気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?|vol.07 矯正歯科治療、どこで受ければいいの?:トレンドウォッチ:本会の活動・ニュース|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

患者OGインタビュー

インタビューに応じてくれたのは、長年、気になっていた歯並びを治すため、矯正歯科専門のクリニックで 30代で治療を受けたという引田さん。
治療を終えて数年経つ今だからこそのホンネトークを交えながら、よりよい治療を受けるためのクリニックの選び方についてお話しいただきました。
■治療例をたくさん見せて説明してもらえたことで、踏ん切りがついた
――矯正歯科治療を受けようと思った理由は何ですか?
 実は、高校を卒業する頃から自分の歯並びが気になっていました。というのも、前歯がデコボコで、特に1本の歯が内側に向かって生えていたため、噛み合わせると上の歯が下の歯にぶつかっていたので。それに奥歯にも内側に倒れている歯があって、食べものがつまりやすいのも気持ち悪く感じていました。
患者OGインタビュー
引田さんの治療開始直後の歯並び。噛み合わせるとき、下の歯にあたるので、あごをずらすようにしなければならなかった。

――高校のときから気になっていたのに、実際に治療を始めたのはかなり後からですね。
そうなんです(笑)。一般歯科で矯正治療もしているクリニックに相談に行って、検査まで受けたことはあるのですが、なかなか決心がつかなくて。相談したクリニックの先生は話しやすい感じで好印象だったんですが、検査結果の説明が短くて、歯を抜かずに短期間で治すことばかり強調されている気がして…。本当にそれで自分の歯のデコボコが解消されるのかなと疑問に思ってしまったんです。それに、そのクリニックは月に一度しか矯正歯科専門の先生がいらっしゃらないので、仕事をしていた私にとっては通うのがちょっと難しいかなと思ったことも、二の足を踏んでしまった理由です。
患者OGインタビュー――では、治療先はどんなふうに探したんですか?
その後、私の友人が矯正を始めたことで、やっぱり私も治療を受けたくなって、その人が通っていたクリニックに相談に行ったんです。そこは矯正歯科だけを専門にしているところで、以前行った一般歯科とはいろんな意味で違いましたね。
――どんなふうに違いましたか?
はじめて相談で行ったとき、パソコンを使っていろいろな治療例を見せてくれたり、実際に先生が口の中を見て大まかな治療の流れや費用について説明をしてくれたり。矯正治療は、歯のデコボコを装置で治したら終わりではなく、その後も歯が戻らないようにリテーナーという装置を何年か使う必要があることも、このときはじめて知りました。
次の精密検査では、写真やレントゲンを何枚か撮りました。もちろん、歯型も。あごの関節の動きや筋肉の動き、咬み合わせのチェックなども時間をかけて行いましたね。その上で、「治療をするかどうかは後日の検査結果を聞いてから決めればいい」と先生に言われました。今振り返っても、全体的に説明が明確で、私に合わせた治療を考えてくれそうな印象を受けたので、ここなら安心かなと、思い切って治療することにしたんです。
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歯を動かした後、上下の歯列にはめて動いた位置で歯を保定するリテーナーという装置。いくつかの種類がある。

■メリットとデメリット、両方の説明を受けたことで納得できた
――引田さんは、治療前に抜歯*はされたんですか?
いえ、しませんでした。私自身、抜歯しなくて済むならそのほうがいいと思っていたのですが、非抜歯で治療する場合、歯がきれいに収まるスペースをつくるために、奥歯を後ろに動かしたり、歯列全体を広げる治療をしなければならないんです。そのとき、広げすぎると咬み合わせの安定性に影響するらしいんですが、私の場合は、少し広げれば歯列が整うということで、非抜歯が選択されたようです。
その説明のときも、先生は「抜歯をしたらこうなる、抜歯しなかったらこうなる」と、両方のメリットとデメリットを話してくれたので納得できましたね。ちなみに、抜歯して前歯が引っ込むと老けてみえることもあるという話も先生から聞きました。歯を並べるだけじゃなくて、いろんな側面から考えてくれるんだなと思いましたね。
*矯正歯科治療では、よく噛める状態をつくるために、必要に応じて抜歯を行うことがあります。
――今、治療期間を振り返って思い出すことは?
歯が動くときの痛みや、食事の後に食べ物がワイヤーに絡まるといったことは当然ありましたけど、大きなトラブルは特になく、順調だったと思います。
何より、あごが楽な位置で噛めるようになったのがうれしかったですね。実際治療期間は数年かかるので、その間に装置が頬に当たって痛かったり、硬いものを食べたときに装置が外れてしまったりしたこともありましたが、すぐに応急処置をしてくれたので助かりました。また、スタッフの方には、難しい矯正中の歯の磨き方を指導していただいたことで、歯磨きがかなり上達したと思いますよ。快く対応してくださった先生やスタッフの方に感謝しています。
患者OGインタビュー――最後に、これから矯正治療を考えている人にアドバイスを!
私は治療を開始するのに時間がかかりましたが、もし思いとどまっている人がいたら、思い切って行動に移してほしいですね。その際には、ぜひ納得できるクリニック選びをしてほしいと思います。治療を終えた今、言えるのは、矯正治療を専門にされている先生なら、豊富な引き出しの中から自分に合った治療方法を提示してもらえると思うので、そういうクリニックを選んでいただきたい、ということです。あとは、メリットだけでなく、ある程度の治療期間が必要なことや痛みがあることなど、治療のデメリットもきちんと伝えてくれるところなら信頼できると思います。
それと、治療が始まると月に一度のペースで通院することになるので、先生の人柄も大事です。相談という形で矯正歯科に行っても、迷ったらその場で治療するかどうかを決めなくてもいいと思うので、必要に応じてセカンドオピニオンも取り入れながら、納得のいくところで治療するのがいいと思います。
患者OGインタビュー
治療後、キレイになった歯並び。がたつきがとれて、すっきり。咬み合わせも安定した。

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