2017.2.22,23 第44回日本臨床矯正歯科医会大会 千葉大会レポート

「成長期の不正咬合を考える-連携の新しい形-」をテーマに

公益社団法人・日本臨床矯正歯科医会(富永雪穂会長)は2月22・23日(水・木)の両日、千葉・ヒルトン成田にて第44回千葉大会(土屋俊夫大会長)を開催いたしました。本大会は「成長期の不正咬合を考える-連携の新しい形-」をメインテーマに土屋俊夫大会長、高橋洋樹実行委員長、佐藤國彦事務局長をはじめ千葉支部の先生方のご尽力により、474名の方にご参加いただき成功裡に閉幕しました。
 
また大会に併設して行われたエクスカーションには、成田山参道散策と護摩見学やディズニーランドホテルランチパーティなど千葉県ならではの企画に多数の参加があり、会員同士あるいは診療所間の懇親がはかられました。
それでは大会内容の一部をご紹介いたします。


【臨床セミナー】
「上顎前突の最適な治療開始時期はいつか?」という問いは、現在に至っても様々な検討がなされてきており、上顎骨の成長抑制や下顎骨の成長促進は矯正歯科臨床において有効な治療手段として認知されてきましたが、一方で有効でないとする意見もあります。
2014年には日本矯正歯科学会により、 「矯正歯科診療のガイドライン-上顎前突編-」が策定されており、矯正歯科治療に従事する者は「診療ガイドライン」が意味することとその運用法について正しく理解する必要があります。

千葉大会レポート稲毛滋自会員は、「骨格性上顎前突の早期治療について考える その1 -骨格性下顎遠心咬合の早期治療は有効か-」と題し、関係論文のレビュー、特に矯正歯科治療における randomized clinical trialの有効性に対する疑問を提起した Darendelilerによる2006年の論文についての解説と、昨年8月に行った『混合歯列期の下顎遠心咬合を伴うhigh angleでない骨格性上顎前突の患者』を課題症例とした会員アンケートから、治療開始時期等に関するアンケート結果を兼元廣明会員とともに発表されました。

千葉大会レポート末石研二先生(東京歯科大学歯科矯正学講座教授)には、「上顎前突の早期治療は有効か」と題し、日本矯正歯科学会のガイドラインの検討過程を含めた解説とその解釈の仕方を中心にご講演頂きました。また後半では実際の早期治療症例を多数ご提示いただきました。
 診療ガイドラインはより安全な医療を提供する上で重要な意味を持つものと考えられますが、多様な症型を有する矯正歯科分野では、それを診療の指針として実際の症例に直接適用することはできません。エビデンスだけでは無く、患者さん一人一人に対してナラティブに対応する必要性が高いと考えられました。


【シンポジウム】
「学校歯科健康診断、歯列・咬合・顎関節の事後措置における地域連携を考える」千葉支部シンポジウム実行委員会

千葉大会レポートコーディネーター 黒田敬之先生(東京医科歯科大学名誉教授) 
「最近の日本学校歯科医会の目指すところ」

日本学校歯科医会(以下、日学歯)での歯列・咬合・顎関節に関する健康診断がどのような歩みで今日を迎えているかについて簡単に次のような紹介がありました。昭和13年ごろにはすでに「口腔診査の御通知(但し歯列異常に就て)」が家庭へ配布されていたこと、昭和15年には、竹内嘉兵衛氏(校長)の考案による咀嚼訓練法なるものも発表されていたことなどについて触れられました。さらに、昭和58年頃より、口腔機能と不正咬合の問題を検討する委員会も設置され活動を始めたこと、当初は、新しい課題に対する日学歯内での受け止め方や、日本矯正歯科学会からの専門学会としての目線などから、必ずしもスムースな展開にはいたらなかったとのことでした。このような背景のもと、昭和62年には、歯列・咬合と口腔機能との関係の解説冊子の発行、平成7年には、学校歯科健康診断における歯列・咬合・顎関節の診査基準の導入、さらに昨年には発達段階に対応した診査基準の改訂も行われるまでに至ったことが紹介されました。
これら一連の歩みを踏まえ、歯列・咬合・顎関節の診査が、矯正歯科治療への薦めという視点ではなく、子どもたちの口腔の状態の把握と将来のQOLの向上についての教育的観点から、学校歯科医、養護教諭、地域歯科医療担当者との緊密な連携の必要性を強調され、このシンポジウムのねらいを評価されました。

