2015年4月30日

ご存じですか?10人に1人の子どもに"足りない歯"があるってこと

10人に1人の子どもに足りない歯があるってこと 10人に1人の子どもに足りない歯があるってこと

■本来あるべき永久歯のない子が増えている

 3歳くらいで完成するといわれる乳歯の歯並び。乳歯がすべて生えそろうと、口の中には20本の歯が並ぶことになります。それが6歳から12歳くらいにかけてあごの成長とともに永久歯へと生えかわり、親知らずを除くと28本の歯並びに。永久歯に生えかわるスピードには個人差があるため、人より1~2年遅くても早くても心配無用ですが、乳歯がいつまでも残っている場合は注意が必要です。

●歯の並び方と名称
乳歯列

永久歯列

 というのも乳歯は、あごの骨の中で育ってくる永久歯の歯胚(しはい/永久歯の芽)に押されるかたちで歯の根が吸収されて短くなり、やがて抜け落ちるため。つまり、いつまでも乳歯が残っているということは、乳歯の下に本来あるべき永久歯がない可能性があるわけです。このように、永久歯が生まれながらにない場合を「先天性欠如」といいます。

ヨーロッパ矯正歯科学会が2006年に調べたところ、この先天性欠如は近年増加傾向にあるという結果が出ています。

■前から2番目・5番目の永久歯が足りないケースが多い

 では、どのくらいの子どもに先天性欠如があるのでしょうか。

 日本小児歯科学会が2007~2008年にかけて行った全国調査「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」をみると、歯科を受診した7歳以上の子ども1万5,544人(男子7,502名、女子8,042名)のうち、乳歯の先天性欠如があったのは75人(0.5%)、永久歯の先天性欠如があったのは1,568人(10.1%)となっています。

 また、永久歯の先天性欠如は男子(9.1%)より女子(11.0%)がわずかに多く、上あごだけに欠如がある場合は2.5%、下あごだけにある場合は5.7%、上下のあご両方にある場合は1.9%。歯の種類別では、前から5番目(第2小臼歯)と前から2番目(側切歯)の欠如が多いという結果が出ています。

■放置すると歯並びが崩れる要因に

 永久歯が先天的に欠如していると、大人になっても永久歯が生えるべき場所に乳歯が残ったままになります。
乳歯が残っても、咬み合わせとして機能する分には問題ありませんが、乳歯は永久歯よりエナメル質や象牙質が薄く、歯の根も短いため、残念ながらあまり長持ちはせず、二十歳前後で抜けてしまうことも少なくありません。

 そして、抜けた後そのままにしていると、周辺の歯が動いたり倒れこんだりして、歯並びや咬み合わせを崩す要因となってしまうのです。それだけでなく、あごの成長に悪影響を与えたり、顎関節症などにつながったりする可能性も。また、前歯の隙間や乳歯の見た目を気にして社会生活に消極的になるなど、心理面での影響も見逃せません。

 先天性欠如歯の本数は、1~2本のことが多いものの、まれに10本以上欠如する場合もあります。そうなる原因として遺伝や全身疾患、薬の副作用などが影響しているのではないかと考えられていますが、現状でははっきり解明されていません。

永久歯の先天性欠如の歯数ごとの発生者数

 さて、あなたのお子さんの歯は大丈夫でしょうか? この機会に、ぜひチェックしてみましょう。

★次のページでは、先天性欠如の有無を見分ける方法と、その後の対処法などについてご紹介!

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ご存じですか?10人に1人の子どもに"足りない歯"があるってこと

歯の数が足りない! そんなときは?

■まずは7歳までにパノラマエックス線写真で確認を

 国内最大の矯正歯科専門開業医の団体である公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)では、永久歯の先天性欠如の有無を確認するための方法として、7歳までに歯科医院(一般歯科、矯正歯科)を受診し、あごの骨全体を撮影できるパノラマエックス線写真(口の中全体を1枚のエックス線写真で撮影する方法)で確認するよう提案しています。

パノラマエックス線写真

 一般的に、子どもに対するパノラマエックス線写真は健康保険の対象外となることが多く、その場合、撮影するには3,000~5,000円ほど費用がかかりますが、これを撮ることで生えかわりが順調に進んでいるか、あごの骨の中に異常がないかなど、口の中全体の歯や骨の状態がわかり、お子さんの歯の生えかわりを予測・観察しながら歯を健康に保つのに役立ちます。

パノラマエックス線写真

 もし、先天性欠如が見つかったら、歯科医院で治療に関する長期的な治療計画(対処法)を立ててもらいましょう。
考えられる計画としては、将来、矯正歯科治療で永久歯のない部分のスペースを閉じてしまう、乳歯をできるだけ長く使った後にブリッジやインプラントで永久歯のない部分を補う、あるいは両方をミックスする場合もあるでしょう。

 また、治療計画と同時に、治療を行う最適な時期やその時期までの注意事項も、歯科の先生から教えてもらうことをおすすめします。
そのうえで、残っている乳歯を永久歯の代わりの歯として大切に使いながら、歯並びや咬み合わせに問題が生じないように管理を続けることが大切です。


    残っている乳歯をできるだけ長持ちさせる
    永久歯と比べて乳歯は、いったんむし歯になると進行しやすく、また歯の根も短いため、できるだけ長持ちさせるためには歯科医院で定期的にケアを受けることが大切です。

    矯正歯科治療を行い、咬み合わせを安定させる
    生えるべき永久歯がすべて生えたら、矯正歯科治療を受けて歯と歯の間のスペースを閉じ、よくかめる安定した咬み合わせをつくります。
    また、残った乳歯を抜いて、そのスペースを矯正歯科治療で閉じてしまうこともあります。

    矯正歯科治療+補綴歯科治療で咬み合わせを安定させる
    乳歯がダメになったら、矯正歯科治療や補綴歯科治療(ほてつ/歯の代わりに人工の歯をつくって入れる治療)などを行い、咬み合わせを安定させることもできます。

    ※対処方法は年齢や歯の状態によって変わります。

■6本以上の先天性欠如なら、矯正歯科治療が保険適用に

 矯正歯科治療とは、歯の位置やあごの骨を、ある程度の時間かけてゆっくりと変化させ、乱ぐい歯や受け口、上顎前突といった問題のある歯並びを治し、よくかめる、安定した咬み合わせをつくるものです。

 この治療は一般的に自費診療ですが、実は、厚生労働省が定めた特定の症状に限って健康保険が適用されます。従来、口唇口蓋裂などの先天性異常と顎変形症のみが健康保険適用の対象でしたが、2年前の2013年度から、6本以上の先天性欠如歯がある場合、「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)」の指定を受けている矯正歯科診療所あるいは病院での治療に限って、健康保険が適用されるようになりました。

 6本以上の先天性欠如が健康保険の適用になったことで、これまで費用が高くて治療できずにいた人にとって、矯正歯科治療がぐっと身近になったわけです。

 該当する診療所は、以下より探すことができます。
★矯正歯科を探すならここをチェック!

■先天性欠如の治療例を見てみよう

 では、実際に先天性欠如を矯正歯科治療で治したケースを見てみましょう。

Case1

下の左5番(第2小臼歯)の永久歯1本が先天性欠如だった11歳のAさん(女性)。FKOという装置を併用して、下の左6番(第1大臼歯)のみを移動させ、空いたスペースを閉じていきました。

【治療前】
次
【治療中】
次
【治療後】

メリット・デメリット

Case2

上の右2番(側切歯)1本が先天性欠如だった12歳のBさん(男性)。矯正歯科治療で将来の補綴歯科治療のためのスペースを確保し、歯列を整えた後に仮歯を装着。その後、あごの骨や歯ぐきが安定した24歳でインプラントを埋入して咬み合わせを完成させました。

【治療前】
次
【治療中】
次
【治療後】
次
【仮歯を装着】
次
【インプラント埋入】

メリット・デメリット

 どちらの方法にも一長一短があり、どの治療法が向くかは一概にはいえませんが、先天性欠如は、あごが成長する幼児期から適切にチェックしていくことがとても大切。ぜひ、7~9歳を目安に歯科医院を訪ね、生えかわりが順調かどうかをパノラマエックス線写真で確認してもらいましょう。

★次のページからは、実際に治療中の方にインタビュー!

