vol.24 第14回ブレース スマイル コンテスト|vol.24 第14回ブレース スマイル コンテスト:トレンドウォッチ:本会の活動・ニュース|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

vol.24 第14回ブレース スマイル コンテスト

今年は横浜で開催されました!「第14回ブレース スマイル コンテスト」表彰式レポート

2005年のスタートから毎年行われ、14回目を迎える「ブレース スマイル コンテスト」(通称「ブレスマ」)。それは矯正装置(ブレース)をつけて治療をしている患者さんの笑顔を募集する写真コンテストです。今回のトレンドウォッチは、2月に開催された「第14回ブレスマ」の表彰式の様子を、受賞者へのインタビューなどを交えながらご紹介します。記事作成 2019年3月10日 取材・文:冨部志保子(編集・ライター)

表彰式

全国から寄せられた305点の
ブレーススマイルを、厳正に審査

治療期間をもっと前向きに。それが「ブレスマ」の原点

歯並びのよさは健康やアンチエイジングにつながるとして、近年、矯正歯科治療は子どもからシニアまで患者さんの層が広がってきています。しかしその一方で、歯並びは治したいものの治療期間が数年かかることや装置への抵抗感などから、一歩が踏み出せない人がいるのも事実です。そんな人たちに、矯正歯科治療は未来への前向きな投資であることを視覚的に伝えられるのが「ブレスマ」です。
また、これから治療をはじめる人だけでなく、治療中の患者さんにとっても、「ブレスマ」への応募は、治療期間のよき記念となるものです。
こうしたことから、本コンテストは2005年に第1回目を開催して以来、回を重ね、今回で第14回目を数えました。

この応募チラシを見て「ブレスマ」を知ったという人も多いはず
この応募チラシを見て
「ブレスマ」を知ったという人も多いはず

一次、二次選考を経て受賞作を選出

その「第14回ブレスマ」の応募テーマは、「元気いっぱい!矯正歯科治療、楽しんでます!」。事務局には、応募テーマを反映した全国の5歳から70歳までの弾けるようなブレーススマイルがたくさん届きました。その数、なんと305点!
集まった作品は例年、一次審査と二次審査を経て、受賞作品が決定します。
第14回の場合、一次審査が開催されたのは、昨年10月4日。審査員を務めたのは、主催する公益社団法人日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)と日本歯科矯正器材協議会、そして関係団体の方々です。審査会場の机を埋め尽くすたくさんのブレーススマイルとコメントを1点1点、丁寧にチェックした後、12点に絞られました。
そして、その後、10月31日・11月1日に行われた日本矯正歯科学会の会場で、投票形式の二次審査を実施。ついに今回の受賞作品が決まったのです。

昨年開催された一次審査。時間を忘れて熱心に見入る審査員の方々
昨年開催された一次審査。時間を忘れて熱心に見入る審査員の方々

改めて、ご紹介いたしましょう。
「第14回ブレスマ」で最優秀賞に輝いたのは、愛知県在住の中島和葉(なかしま・やすは)さん(15歳)の「元気スマイル」。
同じく優秀賞に選ばれたのは、同じく愛知県在住の伊藤心結(いとう・みゆ)さん(13歳)の「思いっきりわらう!」、大会賞を獲得したのは、神奈川県在住の大塚志歩(おおつか・しほ)さん(11歳)の「夏休み 笑顔はじける湘南の海」です。
奇しくも、今回の受賞者は全員10代。整った歯並びになるプロセスを謳歌する、元気いっぱいの笑顔が、見事に栄冠を勝ち取りました。

最優秀賞最優秀賞 「元気スマイル」中島和葉さん(15歳/愛知県在住)

最優秀賞 「元気スマイル」

優秀賞優秀賞 「思いっきりわらう!」伊藤心結さん(13歳/愛知県在住)

優秀賞 「思いっきりわらう!」

大会賞大会賞 「夏休み 笑顔はじける湘南の海」大塚志歩さん(11歳/神奈川県在住)

大会賞 「夏休み 笑顔はじける湘南の海」

受賞者全員が出席し、
なごやかに行われた表彰式

本番までの舞台裏は…?