千葉大会レポートパネリスト 中村道先生(高橋矯正歯科診療所所長)
「咀嚼機能の向上」

250~300μの微小粒子が2000個ほど入ったガム(ウェルカムガム)を用いて、一回咬む間につぶされる微小粒子の割合を咀嚼効率値として算定し咀嚼機能を評価します。年代別の咀嚼効率値は成人までは緩やかに上昇し、その後はほぼ一定となるが、最近の20~30代はやや低い傾向がみられます。咬合治療により不正咬合が改善すると咀嚼効率値は概ね上昇するが、一時期低下したり、上昇まで時間を要する症例もあります。咀嚼訓練を行うと咀嚼効率値は上昇し、さらに、姿勢を正して咀嚼訓練をした結果では数値がさらに上昇しました。
給食で定期的に咬み応えのある食材を咬む指導をしたり献立を工夫したりしている学校の学童は高い咀嚼効率値を示しました。学校教育は子供たちが一生、元気で健康に過ごすための準備、育成期間だから、生きることすなわち機能するための咀嚼の向上を目指した咬合の不正についての教育や指導、訓練、場合によって治療等の対応が大切だと思うとの講演がありました。さらに日本における矯正歯科治療は、その黎明期から形態だけを整えるのではなく、機能を重要視していたとのメッセージも示していただきました。

千葉大会レポートパネリスト 小縣雅子先生(千葉県印旛郡市養護教諭会会長)
「学校における歯科保健の未知なる分野」

現在の学校教諭は多忙を極めており、養護教諭も同様である。そのような中でも、学校での歯科保健の取組みは保健指導や健康教育の定番であり、齲歯の劇的減少という目に見える成果があるため、指導は定着したという思いがあったものの、歯列・咬合・顎関節については、健康診断の結果通知として各家庭に用紙を配布するが、相談があった場合でも「学校歯科医の指示です」という対応をするしかなく、学校の指導の手を離れた存在、すなわち保健指導をするという視点が全くありませんでした。しかし、これらを相談したい子供たちがいるのは事実であり、正しい医学的知識を持った上で、少しでも情報の提供や経過を追った指導ができるとしたら、そこで初めて、学校歯科健康診断での歯列・咬合・顎関節診査の実施意図を果たすと思うようになりました。子供たちの将来をみすえた健康教育という目標を軸として、養護教諭もさらに研修を積んでいかなければならないという思いをご講演いただきました。
今回のシンポジウムには90名の学校歯科関係者の参加があり、歯列咬合の診査において、歯列はdental arch(alignment of teethではない)、咬合はocclusion(occlusal relation of teethではない)であることを、講演の中でお示しいただきました。

千葉大会レポートパネリスト 坂本眞理子先生(前渋谷区歯科医師会会長)
「渋谷区における地域連携をふまえた組織づくり」

現在の渋谷区歯科医師会は、平成24年に公益社団法人に移行する際、別組織の学校歯科医会を統合した受託事業の協力医数が約180名の組織であり、会内組織の学校歯科医会は、小中部、幼保部という構成により学校保健を担う体制になり、任期制を導入し、広く会員から協力医を募る募集制としました。学校歯科医と園歯科医の働きを本会が把握・管理し、かかりつけ歯科医による健診の結果の理解につとめ、協力医全体会等の定期開催により学校歯科医と地域の先生方の連携が取りやすい組織機構にしました。
学校での顎関節や歯列・咬合に関する講演は矯正専門歯科医に依頼し、健診マニュアルの中で基準の統一に参画を求めています。園医・学校歯科医には、健診結果が矯正歯科治療の絶対的な必要性を示唆しないという説明をし、保育園・幼稚園・学校との十分なコミュニケーションをとり、指しゃぶりや悪習癖などの保育士・養護教諭の先生からの情報も参考の上、保護者向け説明用パンフレットを作成しています。現在は、保健所において、年に2回矯正専門歯科医による歯科相談日を設けて無料で相談ができるシステムになっているという講演をいただきました。渋谷区の具体的な資料等を会員の地元での今後の活動の参考にさせていただきたいと思っています。