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ご存じですか?10人に1人の子どもに"足りない歯"があるってこと

ただいま治療中!患者さんINTERVIEW-1
  • 永久歯が6本足りない先天性欠如で、6歳の頃から矯正歯科に通っているという川田さん。ブレースが取れた今も、年に3回は矯正歯科で歯のチェックを受けるという彼女に、これまでの治療と歯並びの大切さについてうかがいました。

矯正歯科で先天性欠如が発覚

第2期治療前に撮ったエックス線写真 もともと私の母が、大人になってから矯正治療を受けたんです。それで私の乳歯の生え方がおかしいことが気になったようで、小学校にあがってすぐに矯正歯科に連れて行かれました。エックス線写真で調べてもらったところ、上の左側1番(中切歯)と下の左側3番(犬歯)、そして上下の両側5番(第2小臼歯)の永久歯、計6本の永久歯がない状態でした。それがわかってからは3ヵ月に一度くらいのペースで矯正歯科に通って、歯の生えかわりの状態などをチェックしてもらっていましたね。

 よく歯医者さんに行くのを怖がる人がいますけど、私の場合は、矯正歯科で痛い思いをすることはなかったので、歯科医院=コワイという感覚がまったくなくて(笑)。いつも習い事に行くような気分で通っていました。

二十歳まで乳歯を残すのが目標

 実際に、矯正治療(第1期)が始まったのは、小学3年になってから。最初は、内側に引っ込んだ歯を表に出すために「リンガルアーチ」という装置を歯の裏側につけました。慣れるまでは痛みも少し気になりましたが、そういうときは先生がやさしく声をかけてくださったり、矯正治療の経験者である母が、やわらかい食事を用意してくれたのでなんとか乗り切ることができました。

 当時は永久歯が生え揃わないせいで歯と歯の間に隙間があって、むし歯もちょっとありました。でも、矯正治療を始めて、しっかり歯を磨くようになってからは、むし歯はゼロ。矯正歯科の先生から「今残っている乳歯を二十歳まで残そうね」とよくいわれていたので、自分でも自然に乳歯を大事にしなきゃ、という気持ちになったんだと思います。

目標達成した今の思い

 第1期の治療が終わったのは中学2年のときです。その後、14歳から上の左側1番と下の左側3番の乳歯を入れた状態で第2期の矯正治療を始めて、5年前にそれも終わりました。今は夜寝るときにだけリテーナー(動かした歯を保つ装置)を使っています。

 2本の乳歯は、21歳になった今も、まだ残っているんですよ。この2本の乳歯をできるだけ長持ちさせたいですね。乳歯は永久歯より小さくて弱いので、歯磨きするときも、できるだけやさしく、でもきちんと磨くようにしています。食事をするときも、乳歯に負担がかからないように気をつけていますよ。

 将来、乳歯がいよいよダメになりそうになったら、矯正歯科の先生と相談して、そのときの自分にいちばんいい治療法を選ぶつもりです。私の場合、健康保険の適用前から治療していたので、これまでにかかった費用は大きいと思いますが、その分、これからも自分の歯に意識を向け、大切にしていきたいと思っています。

 余談ですが、大学を卒業したら小学校の先生になるつもりです。目標は、熱くて、子どもに頼られる先生(笑)。仕事を通して、子どもに歯の健康について伝えていきたいと思っています。

●現在の歯並び

●現在の歯並び

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ご存じですか?10人に1人の子どもに"足りない歯"があるってこと

ただいま治療中!患者さんINTERVIEW-2
  • 患者さんの二人目は、永久歯が11本足りなかったというS.Nさん。6本以上の先天性欠損が健康保険の適用対象となった2年前から矯正歯科治療を始め、現在もまだ治療中です。治療に至る経緯や現状についてうかがいました。

健康保険の適用が治療のきっかけに

第2期治療前に撮ったエックス線写真 生まれつき永久歯が11本少ないことに気づいたのは、10歳くらいです。かかりつけの一般歯科で、むし歯治療のためにエックス線写真を撮って判明しました。当時はまだ子どもだったので、「治療は二十歳になってからにしよう」と先生からいわれていましたね。

 そして大学生になってから、その先生の紹介で、ある大学病院に行ったんです。そこでは「抜歯してインプラントを入れてはどうか」という提案を受けたんですが、入れる数が多いので何百万も費用がかかるし、どうしようかなと......。

 かかりつけ医に相談すると、今度は矯正歯科専門の診療所を紹介していただきました。診療所に行って話を聞いて、「治すなら矯正治療で」と思ったんですが、当時はまだ6本以上の先天性欠如が保険適用になっていなかったこともあって、やはり費用がネックで、なかなか踏み込めずにいたんです。

 そんなあるとき、矯正歯科の先生から連絡があって、6歯以上の先天性欠如に健康保険が適用になったことを知りました。今から2年前、ちょうど僕が二十歳のときです。これでようやく治療できる! と、すごくうれしかったですね。

将来的なインプラントも視野に入れて

 実は、矯正治療を始めるまで9本の乳歯がほぼ残っていたんです。これは矯正歯科の先生にも驚かれました。10歳で永久歯が足りないのがわかってから、月に一度はかかりつけの歯科医のもとでクリーニングやフッ素塗布を受けたせいかも知れません。

 矯正治療で咬み合わせを整えるために、僕の場合は乳歯を4本抜きましたが、今も5本の乳歯が口の中にあります。将来、これらの乳歯がダメになったら、そこにインプラントを入れようかなと今は思っています。

 単に乳歯を抜いてインプラントにするのだと、本数も多く必要なので何百万もかかりますが、矯正治療をして歯列を揃えてからインプラントにするとより少ない本数で済みますし、安定した咬み合わせの中に入れるので、インプラントの持ちもよくなるんじゃないかと思っています。それに、僕の場合は矯正治療に保険が効くので、その後の補綴(ほてつ)治療に費用がかけられ、また選択肢が広がるのがありがたいですね。

●治療前と現在の歯並び

治療前と現在の歯並び

ゴールに向かう今の気持ち

 今、矯正治療を始めて2年目で、終わるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。治療後に、歯の隙間を埋める人工的な処置が必要なことを考えると、折り返し地点にも到達していないんでしょうね。ブレースがついていると、パスタや麺類を食べるとみごとにはさまるので、周囲を気にしなきゃいけない場では控えています。バジルも禁物ですね(笑)。
 日々の歯磨きも大変ですが、少しずつ歯並びがよくなっていくのは、やっぱりうれしいことです。以前は前歯が出ていたので、大きな口を開けて笑えなかったんですが、治療中の今は笑えますし、始めてみると矯正治療って特別なことではないと思うようになりました。治療が終わったら、小学校の頃からやっているバスケを思いっきりやるつもりです!

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Vol.03 ポスト大震災。いま、自分たちにできること

ポスト大震災。いま、自分たちにできること

転医システム

「約2年半」。これは成人が矯正歯科治療のブレース(矯正装置)を装着する平均的な期間です。人生の中ではわずかな期間ですが、この間に転勤や進学、結婚など、治療開始時には思いもしなかった転機を迎え、やむを得ず通院先を変えねばならない場合があるかもしれません。そんなとき、新しい土地で治療先を探すのは大変なもの。ましてや今回のような災害によって、住み慣れた場所を離れなければならないとなると、なおさら転医先探しが負担になるのではないでしょうか。

日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)では、そうした状況に備え、転居などで通院先が変わっても患者さんが安心して治療を継続できるよう、2006年に独自の「転医システム」を構築しました。その転医システムとは、北海道から沖縄まで全国約500名におよぶ会員(矯正歯科医)ネットワークを生かし、主治医が患者さんの転居先にできるだけ近い、信頼できる矯正歯科専門開業医を紹介するというもの。その際、治療費の過不足についても同会の取り決めに沿って精算されます。

「本来、治療計画や治療方針、料金システムは先生によって異なります。ですから、途中で別のクリニックに変わるのは避けられるなら避けた方がいい。ただし、有事の際にはそんなことは言っていられません。実際、今回の震災では、うちから他県のクリニックに10数名の患者さんが転医しました」

と話すのは、福島県で開業する清水義之先生。

清水先生は、進学や就職などで毎春3~4人の転医はあるものの、ここまで一気にというのは初めてだとした上で、
「それでも会員同士のコンセンサスがあらかじめとれていたことで、新しいクリニックへの引き継ぎはスムーズに進みました。どんなときでも患者さんに安心を提供できるネットワークがあるのは、やはり重要だと実感しましたね」

と語ります。

矯正歯科医会では、転移システムを整備するとともに、北海道、東北、北関東...と、全国を13支部に分け、各支部の会員同士が親睦を深めることにも注力。会員同士が日頃から交流をもつことで、「万が一」の際、互いに助け合える関係づくりを行ってきました。こうした地道な取り組みが、今回の震災で力を発揮したのです。

次のページでは、ネットワークを生かした被災地支援の実際をご紹介します。

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Vol.03 ポスト大震災。いま、自分たちにできること

ネットワークを活かした

口腔ケア応援セット

地震直後
地震発生直後の様子。模型を並べた棚が倒れ、床をふさいでいる。
矯正歯科医会に加入するクリニックで東日本大震災の被害を受けたのは、宮城県と福島県にある3軒でした。いずれも、壊滅的な打撃は免れたものの、X線装置などが壊れ、カルテや模型が散乱し、数日間はクリニックを閉めざるを得ない状態に。宮城県で開業する伊藤智恵先生は、ものが散乱した診療室を片付け、壊れた機材を修理し、なんとか診療できる体制が整ったのは震災から4日後だったと話します。

「その後、電話が通じるようになってから1週間かけて患者さんの安否確認を行いました。 4月からは通常業務ができるようになりましたが、それでも戻ってきた患者さんは2割程度。家や車が流されて避難所生活を送る多くの方は、歯も磨けず、大変なストレスを抱えて暮らしていらっしゃいました」