表彰式が開催されたのは、寒さの中にも天候に恵まれた2月20日(水)。
場所は、横浜中華街にある「ローズホテル横浜」です。
表彰式の開始は15時からですが、事前の打ち合わせなどのため、控室には12時すぎから受賞者の方々がお越しになりました。
今回は全員10代ということもあり、皆さんご家族の方がご一緒です。
それぞれのご家族のテーブルに主治医の先生も加わり、まずは全体説明を受けた後、昼食。緊張した中にも、和気あいあいとした雰囲気が漂います。
ここで受賞者にお話をうかがい、壇上でどんなことを話してもらうかを決めていきます。
そして、14時を回る頃、表彰式会場へと移動することに――。

矯正歯科治療×素敵な思い出づくり=「ブレスマ」

開催時間が近づくにつれ、会場の席が埋まっていきます。

続々と関係者が集まる会場内
続々と関係者が集まる会場内

数年前から「ブレスマ」表彰式は、主催する矯正歯科医会の学術大会の日程に行われているため、会場にいるのは矯正歯科医や歯科衛生士、器材メーカーの方々など、矯正歯科治療の関係者がほとんどです。その中には、「毎年、表彰式を楽しみにしている」という方も、少なくはありません。

会場の席がほぼ埋まり、さあ、いよいよ表彰式の始まりです!
矯正歯科医会会長・稲毛滋自先生の挨拶の後、まずは応募者をもっとも多く輩出した「最多応募診療所」の表彰が行われました。

ブレーススマイルの輪がさらに広がっていくように、と開会の挨拶をする稲毛会長
ブレーススマイルの輪がさらに広がっていくように、と開会の挨拶をする稲毛会長

今回、最多応募診療所に輝いたのは、愛知県の「いぬづか矯正歯科」です。
なんと、同医院は今回で6年連続受賞! 院長の犬束先生いわく、スタッフみんなで「ブレスマ」への応募を呼び掛けているのだそうです。
矯正歯科治療×素敵な思い出づくり=「ブレスマ」。そんな方程式が患者さんに浸透し、それが最多応募につながっているようです。

最多応募診療所に選ばれた「いぬづか矯正歯科」。表彰状を受け取る奥様は、同院のスタッフでもあります
最多応募診療所に選ばれた「いぬづか矯正歯科」。表彰状を受け取る奥様は、同院のスタッフでもあります

治療への前向きな思いが表れたインタビュー

そして、いよいよ表彰式の始まりです。
3名の受賞者が登壇し、表彰状と花束を受け取ると、会場からは大きな拍手がわきおこりました。

花束と賞状を手に壇上で記念撮影が行われました
花束と賞状を手に壇上で記念撮影が行われました

続いて、舞台上で行われたのは、受賞者へのミニインタビュー。
大会賞の大塚さんが「今回応募した写真は、去年の夏、神奈川県の湘南に遊びに行ったときにお母さんに撮ってもらいました」と受賞作品のエピソードを披露してくれました。
また、優秀賞の伊藤さんは「矯正を始めたのは、小学生のときに観た劇団四季に憧れて、その舞台に立つためです。みんなの前で思い切り笑えるようになりたいです!」と治療にかける思いを話してくれました。
そして、最優秀賞の中島さんは「矯正歯科治療を始めてから、今までよりも人と関わることが好きになりました。気持ちも明るくなって、前向きになれたと思います」と精神面でのプラスの変化を教えてくれました。

受賞した皆さんへのミニインタビューでは、それぞれの素顔がのぞきました
受賞した皆さんへのミニインタビューでは、それぞれの素顔がのぞきました

3名の言葉からうかがえたのは、このコンテストにふさわしい、治療に対する前向きな姿勢です。整った歯並びになることへの期待と喜びに溢れた笑顔を、会場からの温かな拍手が包んでいました。

表彰式の後は、受賞者を囲んで関係者全員で記念撮影
表彰式の後は、受賞者を囲んで関係者全員で記念撮影
「第14回 ブレース スマイル コンテスト」
最優秀賞 受賞者INTERVIEW
矯正歯科治療がくれたのは、人前で笑顔になれる自信です!

矯正歯科治療がくれたのは、
人前で笑顔になれる自信です!

最優秀賞 中島和葉さん(15歳/愛知県在住)

8歳のときにはじめて矯正歯科に行き、あごの成長を利用してバランスを整えるためのⅠ期治療からスタートした中島さん。その後、経過観察をはさみ、中学1年生の後半からマルチブラケットを用いたⅡ期治療にはいり、現在に至ります。

――矯正歯科治療を受けようと思ったきっかけについて教えてください

もともと前歯が規格外に大きくて、しかも歯が重なっていたりして、治療する前の口の中は大変なことになっていました。毎日の歯みがきもしづらくて、しゃべりづらくて……。しかも、歯が重なっていたせいか、乳歯も自然には抜けなくて、ほとんど歯医者さんで抜いてもらっていました。
そんな感じだったので、自分でも歯が気になっていたんです。

――では、矯正歯科治療を受けることに抵抗はなかったですか?

