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大人の犬歯が正しく生えない場合があるのは、なぜ? ■あごの動きを正常に保つのが犬歯の役割 最初に、歯の役割についてご紹介しましょう。 歯には大きく分けて、前歯にあたる「切歯(せっし)」と、奥歯にあたる「臼歯(きゅうし)」、そしてその中間にある「犬歯(けんし)」の3種類があります。それぞれの歯には役割があり、その役割に適したカタチをしています。 例えば、食事をするときものを噛み切ったり、発音をよくしたりするのが平たいカタチをした切歯。そして、切歯で噛み切った食べものをすりつぶしたり、細かくしたりするのが厚みのある臼歯。 そんな切歯と臼歯の間にある犬歯はひし形のようなカタチをしていて、食べものを切り裂く「牙」に相当します。そのため、すべての歯の中で根っこ(歯根)がいちばん長く、強度があり、切歯・臼歯に比べて最後まで残存しやすいといわれているのです。また、犬歯は咬み合わせの位置を保ち、あごの動きを正常に行うという大切な役割も担っています。 乳歯から永久歯に生えかわり始めるのは、平均すると6歳~12歳。歯が生える順番や時期には個人差があるため一概にはいえませんが、上あごの場合、最初に乳切歯が抜け、次に乳臼歯、最後に乳犬歯が抜けることが一般的です。 それに対応する永久歯は、最初に六歳臼歯といわれる大臼歯が生え、次いで切歯、そして小臼歯、最後に犬歯が生えて、大人の歯列が完成します。 ●乳歯の名前と生えかわる時期の目安
●永久歯の名前と生えかわる時期の目安
このうち上あごの犬歯が生えてくるのは、年齢でいうと10~12歳頃が一般的。ほかの歯が生えた後、高い位置から顔を出す犬歯は、生えきるまでの移動距離が長いため、通常、先に生えている側切歯の歯根(歯の根っこ)の縁を沿うようにして降りてくると考えられています。
しかし、最近ではそんな犬歯が正しい位置に生えない子どもが増えていというのです。
いったい、なぜでしょうか。
■あごが細く歯が大きい現代っ子は、犬歯が正しく生えにくい!
新潟大学の小児歯科のグループは、上あごの犬歯が正しい位置に生えない割合は、中切歯の39%に次いで約15%を占めると報告しています。
その理由は、最近の子どもたちは昔に比べて頭が小さく、あごの幅も狭いのに対して、歯の幅が大きくなっているため。要は、食生活などの変化に伴ってあごが細くなり、永久歯が生える十分なスペースがなくなったことで、最後に生えてくる上あごの犬歯が行き場を失い、萌出障害(正しい位置に生えないこと)を起こすというわけです。
先ほど書いたとおり、犬歯は咬み合わせを安定させる要となる歯。その犬歯が正しい位置に生えないと、臼歯に対する力のコントロールができないため、長期的にみて臼歯の咬み合わせに負担がかかったり、歯列を乱したりする原因となります。
また、切歯から犬歯までは微笑んだときにも目立つため、ゆがみなどがあると審美的にもよくありません。
それだけではなく、上あごの犬歯の萌出障害は、口の中の健康にさらに大きなリスクをもたらすことにもなるのです。
★次のページでは、犬歯がうまく生えないことのリスクについてご紹介!