こうした被災地の声を受け、矯正歯科医会では日本歯科矯正機材協議会の協力を得て、歯ブラシや歯磨き剤、フロス、歯間ブラシ、洗口液などを詰め合わせた「口腔ケア応援セット」3,000組を用意。4月初旬には被災地の会員の手を経て、各地区の避難所に届けられました。

口腔ケア応援セット
左が子ども用、右が大人用にまとめられた
「口腔ケア応援セット」。
それぞれ小さな桜のシールが添えられている。
「このセットは被災者の方々に本当に喜んでいただけました。単品ではなく詰め合わせてあるので受け取ってから仕分けの手間が省けますし、セットの中に添えられた小さな桜のシールにも温かい気持ちを感じました。これだけの点数のアイテムを迅速に集め、梱包し、送るというのは、人手がないとできないこと。全国組織の矯正歯科医の団体だからこそ実現できた支援の形だと思います」

と伊藤先生。

矯正歯科医会では同時に、被災した患者さんにどのような支援ができるかについて検討を重ね、まずは応急処置対応を全国の会員クリニックに依頼。そして、避難所での生活を余儀なくされている被災患者さんを対象に、5月には「矯正歯科被災者支援フリーダイヤル」を設置(*)し、9月末までの約4か月間で計82件の相談を受け付けました。

相談内容には、「震災でリテーナー(取り外せる保定装置)を紛失したが、クリニックと連絡がつかない。どうすればいいのか?」「被災したクリニックが再開しない場合、新しい受け入れ先と、すでに支払った治療費の返金はどうなるのか?」「矯正治療がもうすぐ終わる段階で被災し、先生と連絡が取れないので、避難先にある歯科医院を受診したが、新たに治療費として約52万円かかるといわれた。被災者への治療費補助などはないのか?」など、さまざまなものがあったということです。

次のページでは、歯科を取り巻く今後の課題についてご紹介します。

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Vol.03 ポスト大震災。いま、自分たちにできること

歯科を取り巻く今後の課題

鑑別システムの確立

宮城県で開業する曽矢猛美先生は、今回の震災で矯正歯科医としてというより、一人の歯科医として、非常時に何ができるのかを見つめ直したと話します。

「やはり、歯科医である自分にできるのは口腔ケアです。今回の大震災では、津波で亡くなったご遺体の収容が大規模なために、身元が判明しないまま火葬しなくてはなりませんでした。
そんな中、私は自分にできることとして宮城県歯科医師会からの派遣で行方不明者の検視をしたり、石巻日赤病院で口腔ケアを行ったりしました」

その中で必要だと感じたのは、歯を通じた個人識別システムの構築でした。

ポスト大震災
他地区の歯科医師会や大学などから、
宮城県歯科医師会に届いた支援物資の一部。
「目視で判別できない場合、指紋検査、歯科情報検査、DNA検査が行われますが、ご遺体の状態によっては指紋の採取が難しくなります。かといって、DNA検査は照合装置が少なければ時間も費用もかかってしまう。
一番安価で確実なのは、歯科情報です。自治体ごとに歯科検診のデータをデジタル化して、どこかのサーバにあげて備蓄しておき、なにかのときに照合できるシステムを構築する必要があると強く感じました」

今回は、沿岸部にある歯科医院が津波で被災し、生前の歯科カルテが大量に失われてしまったため、歯の照合も思うように進まなかったと言われています。災害時における歯科情報は、家族と本人を結ぶ大切な最後の絆。この大震災を契機に、歯による個人識別システムを確立することが、津波で人生を突然たたれてしまった方々への最大の供養ではないかと、曽矢先生は語ります。

ポスト大震災
宮城県多賀城市七ヶ浜にある、
津波に襲われた幼稚園に支援に行ったときの写真。
背景は、がれきの山。その前に幼稚園があった。
「園児が亡くならなかったことにほっとし、
『こんにちは』『ありがとう』の声に、かえって励まされました」(曽矢先生)
「緊急時の対応はスピードが命。速やかに行わなければ意味がありません。
その点、矯正歯科医会の有志が被災地に何がほしいかを聞き、必要とされるものを用意して、パッケージにして送った『口腔ケア応援セット』はよかったと思います。
そのとき現地が求めるものを、相手に負担をかけない形でサポートするのがボランティアの精神ですから」

必要な手を必要なところにさしのべるには、相手の状況を正しく知ることが大前提。その上で、専門の異なる歯科医や医師が連携して、患者さんのケアにあたることも重要です。人と人、分野と分野の壁を取り外し、専門性を生かしながら、いかに関わるかを考えること。本当に求められる支援の形は、そこから生まれるのかもしれません。

次のページでは、会という枠組みを度外視して実施されている矯正歯科医会の治療費補助の取り組みをご紹介します。

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Vol.03 ポスト大震災。いま、自分たちにできること

治療費補助の取り組み

補助金制度

矯正歯科医会は6月、矯正歯科治療中に被災し、金銭的に治療の継続が困難になった患者さんを対象に、治療継続に必要な診療費の補助を行うことを発表しました。

補助金制度矯正歯科医会が実施する治療費補助は、2011年6月、新聞などのメディアを通じて全国に告知された。

補助の対象となるのは、自宅が半壊、半焼以上の被害を受けたり、世帯主が死亡や重傷、行方不明、失業、廃業、休業している、もしくは原発事故で政府の避難指示の対象となっている患者さんで、一人につき10万円を上限に補助されます。総額1,000万の予算を投じて行われるこの補助金制度のポイントは、同会の会員クリニック以外で矯正歯科治療を受けていた患者さんも対象になるという点。10月現在、すでに71名からの補助申請の申し込みが寄せられ、38名への補助が確定しています。

前出の伊藤先生は、

「被災して困っている患者さんからお金をいただくつもりは、もともと一切ありませんでした。でも、『費用はいりません』と言うと、患者さんは遠慮されます。そして、先生のご迷惑になるなら治療はやめようかと思ってしまわれるかもしれません。実際、『大丈夫ですよ。矯正歯科医会から材料費の支援がありますから。こちらのことはご心配なく』と言うと、皆さん一様にほっとした顔をされるんです。患者さんのそんな表情をみると、この治療費補助のおかげで、患者さんは治療を諦めずに踏ん張る決意を固めてくれたと嬉しくなります」

と話します。

そして、清水先生もこう語ります。

「うちからは20数名の患者さんの補助申請をしています。お一人10万円の補助は大きいですよ。患者さんは皆さん、こうした制度があることを喜んでおられます。私自身、まるで家族のように心配してもらえることで、困難な状況でも患者さんへのよりよい治療につなげようという思いがわいてきます」

一人ではできないことも、団体でなら可能になる。同じ専門家同士のネットワークだからこそ、被災した場合の困難が理解できる。お互い様の精神で助け合う姿勢が、ひいては患者さんへの質の高い治療の維持することにもつながるのです。

次のページでは、実際に治療費補助の申請を行った患者さんのお話をご紹介します。

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Vol.03 ポスト大震災。いま、自分たちにできること

患者さんのお話

温かな支援に感謝

去年の秋に矯正治療スタート

ポスト大震災自宅近くの一般歯科で、去年の秋から娘・あやね(現在小学4年生)の矯正歯科治療を始めました。娘は乳歯のときから歯並びが悪く、幼少期からむし歯の治療やフッ素の塗布で、ずっとその歯科医院に通っていました。そして、永久歯に生え替わってからさらに歯並びがガタガタになり、先生からも矯正を勧められたので、ごく自然に治療をスタートしたという感じです。

まずは昨年11月、ガタつきがひどかった下の前歯にだけ、ブレースをつけました。あやねにとって痛みが強かったのか、歯科医院に行くといつも泣いて、2~3日続けて鎮痛剤を飲み続けなければなりませんでした。でも、歯並びを整えるためにはしかたがない、そう思っていた矢先に東日本大震災が起きたのです。自宅は福島第一原発から10キロ圏ですが、夫の会社はわずか1キロ圏。汚染がひどく、立ち入りもできず、退職するか、石川県にある支社に異動するか、どちらかを選ばなければなりませんでした。結局、着の身着のままの状態で石川県に越してきたのが3月下旬です。

治療費の返金はなし

福島県から石川県にやって来た当初はお金もないし、どうしていいかまったくわかりませんでした。 あやねの矯正治療に関しては、最初に一括で60万円を払っていたのですが、震災後、歯科医院の電話がつながらなくなり、どうなるのだろうと不安を感じていました。たまたま、他県で一人暮らしをしている大学生の長男がその歯科医院の息子さんと同級生だったので、息子さん経由で先生の携帯電話の番号を教えてもらい、なんとか奥さまとお話しできました。さっそくお電話をして返金について尋ねたところ、カルテがないとわからないというお返事でした。

そこで、一時帰宅が許されたときにカルテを見せてもらい、「治療して半年だし、この状況なので返金してほしい」と再度お願いをしましたが、娘の場合、半年間に診療時間外の通院も多かったので返金はないと言われてしまいました。