<コーディネーターによる総括・まとめ>
パネリストの講演、フロアからの追加発言等で予定終了時間を超過したため、十分な時間のない中で、黒田先生は、矯正歯科医の立場で日学歯の活動を開始されて以来、ようやくこのように養護教諭・学校歯科医(一般歯科医も矯正専門医も)が一同に会して互いに理解し合うepoch-makingな機会が得られたことへの関係各位の努力に対する感謝と、今後、学校歯科医が教育の視点での活動を軸とし、養護教諭ほかの児童・生徒を取り巻く関係者と同じ視点で情報を共有し、お互いを尊重し密にコミュニケーションをとりながら、子供たちのQOL向上のための活動をつづけることへの期待とエールとで、シンポジウムを締めくくられました。
千葉大会レポート


【招待講演】

千葉大会レポート「Move teeth beyond boundary」
Dr. Wen-Chung Chang(Taiwan Association of Orthodontists学術理事)

両顎前突の治療に関して、以前は小臼歯を抜歯してただ単に前歯を牽引していたが、前歯をアップライトしすぎた過去の症例には満足できないとして、口唇の突出パターンをClass I, II, IIIと3タイプに分類し、それぞれに応じた対応が必要であると講演を始められました。

お話は1) Classification of the dental protrusion, 2) Different types of tooth movement, 3) Move teeth beyond boundary, 4) Solution from the related article, 5) My clinical trialという内容で進められました。前歯歯軸と歯槽骨形態に応じて、傾斜移動と歯体移動を考慮して移動することが重要であり、移動方法によって歯槽骨の添加量に差があることを過去の文献(Alexander D. V. 1998)を引用して説明されました。
歯科矯正用アンカースクリューの使用によって、歯の移動のコントロールがより自在になった今日、より高いゴールを目指すことが可能になったが、歯槽骨の添加には限界があり、その解決方法として、骨補填材を用いて骨の裂開が生じた場所に骨の造成を図ることで、borderを超えて歯を移動できるとご紹介いただきました。上下前歯の歯軸のコントロールを確実に行った結果、良好なプロファイルの改善が得られた症例を数多く見せていただき、得るところの多いご講演でした。

千葉大会レポート「Achieving better esthetic results in bimaxillary protrusion treatment」
Dr. Jae-Man Hyun (元Korean Society of Orthodontists会長、現Korean Association of Orthodontists副会長)

今年でJpAO大会参加3回目となるHyun先生のご講演は奇しくもChang先生と同じく、アジア人に多い両顎前突への対応がテーマでした。お話は1)どのように両顎前突症例において美しいプロファイルを獲得するか、2)カムフラージュ治療ではどのようなファクターについて考えるか、3)外科的矯正治療ではどうか、4)さらに追加できるものは?という内容でお話しくださいました。歯槽性の場合の矯正歯科治療での対応、骨格性の場合の外科的な対応、その他の前突の場合の対応について、患者の主訴を理解し、データを分析し、口腔外科医と現実的に可能かどうかを検討して、最終決定するとご説明くださいました。2 jaw surgery + Anterior Segmented Osteotomy、 2 jaw surgery + 回転、2 jaw のtotal set-backなどのさまざまな術式だけでなく、頬骨やオトガイ、下顎骨の顎角部の形態修正などについてもご説明いただきました。そして、それらを駆使した治療結果をご紹介いただき、会員は大きな刺激を受けたようでした。


【会員アンコール発表】

千葉大会レポート池森由幸会員(東海支部)

小下顎症の矯正歯科治療で上下顎同時移動術を併用し、形態と重度の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が改善された症例の報告でした。
〔症例〕初診時22歳の女性、小下顎症(ピエールロバン症候群)、口蓋裂術後、重度叢生、矯正歯科治療既往あり。
〔治療経過〕上下顎のレベリング後に、連携医療機関の口腔外科・形成外科にて、上顎骨をLe FortⅠ型骨切り術で上前方へ移動、下顎骨はSSROにて下顎骨体部の反時計回転を伴う前方移動をさせて咬合を改善し、オトガイ部も2段階で前方に移動させた。手術前後のセファロ分析所見では咽頭後部前後径に変化を認めなかったもののOSAは著しく改善した。手術前後の終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG検査)では、手術前は中等度のOSAと診断されたが、手術後では著しく改善され、保定4年後のOSA簡易検査でも良好な数値を維持している。
〔考察とまとめ〕小下顎症の場合、下顎骨を前方に移動させて咬合と顔面形態の改善を図るので、咽頭口部においても、形態的にOSA改善に寄与すると思われる。しかしながら、このような場合でも側面頭部X線規格写真による咽頭口部の前後径や、CTによる気道体積に変化を認めないことがある。OSAに関しては、終夜のSpO2値測定、低呼吸、無呼吸を調べることができるPSG検査、簡易検査等の機能分析でのみ評価されるべきである。

