歯科治療を受けました。このように、一般的なスポーツで矯正歯科治療がネックになることはほとんどなく、逆に身体能力を高めるために積極的に治療するケースが増えています。ただ、ボクシングや空手、柔道といった格闘技系を行う場合は、矯正装置で口の中を切る事故につながりやすいため注意が必要です。
スポーツ中、装置が気になるようであれば、マウスピースなどでカバーする方法もあります。
管楽器の演奏は、慣れが必要
楽器の中でも矯正歯科治療をすることで影響があるのは、主に管楽器です。管楽器の中でも、フルートのような木管楽器やマウスピースの大きい金管楽器なら支障はありませんが、シングルリードのクラリネットやサキソフォンは装置に慣れるまでは思うような音が出しにくいかもしれません。トランペットやホルンのようなマウスピースの小さい金管楽器は、くちびるを楽器に押し当てて演奏するため、くちびるの粘膜に痛みが出たり、高音が出しにくいことがあるでしょう。また、サックスやクラリネットのような縦笛系統の楽器は、指しゃぶりと同じような力を歯に与えるため、出っ歯や開咬(かいこう)になりやすく、治療中の歯の動きを妨げることもあります。
矯正歯科治療中も管楽器の演奏をする場合は、大切なコンクールや演奏会の日程を見越して治療を進めることもできます。また、矯正歯科でお渡しする「ワックス」(粘膜を傷つけないように装置のまわりに貼るもの)を使うと、吹きやすくなることもあります。くわしくは矯正歯科医におたずねください。
矯正装置をつけると、発音や食事がしづらいと聞きますが、どの程度でしょうか?
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4.治療中の生活
Q. | 矯正装置をつけると、発音や食事がしづらいと聞きますが、どの程度でしょうか? |
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A. | 慣れるまでは多少気になるかもしれませんが、時間とともに気にならなくなります。 |
発音
歯の表側につける矯正装置の場合は、発音にあまり影響は出ません。しかし、歯の裏側に装置をつけたり、治療終了後の歯並びの後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)をつけたりすると、当初、舌を歯の裏側につけて出す「サ行」や「タ行」、特に英語では「Th」などの音が出しにくくなります。ただし、これはほとんどの場合、1〜2週間も経てば慣れてきて、普通の発音ができるようになります。
食事
装置をつけた当初は、やわらかめのものを中心に、食べものを小さく切ってゆっくりと食べましょう。装置に慣れて歯の痛みがなくなれば、ほとんどのメニューは問題ありません。
あえて避けたほうが無難なものを挙げるとすると、粘着製のあるガムやキャラメル、お餅、お煎餅、氷、スルメ、フランスパンなどです。ただし、これらも患者さんの中には「特に問題なく食べている」という方もいらっしゃるので、個人差があります。
また、ブラケットとワイヤーをとめる「エラスティック リガチャー」や歯を移動させるための「エラスティック モジュール」という歯科材料は通常、透明なので、食べものによっては着色してしまいます。そのため、カレーなど色の濃い食べものは通院の前日(通院の際、モジュールを取り替えるため)に食べるという方もいらっしゃいます。
エラスティックに着色しやすいもの
- ・カレー類(ドライカレー、ハヤシライス、ケチャップライス)
- ・トマトソース、デミグラスソース系の煮こみ料理
- ・トマトソース系のパスタ