一軒づつ電話

途方に暮れながら、石川県の保健師さんに相談して、地元の矯正歯科医院のリストを出してもらい、一件ずつ電話をしましたが、たいていは「今後、治療するならまた全額必要」というお返事でした。また、何軒かのクリニックには直接あやねを連れて行ったのですが、「うちでは、もうこういう治療はしていない」「半年で60万は高い」などと言われる始末。改めて矯正歯科医院はいろいろなのだなと思いました。

いっそ、治療を中断しようか、とも考えました。なんといっても、今後の生活がどうなるのか、お金がないのが一番の不安でしたから。でもその反面、できれば治療を続けたいという気持ちも強くありました。ほかの方から見ると矯正治療は贅沢にうつるのかもしれませんが、見かねるほどひどい娘の歯並びをなんとかしてやりたかったのです。

補助金によって

そんなとき、リストを見て訪ねた医院から紹介されたのが、矯正歯科医の窪田正宏先生です。窪田先生はこちらの話を親身に聞いてくださり、「毎月2,100円の調整費のほかは全額支援する」と言ってくださいました。本当にありがたかったです。そこに窪田先生が所属する矯正歯科医会から補助がおりて、治療費(調整費)に充てられることになりました。

不思議なことに、以前はあんなに泣いて痛がっていた娘が、窪田先生のところでは一度も泣かず、痛み止めとも無縁です。おかげさまで、ガタガタだった歯並びも今では少しよくなりました。

福島県から石川県にきて、半年以上が経ちました。最初は、不安で、不安でしかたありませんでしたが、いろんな方の温かいご支援を受けて今日までやってきました。多くの方の思いによって、私たち家族が支えられているのだと、今、改めて思っています。

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2015年4月28日

Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」 第7回「ブレーススマイルコンテスト」

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「歯を見せて笑うことに抵抗がある」「歯磨きがしづらくてむし歯が多い」「前歯でものが噛み切れない」...。咬み合わせや歯並びに問題があることで生じる、さまざまな支障。なんとかしたいと思いつつも、急を要すものではないからと、治療のための行動をつい先延ばしにしている人も少なくないのではないでしょうか。実際、治療には何らかのきっかけが必要なようです。

では、実際に治療を始めた人たちは、どのような"きっかけ"があったのでしょうか。「第7回ブレーススマイルコンテスト(以下、ブレスマコンテスト)」の受賞者の皆さんに、「はじめの一歩」を踏み出した理由についてうかがいました。

増井美千代さん

■歯並びの悩み:
前歯同志が当たって咬みにくい
■治療期間:2年11カ月

当初は非抜歯でスタートしたものの、ご本人の希望で途中から抜歯治療に変更。治療では上顎のみ舌側に装置をつけ、仕上げはご本人の希望により約6カ月間、唇側からの治療を実施。2012年1月にブレースを撤去し、現在、保定開始2カ月目。


"いつの間にか"キレイになった友人に触発されて
増井美千代さん(熊本県在住/36歳)

 私の場合、学生時代からの友人に影響されたのが、直接的なきっかけですね。あるとき、彼女の八重歯がなくなって、歯がきれいに並んでいるのに気づいたので「どうしたの?」と聞いてみたんです。そしたら「矯正しているんだよ」って。いつの間にか、歯の裏側に矯正装置(ブレース)をつけて治療していたんです。びっくりしました。そういう方法があるのを知らなかったので(笑)。

 当時の私は前歯がしっかり噛み合わなくて、上下の歯が先端であたっているような状態。下の歯列もデコボコでした。そんな自分の口もとが気になってはいたのですが、治療して治そうとまでは思ってもいませんでした。それが友人のキレイに並んだ歯を見て、一気に気持ちが治療に向けて動き出して(笑)。こんなに口もとの印象が変わるのなら、しかも誰にも気づかれずに裏側から治療できるのなら、治したい! 治そう! って。それでさっそくその友人が通っている矯正歯科を紹介してもらって、歯の裏側からの矯正治療をスタートしたんです。治療の成果が目の前にあったので、気持ちが決まってからは迷いがありませんでしたね。
増井美千代さん

点線

惣司(そうつか)友衣子さん

■歯並びの悩み:過蓋咬合
上下前歯の正中のズレ、顎関節雑音
■治療期間:2年6ヵ月
(現在、保定期間中で、4ヵ月に一度通院

咬み合わせが深く、上あごの咬合平面が左右に傾斜していることで下あごが偏位し、上下の前歯の正中がズレて、大臼歯関係が左右で異なっていた。そこで治療では、咬み合わせの高さを整え、正中のズレと顎関節症状の改善を図った。


今だ!と思えたときが、きっとベストな時期です
惣司(そうつか)友衣子さん(長崎県在住/29歳)

 私は結婚するまで、京都の矯正歯科医院で歯科衛生士をしていました。私自身、咬み合わせが深くて前歯が出ていたので、キレイになっていく患者さんを見ながら、いつか自分も治療を受けよう、キレイな歯並びになろうとずっと思っていたんです。でも、独身の頃はいろんなタイミングが合わなくて、なかなか最初の一歩が踏み出せなくて。結局、自分自身の治療について具体的に考えられるようになったのは、結婚して歯科衛生士という仕事を離れてからでした。

 結婚後は九州に住むようになったのですが、せっかく治療するなら自分が一番信頼できるクリニックで受けたいと思いました。それは私の場合、自分が勤めていた矯正歯科だったんです。先生も信頼できるし、歯科衛生士も患者さんのことを考えて仕事していることをよく知っていましたから、あそこなら安心してお任せできると。そんな気持ちを夫に話すと「物理的な距離よりも、精神的な距離が近いところで治療するのが僕もいいと思う」と賛成してくれたので、思い切って長崎から京都まで飛行機で通院することにしました。

 もっと早く治療していればよかったとは思いますが、物事にはタイミングもあるので、実行できるときがベストな時期なんだと思っています。
惣司(そうつか)友衣子さん

点線

小島千奈さん

■歯並びの悩み:叢生(乱ぐい歯)
■治療期間:1年7カ月(一次治療)・
約2年半予定(二次治療)

現在、下顎にまだ少しデコボコが残っており、それがキレイに並んだらブレースを外す予定。期間にすると、あと2~3カ月といった段階。


海外でも通用するキレイな歯並びを目指したい
小島千奈さん(岐阜県在住/15歳)

私は小さいときからあごが細くて、乳歯のときからデコボコしていたので、「時期がきたら矯正しようね」って両親から言われていました。私は小さかったので矯正がどんなものかよくわかりませんでしたけど、よく家族から矯正治療のことを言われていたせいか、悪い歯並びは治したほうがいいんだなって自然に思っていました。どうして両親がそんなに矯正治療に熱心だったかというと、お父さんがよく海外出張に行くんです。欧米は歯並びのいい人が多いので、お父さんも私の歯並びを気にしていたみたいです。

 矯正歯科で治療を始めたのは、小学1年のときからです。近い将来、海外に住むかもしれないから、日本にいるうちに治療しておこうということで、お母さんがまわりの人の評判を聞いたり電話帳で調べたりして、車で通える範囲にある4軒くらいの矯正歯科に相談に行きました。私はそのときのことをよく覚えてないんですが、お母さんは先生から治療内容を説明してもらって、一番納得できたところに決めたようです。

小島千奈さん

点線

須藤大祐さん
〈大祐さん〉

■歯並びの悩み:叢生(乱ぐい歯)
■治療期間:
2009年9月に検査・診断

上下左右の第二小臼歯を計4本抜歯して、治療を開始。上顎大臼歯の固定源にTADs(インプラントアンカー)を使用。現在、正中線を補正するなど、治療の最終段階。


娘と一緒なら、支え合っていけるから
須藤大祐さん(宮城県在住/37歳)・彩乃さん(10歳)

 高校卒業の頃から歯並びが悪くて歯磨きがちゃんとできないため、むし歯が多く、歯科医院との縁は切れませんでした。その頃から歯並びがコンプレックスになって、笑顔で写真に収まることに抵抗がありました。ですから、矯正治療をしてすっきりした口もとになりたいという思いは、ずっとありましたね。でも、仕事をして家庭をもって、という中で、なかなか治療する踏ん切りがつかなかったんです。

 そんなとき、娘の彩乃が学校の歯科検診で咬み合わせをチェックされたことで、矯正治療というものが身近に迫ってきました。そこで「それなら二人で一緒に治療するか!」と、娘と一緒に矯正治療を始めることにしたわけです(笑)。矯正治療は歯が動くときに痛みがあると聞いていたので、二人同時に治療すると、お互いに支え合っていけるのでいいのではと。治療先を決めるにあたっては、通っている歯科医からの推薦はありましたが、自分が実際にそのクリニックを訪ね、先生の説明やスタッフの印象などを総合的にみて判断しました。やはり納得できるかどうかを大切にするのが重要だと思いますね。
須藤大祐さん


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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

弱い力をかけ続けて、ゆっくりと歯を動かしていく矯正歯科治療。物理的な矯正力が体の負担にならないよう、治療は数年かけて行われます。人生の中での数年間は、わずかな期間。それでも治療中にはさまざまな変化が起こるものです。
受賞者の皆さんも、ブレスマコンテストの受賞を始め、治療前には思ってもいなかった"うれしい"変化があったよう。いったいどんな変化でしょう?