千葉大会レポート堀内敦彦会員(甲信越支部)

咬合が崩壊し治療後の安定が不安視された症例に対し、診断の段階からその原因を探ることで審美的、機能的に安定の得られた症例の報告でした。
〔症例〕初診時年齢32歳の女性で、主訴は下顎前歯の叢生であったが、口腔内は処置歯が多く、上顎右側犬歯が欠損し上下顎歯列弓は非対称、上顎歯列正中線は右側へ、下顎歯列正中線は左側へ偏位、下顎臼歯部の舌側傾斜、小臼歯部の叢生と逆被蓋が認められ、右側前歯部は舌側傾斜、左側前歯部は逆被蓋、頭蓋底、上顎骨の前後的劣成長、TMJの前方位によるHigh angle を伴うSkeletal Class Ⅲ症例。
〔治療経過〕上顎歯列弓の非対称改善のために左側第二小臼歯の抜去、下顎歯列弓の叢生改善のために左右側第一小臼歯の抜去を行った。High angle case であることより、垂直的なコントロールに留意して治療を行った。動的治療期間は2年5か月であった。
〔結果〕上下顎歯列弓は対称性のある良好な形態となり、前歯部の被蓋は改善され、上下顎歯列正中線も一致した。側貌および正貌にも改善が認められ、スマイルも良好であった。動的治療終了後、10年5か月を経過し良好な状態が維持され、非常によく安定している。

千葉大会レポート府川彰久会員(静岡支部)

下顎前歯に咬合性外傷の見られた重篤な過蓋咬合のtwo incisors 症例で、咬合挙上に苦慮された報告でした。
〔症例〕初診時年齢は10歳9か月の女性で、下顎左右側切歯の先天性欠如を伴う著しい過蓋咬合のAngle Class Ⅱ Division 2の症例。上下顎前歯が著しく舌側傾斜していた。
〔治療経過〕上顎前歯部の唇側移動を先行して行い、その後咬合挙上のためバイトプレートを装着、上下顎前歯の機能的障害を解消しつつ、下顎前歯の直立と圧下をはかり、咬合が挙上された後に上顎左右側第一小臼歯を抜去して上顎前歯ならびに上顎歯列の遠心移動を行い、歯列・咬合の再構成をはかった。動的治療期間は5年0か月。 
〔結果〕上下顎の歯槽骨に垂直的な成長がみられ、咬合が挙上された。咬合挙上により、安定した咬合が得られた。動的治療後9年位までは、比較的下顎前歯の舌側傾斜は小さかったが、18年が経過し、下顎第三大臼歯が抜去されると下顎前歯は舌側に倒れてきた。


《スタッフプログラム1》

千葉大会レポート「身体からアプローチするカウンセリング心理学」
真織由季氏(BTU.バランスセラピーuniversal武蔵小杉教室室長ストレスケアカウンセラー、元宝塚歌劇団)

脳疲労(ストレス)を筋肉から脳にアプローチして解消、脳を再活性させやる気や自信を再構築し健康を取り戻すと、問題とともにいきいきと生きることが可能になり、本来のその方の自己資産を100パーセント開花させます。心の熟達を心だけで頑張るのではなく、体の力と脳の力を最大限に活かすということが身体からアプローチするカウンセリング心理学。健康な心はまず、健康な身体から育まれるもの。そして60年前にハンスセリエが日本に「ストレス学説」を提唱した時の言葉通り「ストレスは幸福をもたらす原理である」ことを知っていることも重要とご講演されました。
いくつかの全体ワークも行ないながら、充実した楽しいあっという間の90分間でした。最後に、『希望のうた』を披露して下さり、一緒に唄うララララララ・・・♪で会場がひとつになり大きな笑顔で包まれました。


《スタッフプログラム2》

千葉大会レポート「審美的要求の高い患者に対する当院の試み-美しいスマイルのために-」
斎藤絵里子(はしば矯正歯科)

矯正歯科治療を希望する成人患者の多くはインターネットで様々な情報を得て来院するため、要求は具体的になり高度化しています。患者の年齢層がひろがり舌側矯正治療を選択する患者も増えています。そこで矯正歯科治療の一環として、口腔筋機能療法・スマイルトレーニングに加えホワイトニング治療を行うことで、審美的に優れた顔貌(facial esthetic)の獲得、そして患者がより満足のいく美しいスマイルを目指しています。
発表では舌側矯正歯科治療中に行うホワイトニング治療のメリットやデメリット、そして矯正歯科治療期間にホワイトニングを同時進行させる場合の患者側への配慮、治療のプロセスなどをご紹介いただきました。

