"よく噛める"には理由があります

よく噛める"には理由があります

■よい歯並びと咬み合わせの5つの基準
では、一体どのような歯並び・咬み合わせであれば、食べものをしっかり噛むことができるのでしょうか?
その特徴は、次の5つです。

1)おおらかなU字型の歯並び
2)上下の歯並びの中心線が一致している
3)前歯でサンドイッチや麺類がすっと噛み切れる
4)上の1本の歯が下の2本の歯の間に噛み込む(下の1本の歯が上の2本の歯の間に噛み込む)
5)サイコロ状の肉を左右の奥歯でしっかり噛める

具体的に見ていきましょう。

●おおらかなU字型の歯並び
日本人はアジア人の中でも歯が比較的大きく、その大きな歯に適した歯列がU字型です。上あごや下あごを口の中から見たとき、前歯の飛び出しや奥歯の倒れこみなどなく、きれいなU字を描いているのがよい歯列です。

●上下の歯並びの中心線が一致している
上下それぞれの前歯の中心線を「正中線」といいます。これが上下でほぼ一直線になっていて歯の正中線が顔の中心線上にきていることが大切です。

●前歯でサンドイッチや麺類がすっと噛み切れる
ものを噛み切るという前歯の役割を果たすには、歯を自然に咬み合わせたとき、上の前歯が下の前歯に、水平・垂直方向で約2ミリずつかぶさっているのが基本です。

●上の1本の歯が下の2本の歯の間に噛み込む(下の1本の歯が上の2本の歯の間に噛み込む)
左右両側の犬歯から奥の歯が、上あごの歯1本に対して、下あごの歯2本の割合でバランスよく咬み合っている状態が「一歯対二歯(いっし・たい・にし)の咬み合わせ」です。このとき、上下左右の奥歯が隙間なくしっかり咬み合っていることがポイントです。

●サイコロ状の肉を左右の奥歯でしっかり噛める
左右の奥歯でものが噛めるということは、食べ物をすりつぶすという本来の働きができているということです。逆に左右どちらか片方でだけ噛んでいると噛まない側の自浄作用が失われ、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。

■では、よくない歯並びとは?
よい歯並びの基準とともに、正しく咬み合わせることができない歯並びについても知っておきたいもの。歯科医学的には、それを「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます。

不正咬合になる原因は、あごや歯の大きさといった遺伝的なものと、悪習慣などによる後天的なものとに分けられます。こうしたよくない状態をそのままにしておくと、機能面での問題が起こりやすいだけでなく、笑顔に自信がもてなかったり、歯に対するコンプレックスから人間関係でも消極的になりがちです。また、発音が不明瞭になりやすいほか、歯をしっかり食いしばることができないために、運動能力の低下にもつながるとされています。

なお、不正咬合の状態や程度は人それぞれで、なかには出っ歯で歯がデコボコしているなど、複数の問題を抱えていることも少なくありません。

以下に、その代表例をご紹介しましょう。

前後的な問題
●デコボコ(叢生)
文字通り、歯がデコボコに生えたり、歯の生え方が不ぞろいだったりする状態。あごが小さい現代人に多い不正咬合。八重歯もその一種です。


●受け口(下顎前突)
咬み合わせたとき、下の前歯が上の前歯より、連続して3本以上前側にある咬み合わせ。上の歯のかぶさりがないため、下の歯の先端から根もとまですべて見えます。


●出っ歯(上顎前突)
上の前歯や上あごそのものが前方に出て、下あごが後退している状態。あごの骨に問題がある場合と、歯だけが前に出ている場合とがあります。

左右的な問題
●交叉咬合
通常、上の歯は下の歯を覆っていますが、それが逆になっている咬み合わせ。奥歯に交叉咬合があると、正中線も一緒にずれていることがよくあります。


●すきっ歯(空隙歯列)
歯と歯の間が空いている状態。歯そのものが小さかったり、歯に対してあごが大きいことなどが原因で起こりますまた、歯があごの骨の中に埋まって出てこない「埋伏歯(まいふくし)」や、もともと歯の本数が足りない「先天性欠如歯」があることで起こる場合もあります。

上下的な問題
●過蓋咬合
「かがいこうごう」と読みます。これは上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている咬み合わせのこと。なかには、下の前歯が上の前歯に隠れてしまって見えないケースもあります。


●開咬
「かいこう」と読みます。これは奥歯をしっかり咬み合わせたとき、上下の前歯が咬み合わず、隙間ができてしまう状態。そのため歯ぐきが乾きやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、咬み合う歯が少ないため、顎関節症が発生しやすくなります。

■やってみよう! 歯並びと咬み合わせのセルフチェック
歯並びのよしあしを見極めるポイントをおさえれば、自分でもある程度の確認は可能です。鏡を見ながら、ご自分や家族の歯並びをチェックしてみましょう。そして、セルフチェックに当てはまる箇所が気になるようなら、臆せず矯正歯科の専門開業医のもとを訪ねてください。

★次のページでは、矯正歯科治療で噛めるようになった2つのケースをご紹介!

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