増井美千代さん

★応募写真について
2番目の子が不思議そうにブレースをさわった瞬間を、夫が撮ってくれました。このときすでに、おなかに3番目の子どもが宿っていたんですよ。

増井美千代さん

最優秀賞:「1番のスマイルをあなたに!」
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矯正治療に対する意識が変わりました!
増井美千代さん

 治療中の変化はたくさんありました。何と言っても大きいのは、治療前からつきあっていた彼との結婚、妊娠、出産ですね。治療期間の最後には3人目の子どもも授かりました。自分の生活も大きく変わりましたが、こういう変化が始まる前に治療できたのはよかったと思います。

 それと、変化といえば自分自身の矯正に対する意識の変わりようも大きいですね。最初はまわりの人に治療していることを気づかれたくないから歯の裏側にブレースをつける"見えない矯正"を選んだのに、治療が進むうちに、気づいてもらえないのがつまらなくなってきて、「私、今矯正してるの」って自分から話すようになりました(笑)。

 受賞した写真にはブレースが写っていますが、あれは歯並びを最後に微調整するために短期的に前からブレースをつけたときに撮ったもの。先生から「微調整する方法として、歯の表側にブレースをつけるのと、取り外しのできるポジショナーという装置をつけるのと2つあるけど、どっちがいい?」と聞かれて、迷わず「表側からのブレース」と答えました。歯並びがキレイに整っていく中で、ブレースはだんだん体の一部になっていって、つけているのは恥ずべきことじゃないと思えるようになったんです。そして、最後にはブレースがついた写真でコンテストに応募して、最優秀賞までいただくことに(笑)。そんな自分の意識の変化にびっくりしています。

点線

惣司(そうつか)友衣子さん

★応募写真について
矯正歯科医院に置いてあった募集チラシを見て、自分のいい治療記録になればと思い、実家で撮った写真で応募しました。まさか賞がいただけるなんて思ってもいませんでしたが、治療中けっこうがんばったので、その努力が認められたようでうれしいです。

惣司(そうつか)友衣子さん
優秀賞:「なでしこスマイル☆」
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患者さんの気持ちを知ることができました!
惣司(そうつか)友衣子さん

 私も治療中に妊娠・出産を経験しました。子どもは欲しいと思っていたので妊娠したのはうれしかったし、治療中だからといって特別大変なことはなかったのですが、歯が動いて痛みがあるときに鎮痛剤が飲めないのだけは少しつらかったですね(笑)。

 治療中の変化という点では、矯正治療を患者の立場から経験できたのが自分にとって大きな気づきとなりました。もともと歯科衛生士をしていたので治療の流れや方法はわかっていたつもりですが、実際、患者になってみると新しい発見がいろいろあったんです。そのひとつが、ブラッシング。大人であれば説明を聞いてできると思いますが、小さいお子さんの場合は、その通りに実行するのは難しいだろうなと改めて思いましたね。

 私は大人ですから、むし歯をつくらないよう、毎日2列の細い歯ブラシやワンタフトブラシなど、衛生士時代に扱っていたアイテムをフル活用して歯磨きしました。外出先にも、気になったらすぐ磨けるよう歯ブラシと歯間ブラシを持参したり、すぐ磨けない場合に備えてつまようじを持ち歩いたりして、元歯科衛生士として恥ずかしくないようお手入れに励みました。

点線

小島千奈さん

★応募写真について
去年の夏、旅行先でお母さんに撮ってもらいました。
(お母さま)
 2010年8月、旅行先の北海道で撮影。この笑顔はコンテスト用ではなく、滅多に食べることのできない大好物の夕張メロンを前に、つい出てしまった満面の笑みです。普段は、カメラを向けると作り笑いになりがちですが、カメラやブレースをまったく意識していない笑顔が、両親の一番のお気に入りです。

小島千奈さん
優秀賞:「一人一人の笑顔が日本の元気」
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海外に住んで、歯並びの大切さを実感!
小島千奈さん

 小学4年から6年までの3年間、お父さんの仕事の都合で、ロンドンで暮らしたことが大きな変化かもしれません。ちょうど経過観察の時期だったので、ロンドンでは矯正歯科に通わず、お母さんがメールで日本の先生に相談したり、一時帰国するたびにクリニックに行って歯並びをチェックしてもらっていました。ロンドンでは矯正している子も多かったし、やっぱり歯並びって大事なんだなって思いました。

 本格的にブレースをつけた治療が始まったのは中学に入ってからで、あと数ヵ月で終わる予定です。早く終わるといいなあ。今はもうブレースにも慣れてカタイものでもガムでも何でも食べられますけど、歯が動く痛みがあるとき(毎月の通院後2~3日)はパンを食べるのもつらいので(笑)。そんなとき、友達が目の前で私の好きなものを食べていたりすると、いいな~って思っちゃいます。ただ、痛いって言っても眠れないくらいじゃないし、何日か経ったら痛みが収まるのがわかってるから平気。痛いときはお母さんにスープとか噛まずに済むお料理をつくってもらって、がんばって乗りきっています!

点線

須藤大祐さん

★応募写真について
毎朝、娘と一緒に家を出るんです。この写真は家を出る前、玄関先で撮ったもの。コンテストの締め切り直前だったので、撮ってすぐに応募しました。

須藤大祐さん
特別賞:「二人三脚で矯正中!」
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大震災の混乱の中、絆の大切さを再認識!
須藤大祐さん

 宮城県に住んでいるので、治療中印象に残っているのは、やはり東日本大震災ですね。ちょうど去年の2月上旬に、上の前歯を後ろに動かすために上あごにインプラントアンカーを入れたんです。その術後1ヵ月というタイミングで大震災が起こりました。

 治療中、特に術後は口の中を清潔に保たなければいけないのに、当時は歯磨きもろくにできない状態。月に一度の通院予定日が迫っていたこともあり、矯正歯科の先生に無理を言って、震災直後の混沌とした状況の中、口の中の清掃といつものワイヤー調整をしていただきました。当時は、電気は復旧してもガスが通っていなかったので、いつもの温水ではなく、水での口腔内清掃となりました。その水の冷たさが、当時の思い出として強く残っていますね。幸い、娘のほうは通院予定日がずれていたのと治療内容が違うので、緊急で診ていただかなくても済みました。

 そんなこんなで一時は大変でしたが、熱心な先生のおかげで僕も娘も無事治療を続けることができています。大変な時期と重なったからこそ、治療がもたらしてくれた人との絆や、まっすぐな歯を、親子ともども大切にしていきたいと思っています。

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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

すでにブレースが外れ、今は整えた歯並びをその場で保つ保定期間中の増井さんと惣司さん、そして、もうすぐ治療が終わる須藤さんと小島さん。 それぞれの立場から、キレイな歯並びに託した未来への思い、治療を受けて変わったと思う点など、明るい将来に向けたメッセージをうかがいました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「矯正治療っていいよ」って、みんなに知らせたい!
増井美千代さん

 歯並びをよくするには、歯を削ったり抜いたりして、時間をかけずに簡単にできる方法もありますが、私は時間がかかっても自分の歯を根っこの部分からまっすぐに整えていく矯正治療を選んで本当によかったと思っています。治療を始める前は矯正がどういう治療か知りませんでしたし、自分が数年かけて歯を治すなんて思ってもみませんでした。でも、治療を始めて歯が整っていくにつれて、自分の歯がいとおしく思えて、大切にしたいと思うようになりました。治療してよかったと自信をもって言えるので、まわりで歯並びに悩んでいる人がいたら、矯正をすすめたいですね。私は33歳から治療を始めましたが、スタートするのに遅すぎるなんてことはありませんから。
 自分の子どもの歯並びに問題があればどうするか? もちろん、治療を受けさせてあげたいと思います。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「矯正治療っていいよ」って、みんなに知らせたい!
惣司(そうつか)友衣子さん

 歯科衛生士をしていたときは、たくさんの患者さんがキレイになっていくのを見ると、正直、うらやましいな、自分も同じようになりたいな、という思いがありました。ですから、念願の矯正治療で歯並びがキレイになったのは本当にうれしいことです。
 以前は、歯並びだけではなく顎関節に痛みもあり、口が開きづらいという機能的な問題も抱えていました。そんな不調も、咬み合わせがよくなったおかげでほとんど感じなくなりましたね。そう考えると、治療は見た目だけではなく、健康のためにもよかったんだと思えます。主人も、「口だけみるとセレブだね」って褒めてくれるんです(笑)。そう言われると、私のうれしさも倍増。治療してよかった! と心から思えます。これからはリテーナー(保定装置)もきちんと使って、一生キレイな歯並びを保ちたいと思っています。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」「まっすぐな歯並びで思いっきり笑いたい!
小島千奈さん