はい。姉二人も矯正歯科治療をしていたこともあって、治療に対してはまったく抵抗はありませんでした。というより、“矯正歯科治療にカッコいい”というイメージがあって、治療することへのワクワクした気持ちがありました。

最優秀賞 受賞者INTERVIEW

――ブレースをつける前の抜歯についてはいかがでしたか?

私が治療したのは、姉たちと同じ矯正歯科ですが、そこの先生から「顔が小さいのに、お姉ちゃんたちより大きな前歯が生えている」っていわれて(笑)。「たとえるならこれは、普通の駐車場に大きなトラックを入れるようなものだから、抜歯しないときれいに歯が並ばないね」って。それを聞いて、それならしかたないなって素直に思いました。

最優秀賞 受賞者INTERVIEW

――目立ちにくいセラミックではなく、メタルのブラケットを選ばれていますね

はい。学校の部活でバスケをやっているので、強度的によりしっかりしたメタルにしました。姉二人もバスケをやっていて、それぞれメタルブラケットだったので、私の中では「バスケ=メタル」という感じです(笑)。おかげで、治療中も部活は続けられています。時々、ボールが口もとにあたると口の内側が切れてちょっと血が出たりするんですが、ブラケットに「リリーフワックス」をつけて乗り切っています。

紫色のものがリリーフワックス。粘膜にあたっている装置の上に張り付け、これ以上粘膜を傷つけないようにします
紫色のものがリリーフワックス。
粘膜にあたっている装置の上に張り付け、これ以上粘膜を傷つけないようにします

――治療をはじめてから、歯並び以外にどんな変化を実感しますか?

まず、歯みがきの回数が増えたことですね。食事をすると食べものがワイヤーに絡まったりするから、矯正専用の歯ブラシで食べたらみがくが習慣になりました。
あと、実感したこととしては、治療前は歯が重なっていたので笑うことに引け目を感じていましたが、ブレースをつけてからは歯がちゃんと並んできたので、自分でもきれいになったかなと思うことですね(笑)。それと、人前で話すことが増えました!

――人前で話すことが?

はい。以前は人見知りで、人前で話すのが苦手だったんですが、治療を始めてからは学校の行事などで大勢の前でスピーチをしたり、説明をしたりすることが増えたんです。
今、福祉委員長をやっていて、おじいちゃん、おばあちゃんのところにボランティアに行ったりしています。そんな活動を自分が中心になってできるようになったのも、矯正歯科治療のおかげかなと思います。

【お母さん談】
歯の状態に応じた治療は、矯正歯科だからこそ

三姉妹はそれぞれ3歳ずつ年が離れていることもあり、一人の治療が終わったら下の娘が治療を始めるという感じで、同じ矯正歯科に、かれこれ10年ほどお世話になっています。
最初、矯正歯科治療って同じようにブレースをつけて同じように歯を動かすものだと思っていたのですが、子どもたちを治療させてみて、個々に違うものだということがわかりました。それぞれの歯の状態に合わせて、使う装置も治療方法も治療期間も異なるんですね。そんな個別治療ができるのは、やはり矯正歯科を専門でやっている医院だからこそだと思います。

【主治医談】
前向きな気持ちが映し出された受賞作
いぬづか矯正歯科 犬束 信一先生

中島さんご姉妹は、みなさん真面目な患者さんで治療にも前向きです。なかでも和葉さんは、ブレースをつけることに抵抗感がまったくないのが素晴らしいですね。受賞作品の笑顔には、そんな彼女の気持ちが表現されていると思います。

「第14回 ブレース スマイル コンテスト」
優秀賞 受賞者INTERVIEW
きれいな歯並びは夢を叶える第一歩!

きれいな歯並びは
夢を叶える第一歩!

優秀賞 伊藤心結さん(12歳/愛知県在住)

2017年の夏に矯正歯科治療をはじめた伊藤さんの夢は、歌って踊って演じることのできる俳優になること! きれいな歯並びになることは、そんな夢へのファーストステップでもあるのです。

――矯正歯科治療を受けようと思った理由は何ですか?

治療前はあまり気にしていませんでしたが、以前は歯がガタガタでした。そんな歯並びを「治療しなきゃ」と思ったのは、小学4年生のときに劇団四季の公演を観たのがきっかけです。俳優さんたちの声とか体の動きとかを観て、「すごいなあ!」って、全部が大好きになりました。そして、私もあんな俳優さんになりたいと思って、将来、舞台に立つためにきれいな歯並びにしたいと思ったんです。

――治療をはじめて、いかがですか?