千葉大会レポート「矯正歯科スタッフが知っておきたいMFT(口腔筋機能療法)」
橋本律子(大野矯正歯科)

歯科衛生士学校で使用されている最新の歯科矯正学の教科書には MFT の章が追加されており、歯科衛生士を目指す最近の学生は学生時代にMFTを学ぶ機会があります。口腔機能への関心が高まる中、小児の口腔機能育成から高齢者の口腔機能の向上維持などにMFTの一部が活用されており、口腔機能訓練が歯科衛生士の新たな役割として注目されています。特に矯正歯科医院に勤務するスタッフにとって口腔機能や口腔習癖の知識は必要不可欠です。
発表では自院におけるMFTの基本システムや指導の進め方についてご紹介いただきました。

千葉大会レポート「矯正歯科医院におけるプロフェッショナルクリーニングシステム」
佐藤朱美(岡下矯正歯科 非常勤歯科衛生士)

プラークコントロールおよび口腔内の清掃は、円滑な矯正歯科治療の進行に不可欠であり、ブラケット装着前、ブラケット装着後、ブラケット撤去時の歯面清掃に異なる対応が必要になります。
今回の発表では自院で行なっている矯正歯科治療におけるプロフェッショナルクリーニング(歯肉マッサージ・舌クリーニング)の一連の流れについて、口腔内の状況に応じたインスツルメント、材料をどのように選択、使用するのか動画を交えてお話いただきました。


《スタッフプログラム3》

千葉大会レポート「成長期の子供たちを健やかに育てるために私たちができること-その子供本来のカタチに近づけるために-」
小川晴也会員(中四国支部)
 
不正咬合の発症には、成長期における様々な習癖、態癖が関与し、それらを早く発見し癖を取り除くことによって患者本来の成長パターンに戻すことができ、矯正装置を使用することなく治癒させることが可能です。習癖除去のためには、患者自身の「本来の自分自身の形態に近づけたい」という気持ちを引き出すことが大切で、いかに患者を感動させ、やる気を起こさせるかが重要となります。具体的には、1)出生直後からの睡眠態癖に対する啓発 2)離乳食に引き続く正しい幼児食の与え方と正しい嚥下運動の獲得 3)幼児期以降の正しい姿勢と鼻呼吸の必要性 4)小児期以降の態癖および口腔周囲の悪習癖、これら時系列における啓発が大切です。
ご講演では、スタッフ全員での取り組みと、実際の治癒例を、多くのスライドを使用しながら軽妙洒脱、かつ情熱的にご紹介いただきました。


《スタッフプログラム4》
-スタッフ・ラウンドテーブル・ディスカッション-

昨年の長野大会に引き続き、今年も診療所スタッフによるラウンドテーブルディスカッションが開催されました。
会場が大きいこともあり今回は7つのテーマで19のテーブルに別れ、総勢190名ほどが参加し、活気あふれるディスカッションが行われました。どのテーブルも熱心に聞き入るスタッフの姿が印象的で、有意義な時間になったと思います。
以下は各テーブルのテーマとそのモデレーターです。