 まだブレースはとれていませんが、以前のガタガタした歯並びがすっきりキレイに並んだので、ブレースをつけた状態でも思いっきり笑えるようになりました。そこは以前と全然違う点です。治療していると痛みがあったり、歯磨きが面倒だったりしますけど、今となっては治療してよかった。ブレースがとれたら何がしたいか、ですか? うーん、なんだろう。やっぱり思いっきり笑いたいです。ブレースのないキレイな歯で(笑)。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」娘と一緒に笑顔の写真をたくさん撮りたい!
須藤大祐さん
 治療前は笑顔の写真を撮られるのが苦手でしたけど、今は気にならなくなりました。逆に、写真となるとつい笑顔になってしまう(笑)。この違いはかなり大きいと思いますね。あと、以前は咬み合わせが悪かったこともあって、無意識のうちに歯をかみしめて、歯ぐきがうずくこともあったのですが、治療してそれもなくなりました。そういう部分のストレスが解消されたので、対人面でのコミュニケーションにもいい変化が出ているのではと思います。
 娘の治療は発育に応じてこの先もまだ続きますが、ひとあし先に終わる自分としては、これからも娘の治療を見守っていくつもりです。そして、二人揃ってブレースがとれたら、そのときにはまた同じように二人で笑顔の写真をたくさん撮りたいですね。

~大阪大会賞に輝いた大坂文代さんにもコメントをいただきました!~ 大坂文代さん

咬み合わせがよくなって、
ラーメンだっておいしく噛んで食べられます!

 受賞した写真はお昼ご飯のシーンです。私の歯並びは「開咬(かいこう)」といって歯を噛み合わせても上下の前歯が噛み合わない状態だったので、前歯で麺が噛み切れなかったんです。不便でしたけど、矯正治療をしようとは思っていませんでした。矯正ではなく、ひどいむし歯になった奥歯を抜いてブリッジかインプラントをしてもらおうと一般歯科に行ったところ、矯正治療をすすめられたのが最初です。紹介された矯正歯科に行くと、奥歯にむし歯が多いのは咬み合わせが悪いのが原因だと言われました。そして、開咬をきちんと治すには外科手術と組み合わせた矯正治療が必要だとすすめられたんです。


大坂文代さん
大阪大会賞:「かめるかめる!感動!!」
>>写真をクリックすると、大きな写真と受賞コメントが現れます。


 矯正歯科の先生は32本ある歯を人間にたとえて「32人の従業員のうち、半分しか働いていなかったら、その会社はどうなると思う?」っておっしゃいまして(笑)。私の口の中は、ちょうどそんな状態だったんです。それできちんと治す決心をしました。手術は去年の6月に無事終了し、今は術後の矯正中。あと半年くらいでブレースが外れる予定です。ブレースがとれたら? まっすぐな歯を思いっきりブラッシングしたいですね(笑)。


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Vol.04 第7回「ブレーススマイルコンテスト」受賞者トーク

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

第7回「ブレーススマイルコンテスト」
矯正歯科専門開業医の団体、日本臨床矯正歯科医会の主催で2005年から毎年行われているブレスマコンテスト。7回目を迎える今回は、「日本を支えるあなたの笑顔」をテーマに、2011年7月から作品を募集しました。その結果、寄せられたのは7歳から63歳までの幅広い年齢層からの183作品。応募期間終了後、日本臨床矯正歯科医会のメンバーと協賛企業の投票による1次審査と2次審査を行い、優秀賞3作品と東日本大震災被災地へのエールを込めた特別賞と優秀コメント賞、大阪大会賞が選ばれました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

そして、優秀賞3作品の中から最優秀章を決定する最終審査が行われたのが、表彰式前日。会場となった大阪国際交流センターの壁面には最終選考に残った作品がずらりと展示され、多くの人の注目を集めていました。

岡村日向子さん

ベストコメント賞:「笑顔で恩返し」
福島県 岡村日向子さん

>>写真をクリックすると、大きな写真と受賞コメントが現れます。

ベストコメント賞に輝いた福島県在住の岡村日向子さんはあいにく表彰式には欠席となりましたが、『笑顔で恩返し』というタイトルの受賞作品とコメントが会場のスクリーンに大きく映し出されると、たくさんの温かい拍手がわき起こりました。

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

最初は少し緊張ぎみだった受賞者の皆さんも、表彰式の進行とともに、だんだんリラックスした表情に。主治医の先生やスタッフの皆さん、そして表彰式に同行したご家族らが受賞者を囲んで記念撮影する頃には、和気あいあいとした雰囲気となりました。

皆さん、本当におめでとうございます!

第7回「ブレーススマイルコンテスト」

ブレスマコンテストはこれからも毎年開催され、2012年の夏には第8回目の応募が始まります。今、治療中の方も、これから治療を始める方も、このコンテストへの応募を矯正歯科治療中の思い出のひとつにしてみてはいかがでしょう。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿 健康寿命を伸ばす

健康寿命を伸ばす

 世界に名だたる長寿国の日本。2010年の国民の平均寿命は、男性79.55歳、女性86.3歳となり、厚労省では、このままいけば2022年には男性81.15歳、女性87.87歳まで平均寿命が延びると推計しています。寿命が延びるのはよいことですが、その一方で気になるのが「健康寿命」です。

 健康寿命とは「介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる」年齢のこと。いうなれば、平均寿命から平均療養期間を引いた数字です。

 日本人の場合、2010年の時点で健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳。つまり、男性は9年あまり、女性は約13年間も日常生活に差し障りのある"不健康な"療養期間があるのです。

 ちなみに、この健康寿命、2001年とくらべると延びてはいるものの、平均寿命に比べると延び率が小さく、9年前より療養期間が長くなっているのも気になる点です。

健康寿命と平均寿命の推移
資料:健康寿命は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
平均寿命は厚生労働省「簡易生命表」
(注)日常生活に制限のない期間が「健康寿命」、0歳の平均余命が「平均寿命」

歯と全身の健康に役立つ

丹根先生

お話をうかがった
広島大学大学院医歯薬保健学研究院
丹根一夫先生

 健康寿命を延ばすには、どうすればいいのでしょうか。

「それにはまず食事、睡眠、運動を適切に取り入れるなど日々の生活習慣を見直すと同時に、しっかりと咀嚼(そしゃく)できる安定した咬み合わせを保つことが大切です」と話すのは、広島大学大学院医歯薬保健学研究院 丹根一夫先生。

 咀嚼とは、食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすい状態にすることです。

「食物をしっかり咀嚼することは、胃や腸の消化吸収を助けるだけでなく、中枢神経系に働きかけて食べ過ぎを防いだり、唾液の分泌をよくしてむし歯や歯周病を防いだり、言葉の発音を明瞭にしたり、全身のさまざまな機能を活性するのに重要な役割を果たしているのです」

 そのため、反対によく噛まずに食べると満腹感が得にくくなり、つい食べ過ぎてしまい、肥満につながります。また、咀嚼によって歯やあごが鍛えられないことから歯の組織が弱まり、さらにやわらかいものばかり食べるようになる...といった悪循環に陥ることに。

コラム 学校食事研究会が噛むことの効用をわかりやすい標語にしています。それが「ひみこの歯がいーぜ」。現代人にくらべて噛む回数が何倍も多かったと考えられている弥生時代の人々。邪馬台国の女王、卑弥呼もきっとしっかりと噛んで食べていたでしょう。

「ひ」:肥満を防ぐ
「み」:味覚の発達を促す
「こ」:言葉の発音がハッキリする
「の」:歯をむし歯や歯周病から守る
「は」:肥満を防ぐ
「が」:がんを防ぐ
「い」:胃腸の働きを促す
「ぜ」:全身の体力向上


「現代の食事はやわらかい加工食が多く、あまり噛まなくても飲み込めます。しかし、それは歯にも身体にもよくないこと。また、口の中にちゃんと噛み合わない歯があると、その歯のまわりにある骨や組織が萎縮して、その結果、歯と歯を支えるあごの骨の結合力が弱まって抜けやすくなってしまいます。つまり、歯は使わないと弱くなるのです。これは入院して寝たきりの生活を送っていると、筋肉が落ちて痩せてしまうのと同じ原理。歯が『噛む』という本来の機能を発揮するためには、きちんと噛み合う状態であることが大切です」

 食べものを噛み始めると、それに伴う感覚情報が歯を骨とつなげている歯根膜(しこんまく)などで捉えられ、三叉(さんさ)神経に伝達されます。その際、咬み合わせが不安定だったり、歯をなくしてよく噛めない状態だと、脳への信号の伝達が十分に行われないため、ストレスをためやすくなったりもするのだそうです。

 そして、それだけではなく、最近では安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきているのだとか。

次のページでは、脳の健康と歯の関係についてご紹介します。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

健康な脳と咀嚼 噛むこと

健康な脳と咀嚼 最近では、安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきています。その話に入る前に、まず、噛むことによって脳にどれくらいの刺激を与えているのか、丹根先生にうかがいました。

「口の中や舌、歯の根もとにある歯根膜には、味覚や触覚、冷温、痛みなどを敏感に感じ取る感覚センサーがたくさんあり、咀嚼することで大量の感覚情報が脳に流れ込みます。その情報量は、手足や身体のほかの部位からくる情報と比べても格段に多いといわれています」

そのことを裏付けるのが、カナダのマギル大学のペンフィールド教授が作成した「ペンフィールド・マップ」。脳の表面に描かれた奇妙な顔と手足をもつ絵は、ホムンクルス(小さな巨人の意味)と呼ばれ、脳が身体を支配する領域の大きさに応じて、身体の部位を誇張して描かれています。それをみると、身体のほかの部位に比べて口や唇、舌の占める面積は非常に大きいことがわかります。つまり、それだけ口もとは精妙な動きができ、ものを噛むことによってきめ細かな情報を脳に伝えることができるのです。

ペンフィールド・マップ
ペンフィールド・マップ
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 そのため、歯を失うなどしてよく噛めない状態になると、認知症の一種であるアルツハイマー病のリスクが高まるといわれています。そこで丹根先生は、咬み合わせの良し悪しと認知症の関わりを調べるため、さまざまな実験を行いました。

■実験1:歯がないとアルツハイマー病になりやすい?

