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一方、矯正歯科専門医院とは、専門知識と診療技術を有する歯科医が矯正歯科治療だけを行っている診療所のこと。これらの専門医院には矯正歯科治療に特化している歯科医がいて、一人ひとり異なる咬み合わせの状態に適した治療法を選択できることから、症例数は矯正歯科治療を行う一般歯科医院より10倍ほど多いといわれています。
東京都内で開業する矯正歯科専門医院の院長、三村 博先生は、両者の違いについて次のように話します。「ひとつには、治療を担当する矯正歯科医が常勤か非常勤かの違いがあります。矯正治療に特化した歯科医院は、基本的に矯正歯科医が常勤しています。つまり、同じ担当医による一貫した治療が受けられるということです。一方、大学病院などから決まった日時にだけ矯正歯科医が来る場合は、治療日数が限られており、治療の途中で担当医が変わったり、緊急時の対応ができなかったりすることもあり得ますね」 また、診療する環境にも違いがあると指摘します。 「常勤の矯正歯科医がいる診療所だと、画像診断ができる撮影機器などの環境や設備が整っていますが、矯正治療を専門としない医院の場合は、矯正用機器など治療に不可欠な設備が十分に整っていないケースもあるのです」 ■セファログラムを撮影する検査があるかどうか 三村先生がいう「矯正歯科治療に不可欠な診断機器」の代表的なものが「セファログラム(頭部X線規格写真)撮影装置」です。
セファログラム撮影装置(左)と、撮影された頭部のX線規格写真。
セファログラムとは、世界中で共通した撮影方法で、顔面と頭部のX線写真の撮影画像から、分析・診断を正しく下すために必要なもの。上下のあごの大きさとそのズレ、あごのかたち、歯の傾斜角度、口もとのバランスなどが、この撮影からわかります。
「この検査をせずに治療を始めることは、たとえるなら海図も見ずに船を出すのと同じこと。我々、矯正歯科医にとって、セファロ分析なくして本格的な矯正科療を開始することは絶対にありません」
三村先生がそう断言するように、矯正歯科専門医院ではセファログラムを治療前・治療後と経時的に撮影することで骨格の成長の方向や量、歯の移動距離などを把握し、客観的な根拠にもとづいた治療につなげているのです。
「治療前には、セファロ分析の結果をまとめたポリゴン表(A)やプロフィログラム(B)といわれるものも見て、診断の一助にしていきます。治療後に、再度これらを分析(C)して、歯がどのように動いたか、顎骨の変化がどうだったかなどを把握したりして治療の評価を行うこともありますよ」
矯正歯科専門医院では、こうした分析結果を直接患者さんに提示しながら、これからどのように治療していくか、また治療によって歯やあごがどのように変化したかを説明していくのだといいます。
「分析の結果を患者さんに丁寧に説明するのは、治療法に納得していただきたいからです。例えば、同じ受け口の治療でも、下あごを後方へ動かすのか、上あごを前方に動かすのか、あるいはその両方が必要となるのかは人によって違ってきます。つまり、受け口といっても治療法は同じではないのです」
適した治療を行うために欠かせないのがセファログラムだとすれば、この撮影を検査に用いて、その分析結果を診断に生かしているかどうかが、その歯科医院の矯正歯科治療への"本気度"を見分けるポイントといえそうです。
このほかにも、矯正歯科専門医院では専用機器を用いたさまざまな精密検査と分析を重視しています。くわしくはトレンドウォッチvol.13をご覧ください。★次のページでは、〈矯正歯科専門医院のスタッフの声Part1〉をご紹介!