ブレースをつけたときは痛くてごはんが全然食べられなくて、これから苦労するなって思いましたけど、今は全然平気です。まだ治療中ですが、以前は顔が真ん丸だったのに、ちょっと細くなった気がします。まわりから「いいふうに変わったね」っていわれると、すごくうれしいです。

優秀賞 受賞者INTERVIEW

――「ブレスマ」への応募のきっかけも教えてください

矯正歯科にポスターが貼ってあって、興味があったので自分から先生に聞いて、最終日に応募しました。あの写真は去年の夏、家族で北海道に旅行したとき、お母さんに撮ってもらったものです。

――治療が終わったら、何がしたいですか?

ブレースをつけていると、食べものがワイヤーとかにはさまったりするので、ホウレン草とエノキが敵ですが、治療が終わったら思いっきりいろんなものを食べたいです(笑)。

優秀賞 受賞者INTERVIEW

【お母さん談】
きれいになるならと、抜歯にも積極的でした

ブレースをつける前に、主治医の先生が「歯は抜かなくても並ぶけど、ちょっと歯列が前に出るかも」とおっしゃったんです。すると、心結が「じゃあ歯を抜く!」と。もっと嫌がるかと思っていたのに、即決でした(笑)。それもすべては将来の夢のため。本人は好きな分野に好奇心旺盛なんです。矯正歯科治療にも興味があるようで、小学6年の夏休みの自由研究のテーマに「矯正歯科治療」を選んだほどなんですよ。図書館で調べて「叢生」や「開咬」という言葉も覚えたりして、治療を楽しんでいます。

「第14回 ブレース スマイル コンテスト」
大会賞 受賞者INTERVIEW
治療をしてちゃんと噛めるようになったのが、うれしい

治療をしてちゃんと噛めるように
なったのが、うれしい

大会賞 大塚志歩さん(11歳/神奈川県在住)

地元、湘南の海で撮影した1枚で賞に輝いた大塚さん。治療前は歯がデコボコしていたといいます。Ⅰ期治療が終わった今、小学2年生からはじめた治療を振り返ってもらいました。

――矯正歯科治療をはじめた頃のこと、覚えていますか?

はじめて矯正歯科に行ったのは、たしか小学2年生の夏休みでした。でもあまり覚えていなくて、気づいたら銀色のものが歯についてました(笑)。治療をはじめてすぐの頃は、歯のすきまとかもみがかないといけないから、歯ブラシが面倒だなあって思いました。でも、朝もお昼も夜も、ちゃんと教えてもらったとおりみがいたので、むし歯は昔も今も0本のままです!

――今は、ブレースがとれているんですね?

はい。奥歯の永久歯が生えてから、Ⅱ期治療に入る予定です。装置がついていると歯にくっつくガムとかが食べられないから、今はいっぱい食べています(笑)。

大会賞 受賞者INTERVIEW

――矯正歯科治療について、どう思いますか?

前は前歯が二重になっていて噛みにくかったんですが、ちゃんと噛めるようになったのでうれしいです。まだ途中ですけど、治療してよかったって思います!

大会賞 受賞者INTERVIEW

――最後に、受賞作品について教えてください

家の近くの海辺で、お母さんに撮ってもらいました。写真を撮る少し前に、矯正歯科で「ブレスマ」のチラシを見て、こんなのあるんだと思って、持って帰っていたんです。写真を撮ってもらった後、そのことを思い出して応募してみようかなと。まさか受賞できるなんて思ってもいなかったので、すごくうれしいです!

【主治医談】
歯の状態に応じた治療は、矯正歯科だからこそ
亀井矯正歯科医院 亀井照明先生

小学2年のときにはじめたⅠ期治療では重なっていた前歯を並べ、この先、中学生になったらⅡ期治療に入って歯列全体の咬み合わせを整える予定です。志歩さんは、きちんとお約束を守れる患者さんです。今回の受賞作も、彼女の豊かな表情がうまく出ていますね。

■最後に……

今年も第15回「ブレース スマイル コンテスト」の応募が行われました。そして来年も、このコンテストは続きます。今、治療中の方も、これから治療を始める方も、「ブレスマ」への応募を、矯正歯科治療の素敵な記念にしてみませんか?
「ブレスマ」に関する詳細は、矯正歯科医会の公式サイトをご覧ください。