「先ほどお話ししたように、ものを噛むと、その刺激は歯根膜から三叉(さんさ)神経を通って中枢神経系まで伝達されます。その途中で、計算や思考、記憶のメカニズムをになう海馬(かいば)に情報が送られるわけです。一方、アルツハイマー病というのは脳が萎縮していく病気で、アミロイドβ(ベータ)というタンパクが脳の海馬周辺に沈着することで発症するといわれています。そこで、まずは普通に歯があるネズミと先天的に歯が生えてこないネズミを使った実験で、大脳皮質や海馬、視床下部などにおけるアミロイドβの沈着の様子を確認してみることにしました」

 その結果、正常なネズミでは0個だったアミロイドβが、先天的に歯の生えないネズミでは、特に大脳皮質において平均157個のアミロイドβ沈着が認められました。

ネズミの大脳皮質
歯のある正常なネズミの大脳皮質(左)には認知症の原因となるアミロイドβが0個なのに対し、
歯のないネズミの大脳皮質(右)には平均158個のアミロイドβの沈着があった。

ドット
■実験2:噛まずに栄養をとっても海馬の細胞は減る?

 次に、粉末のエサを与えたネズミと固形のエサを与えたネズミで、記憶・学習能力をつかさどる海馬周辺の細胞の数を比較したところ、粉末の咬まずに食べられるエサを与えていたネズミは固形のエサを与えていたネズミより、海馬の錐体(すいたい)細胞の数が少なくなることが明らかになりました」

ネズミの海馬周辺の細胞数
固形エサを食べたネズミ(左)に対し、粉末エサのみを食べたネズミ(右)は、
海馬周辺の細胞数が少なかった。

「ここから推測できるのは、毎日自分の歯でものをよく噛んでいる人とそうでない人では、海馬の細胞数に差がある、つまり記憶・学習能力に差がつくのではないかということです」

 丹根先生は、この2つの実験で歯と脳の関わりを機能と構造の面から確認したうえで、「モーリスの水迷路」といわれる実験で、さらに噛むことと記憶・空間認知能力の関係を調べました。

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■実験3:噛む回数が少ないと空間認知能力が落ちる?

 空間認知能力とは、周囲にあるものから自分の位置を知り、記憶すること。それも海馬の重要な働きです。

「先の実験と同じように、固形と粉末という硬さの異なるエサで育てた正常なネズミを直径60センチのプールに落とし、プールの縁までたどり着くまでの時間を8日間にわたって計測してみました。すると、どちらのネズミも生後半年齢ではハッキリとした差がなかったものの、生後約1年経ったネズミでは明らかな差が認められました

 粉末のエサを食べていたネズミのほうが、固形のエサを食べていたネズミよりゴールへの到達時間が長かったのです。

水迷路実験
「モーリスの水迷路」実験で使う装置。
ゴールまでの到達時間
固形エサを食べていたネズミのほうが、
プールの縁まで到達する時間が早かった。

「これらの実験から見えてくるのは、しっかり噛めないと記憶や空間認知能力の司令塔である海馬の神経活動が不活発になるという可能性です。もちろん、認知症を引き起こす原因はさまざまで、噛むことで確実に予防できるものではありませんが、安定した咬み合わせでよく噛める状態を保つことは、認知症のリスクを下げる一因になるのは事実だと思います」

次のページでは、歯と診療費の関係についてご紹介します。

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Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

将来の治療費がかさむ! 毎月の診療費が多い

毎月の診療費が多い 少し前の情報になりますが、2005年の日経新聞に、朝食を食べた人と食べなかった人とで、記憶力にどのような違いが出るかを調べた研究結果が載っていました。それによると、朝食を食べたグループが明らかに優れた成績を示したそうです。また、別の研究では一日のブドウ糖の必要摂取量の約25%を朝食でとると、計算能力や想像力が高まったとされています。

 ここで注目したいのは、やはり噛むことの効用。ご飯やパンに含まれる炭水化物は、噛むと唾液と一緒になって、ブドウ糖になります。大脳を働かせるのは、ブドウ糖の役割。
 つまり、朝食をしっかり噛んで食べることで、脳と身体の健康に役立つのです。

よく噛むことが健康維持につながるなら、よく噛める状態の歯を保つことは、医療費を減らすことにもつながるということです」と丹根先生は話します。

 実際、兵庫県歯科医師会の研究から、残った歯の数が約8本の高齢者の診療費は、歯の数が約22本ある高齢者の診療費より月に1万円以上多いという結果が出ています。

「月々1万円以上も違うというのは年間にすると大変な差。しかも、歯の数と診療費は反比例の関係にあり、歯が少なくなるほど医療費が高くなるという結果になりました。さらに、歯が残っている高齢者は、かかる病気も、外耳炎や風邪、皮膚炎といった通院で済む程度なものなのに対し、歯の数が少ない、もしくはまったくなくて咬み合わせが保てない高齢者では、がんや糖尿病、肝硬変、認知症など、重篤な病気が目立っている点にも注目すべきでしょう」

噛める高齢者と咬めない高齢者

もってのほか

 ここまで読んできて、「では、すでに歯をうしなってしまった場合はもう手遅れなのか?」と思っている方もいるかもしれません。その点について、丹根先生はこう話します。

「歯がすでにない場合は、入れ歯などを利用して、ものが噛める状態にしておくことが大切です。抜けたままにしておくのは一番いけません

 しかし、入れ歯にすると、噛む力が天然の歯の約3分の1に落ちるというデメリットも。

「やはり一番よいのは、歯を失う前によく噛める状態に整えておくことですね。デコボコの歯並びなどでうまく咬み合わない歯は、歯磨きもしづらく、歯周病やむし歯になりやすいため、歯の寿命もおのずと短くなってしまいますから」

 そこで重要になるのが、安定した咬み合わせをつくる矯正歯科治療です。

次のページでは、大人になってから始める矯正歯科治療についてご紹介します。

健康な脳と咀嚼 自分の咬み合わせの状態

Vol.05 キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

自分の咬み合わせの状態を知る 自然のメカニズムを利用

キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿 矯正歯科治療とは、歯やあご位置を、上下・左右・前後と3次元的に見て、問題のある咬み合わせを直していく治療のこと。歯の根もとにある歯槽骨の新陳代謝のメカニズムを利用して、弱い力を継続的にかけることによって、理想的に咬み合う位置に歯を動かしていくのです。

 そもそも咬み合わせが悪くなる原因には、遺伝的なものと後天的なものとがあります。このうち根本的に咬み合わせに影響をおよぼしがちなのは、やはり両親から受け継いだ遺伝的なもの。例えば、親が乱ぐい歯だとその子どもも同じような乱ぐい歯になりやすいのは、歯の生えてくる時期やあごの骨の発育のしかたなどに遺伝的な条件が影響するためだといわれています。

 よくない咬み合わせ(不正咬合)は、こうした遺伝的要素に、子どもの頃の指しゃぶりや乳歯のむし歯、口呼吸、噛み癖、舌の癖など後天的な要素が加わり、成長する中でつくりあげられていきます。

 不正咬合をそのままにしておくと、ここで紹介したように健康面での問題が起こりやすいだけでなく、笑顔に自信がもてなかったり、歯に対するコンプレックスから人間関係でも消極的になったりしがちです。もちろん、咬み合わせに多少問題があっても、人間には適応力があるため、ただちに問題が起こるわけではないでしょう。しかし、そういう人は歯周病になったり、むし歯ができたりといった何らかの変化が加わると、口腔にかかる負担がより大きくなり、トラブルにつながる危険性を秘めているということです。

矯正治療は健康な未来への投資

 公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会が2012年に全国のOL300名を対象に行った意識調査によると、矯正歯科治療について「くわしく知っている」「なんとなく知っている」と答えた人の割合は約82%。そして、矯正歯科治療をしたいと思ったことが「ある」と答えた人は、半数近い47%となっています。

矯正治療は健康な未来への投資
日本臨床矯正歯科医会調べ

 少し前まで子どもが受けるもの、という意識が強かった矯正歯科治療ですが、最近では年齢に関係なく治療に関心を持ち、受けたいと考える人が増えてきているようです。その背景には歯に対する意識が高まったことや、歯と健康の関わりを大切に考える人が増えてきたことが挙げられるでしょう。

 安定したキレイな咬み合わせをつくる矯正歯科治療は、言うなれば、食事や日常生活に気を配って、いつまでも健康で若々しくいるための、いわばフィットネスと同じ。一生、自分の歯で食べ、話し、笑うための前向きな投資にほかなりません。

 今、咬み合わせに自信がないと感じている人は、将来問題を起こさないために、早めに専門家の意見を聞いて、自分の咬み合わせの状態を把握することから始めてみてはいかがでしょう。自分の歯に関心を持つこと、それは健康寿命を延ばし、幸せな人生を送るための大切なファーストステップでもあるのです。

矯正治療は健康な未来への投資

2015年4月27日

Vol.06 第8回「ブレーススマイルコンテスト」表彰式と、舞台裏

第8回「ブレーススマイルコンテスト」
第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

ブレスマポスター

矯正歯科の待合室などに貼られた、
この作品募集のポスターに、
見覚えのある人もいるのでは?