☆TC
1)『初診カウンセリングでのトリートメントコーディネーター(TC)の役割』中谷藍(岡下矯正歯科)
2)『当院がトリートメントコーディネーターを導入した理由。~これから導入しようとお考えの皆様へ~』永井佑奈(かわぐち矯正歯科)
☆MFT
3)『スマイルトレーニングを含めたMFTの導入方法』山本舞子(ふなき矯正歯科)
4)『Visual feedback効果を用いた口蓋への舌の位置について』山地加奈(こうざと矯正歯科クリニック)
5)『口腔筋機能療法(MFT)のここが知りたい-Q&A-』石野由美子(二子玉川ガーデン矯正歯科)
☆チームワーク
6)『新人教育のポイント』堂園葉月(木下矯正歯科)
☆技工
7)『床矯正装置の製作方法-基本構造とその応用-』更科綾( たけうち矯正歯科クリニック)
8)『矯正歯科における院内技工士の役割』山本孝教(岡下矯正歯科)
☆口腔衛生
9)『矯正治療中の口腔ケア-患者のモチベーションアップの秘訣-』清水成美(銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック
10)『年齢や症例別の歯ブラシ選び』常吉いすず(のぶしま矯正歯科)
☆その他
11)『ブラケット除去後の歯面のボンディング材除去について』岩崎のぞみ(アルファ矯正歯科クリニック)
12)『上手な印象の取り方・写真の撮り方、みなさんはどんな工夫をしていますか?』大神田美紀(ドモン矯正歯科)
13)『処置中に患者さんに苦痛を与えている行為とその対策』川上沙耶華(のむら矯正歯科)
14)『広げよう新人歯科衛生士の輪』金高由香(のむら矯正歯科)
15)『患者さんの安全確保は大丈夫ですか?-医院の感染対策を見直そう-』片山章子(銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック
16)『チーム力のあるスタッフを目指そう!!』丸岡恭子(三田矯正歯科医院)
☆コミュニケーション
17)『トラブル防止を目的とした「情報収集・共有」のシステム化』石川陽子(木下矯正歯科)
18)『患者様へのホスピタリティーとコミュニケーションについて』藤内悠起子(表参道高柳矯正歯科)
19)『成長期の子どもたちを健やかに育てるために私たちができること』小林純子(小川矯正歯科)


【ブレース スマイルコンテスト表彰式】

大会初日の2月22日(水)、第12回ブレーススマイルコンテスト(共催;日本歯科矯正器材協議会)の表彰式が行われました。
今回は「ただいま矯正治療中!とっておきの笑顔」をテーマに、全国の3歳から54歳までの幅広い年齢層から310作品と多くの応募があり、厳正な審査の結果「最優秀賞」に熊本県在住の掛須悠由さんの『地震なんかに負けないぞ』、「優秀賞」には小木戸胡春さん(広島県在住)、飯伏莉沙さん(大阪府在住)の2作品が、「千葉大会賞」には村上のの子さん(千葉県在住)が選ばれました。
今年の表彰式は期末試験の時期に開催されたため、表彰式に参加できなかった受賞者からのビデオレターが会場で放映され、会場での登壇では見ることが出来なかったであろう受賞者の生き生きとした表情が映し出されました。表彰式では各賞の作品・コメントの紹介に続いて表彰と各受賞者へのインタビューが行われ、受賞者の素晴らしい笑顔に会場から大きな拍手が贈られました。
現在『ブレーススマイルコンテスト』は日本のみならず韓国、台湾で行われており、今後さらにシンガポールでも行われる予定です。

千葉大会レポート

ブレーススマイルコンテストの受賞者、その家族、それぞれの主治医、海外からの招待者を囲んでの記念撮影
(文責:日本臨床矯正歯科医会・大会運営委員会・広報委員会)


公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会「平成29年度6月例会」ご案内
公益社団法人日本臨床矯正歯科医会の平成29年度6月例会が平成29年6月7・8日(水・木)の2日間にわたり、メルパルク大阪(大阪市淀川区宮原4-2-1)にて開催されます。
お問い合わせは、口腔保健協会までお願いいたします。
●口腔保健協会・学会部内
日本臨床矯正歯科医会事務局 Tel:03-3947-8891/Fax:03-3947-8341

●公益社団法人 日本矯正歯科医会 入会のお誘い (http://www.jpao.jp)
日本臨床矯正歯科医会は、1973年に設立された歴史ある矯正歯科専門開業医の会で、より多くの人たちに、健康な歯、美しい笑顔を獲得していただけるよう、さまざまな活動を行っております。本誌にてご報告しました矯正治療中の患者さんのフォトコンテスト「ブレーススマイルコンテスト」も、その一環で、矯正歯科治療の認知度向上と患者さんに自信を持って治療に臨んでいただける環境作りを続けてきました。
テレビ、週刊誌、インターネットにおいて、玉石混交の情報が多く氾濫し、安易な治療法が次々と紹介される現在、矯正歯科治療に対する正しい理解を一般に広めることが急務であると思われます。こういう時期であるからこそ、矯正専門開業医が力を合わせて直面する問題点を解決し、矯正歯科治療を通して社会にますます貢献することが必要であると考えられます。
未入会の先生方には、是非ともご入会いただけますようご案内申し上げます。ご入会に関してのお問い合わせにつきましては、(一財)口腔保健協会・学会部内の本会事務局(Tel:03-3947-8891、担当澤辺)まで御願いいたします。

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