 もうご存じの方も多いかもしれませんが、「ブレスマ」こと「ブレーススマイルコンテスト」は矯正装置(ブレース)をつけた素敵な笑顔の写真を募集するユニークなフォトコンテストです。

 「ブレースをつけた笑顔!?」と驚くなかれ。実は、治療中の多くの患者さんは「日に日に歯並びが整っていくのがうれしくて、ついつい笑顔になる」と語っているのです。「最初は恥ずかしいと思ったブレースが、いつしか自分の身体の一部のように思えてきて、なんだか愛しい...」。患者さんのそんな思いと自然にマッチするこのフォトコンテストは、2005年にスタートして以来、クチコミなどで徐々に広まり、矯正歯科治療中の患者さんに広く知られるようになってきました。

 コンテストを主催するのは、社団法人日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)。約40年の歴史をもつ矯正歯科専門開業医の団体です。

 矯正歯科医会のメンバーと協賛企業は応募期間の終了後、集まったすべての作品とコメントに目を通した上で、1次審査と2次審査を実施。最優秀賞1作品と優秀賞2作品、そして特別賞として東京大会賞1作品を選出しました。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」
第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第1回最優秀賞の松本さんから、幸せなメッセージが!

第2回最優秀賞
第2回最優秀賞
「緑の中で輝く笑顔」
伊藤大貴さん(福島県)
第3回最優秀賞
第3回最優秀賞
「ママの歯並びキレイだね♪」
松澤あゆみさん・れいさん
(長野県・千曲市)
第4回最優秀賞
第4回最優秀賞
「冒険始まる」
三輪 春香さん(宮崎県)
第5回最優秀賞
第5回最優秀賞
「Let's smile」
中西絢音さん(愛知県)
第6回最優秀賞
第6回最優秀賞
「矯正笑顔 バトンタッチ!」
宍戸昌行さん・愛実さん
(北海道)
第7回最優秀賞
第7回最優秀賞
「1番のスマイルをあなたに!」
増井美千代さん(熊本県)

 受賞者の皆さんをお招きして表彰式が行われたのは2月7日。
 表彰式の会場は、東京・神保町の学術総合センターです。本番の開始時間より約2時間早く集まった受賞者の皆さんは壇上でのリハーサルを済ませた後、少し緊張した面持ちで、会場の前方席で表彰式が始まるのを待ちます。そして12時40分、いよいよ式が始まりました!

 第8回目となる今回は、受賞者を表彰する前に、これまでの受賞作品が紹介されました。

 生まれたばかりの子どもを胸に抱くお母さんや元気にボートを漕ぐ少女、そして満面の笑みでピースサインをする父娘......。ブレースをつけた笑顔の作品を前にすると、今や世代・性別を問わず、矯正歯科治療が世の中に根付いてきていることを実感します。 なかでも印象的だったのは、第1回目の最優秀賞受賞者である松本奈都子さんが、今回の表彰式のために特別に寄せてくれたコメントでした。

第1回ブレーススマイルコンテスト最優秀賞受賞 松本奈都子さんからのメッセージ

第1回最優秀賞「向日葵に負けない笑顔で」 松本奈都子さん
第1回最優秀賞 「向日葵に負けない笑顔で」
松本奈都子さん(神奈川県)

「第8回ブレーススマイルコンテスト」受賞者の皆さま、
おめでとうございます。
私も、第1回で受賞させていただきました。
治療時を振り返ると、痛みに耐えることや歯磨きの手間など、大変なことがありましたが、
今ではあの痛みもすっかり忘れてしまっているくらいです。
治療のおかげで、口もとへの視線も気にならなくなり、
自然な笑顔も出るようになりました。
治療後すぐに、結婚・出産をして、現在は3人目の出産に向けて、とても幸せな毎日を送っています。
現在治療中の方、長い期間大変ですが、
将来の自分の素敵な歯並びと楽しい生活を夢見て、
前向きに頑張ってください。

 受賞当時、27歳だった松本さん。雄大な北海道のひまわり畑をバックに、花に負けないくらいの笑顔でみごと最優秀賞を勝ち取った彼女が、治療を終え、笑顔あふれる幸せな家庭を築いていることに改めて感動を覚えました。

次のページでは、いよいよ受賞者の皆さんの表彰の様子をご紹介します!

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Vol.06 第8回「ブレーススマイルコンテスト」表彰式と、舞台裏

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第8回「ブレーススマイルコンテスト」 表彰式が始まってしばらく経った頃、「それでは、第8回『ブレーススマイルコンテスト』受賞者の表彰に移らせていただきます」と、司会の小林真実子さんが受賞者の名前と応募時に寄せられたコメントを読み上げていきます。

 まずは東京大会賞の発表から。248作品の中から選ばれたのは--------。

「作品タイトル『矯正に勝つ!』」。板橋区在住の黒澤柊子(とうこ)さんです」

 会場からは大きな拍手がわき起こり、ステージのスクリーンには空手の練習着を着て凛々しい笑顔を見せる、黒澤さんの受賞作品が大きく写し出されました。

黒澤柊子(とうこ)さん
東京大会賞 「矯正に勝つ!」
 黒澤柊子(とうこ)さん(東京都)

黒澤柊子さんの写真コメント
小学校3年生から矯正をはじめました。
大変なことはたくさんありましたが、
その中でも空手の組み手で矯正器具があたり、こわい思いもしました。
でも最後までやりとげてきれいな歯を手に入れたいです。
そして思い切り組み手の試合ができるようになって優勝したいです。


第8回「ブレーススマイルコンテスト」 「空手も矯正も、自分からやりたいって言いました。キレイな歯並びになれる日を目指して、これからもがんばっていきます」とスポーツ少女らしく、元気いっぱいに話してくれた黒澤さん(11歳)。賞状と記念品、そして主治医の先生から花束を受け取ったときも「ありがとうございました」と大きな声で答える姿が印象的でした。

 これからも空手と治療を、楽しみながら両立させてくださいね。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

次は、優秀賞2作品に選ばれたお二人の表彰です。

一人目の優秀賞受賞者は--------。

「作品タイトル「まぶぴー」。北海道在住の熊谷さくらさんです」

熊谷さくらさん
優秀賞 「まぶぴー」
 熊谷さくらさん(北海道)

熊谷さくらさんの写真コメント
兄の運動会で撮影した写真です。
まだ矯正をして1年くらいですが、
治療前よりかわいくなった様な...親ばかです。
ごめんなさい。


続いて二人目の優秀賞受賞者は......。

「作品タイトル「母娘(おやこ)でお揃い!ブレーススマイル」。大阪府在住の金輪智彰(ちあき)さんです」

金輪智彰(ちあき)さん
優秀賞 「母娘(おやこ)でお揃い!
  ブレーススマイル」
 金輪智彰(ちあき)さん(大阪府)

金輪智彰(ちあき)さんの写真コメント
高校生の娘が先に治療を始め、どんどんそろっていくのをみて、
私も『えいっ!』と始めました。
当時49歳という年齢で少なからず不安もありましたが、
長年のコンプレックスだった歯が揃っていくのをみて、
矯正治療を始めてよかったと思っています。
娘とは、痛みの相談や歯の手入れの相談など励まし合っています。
心強い矯正仲間です。


優秀賞 「まぶぴー」 壇上で「治療が終わったら、今は食べにくいペッツとハイチュウを食べたいです」と答えてくれた熊谷さん(11歳)。将来の夢は、あのAKB48に入ることだとか。輝く笑顔で、ぜひ夢をつかんでくださいね。


優秀賞 「まぶぴー」


 そして、金輪さん(50歳)は、お嬢様の美紗子さん(18歳)と仲よく壇上へ。そして、ユーモアたっぷりに「娘の整っていく歯並びに影響されて、私が49歳で治療を始めたら、まわりの同世代の女性たちがたくさん後に続きました。私、関西方面で矯正の広報活動をしています!」とコメント。会場からは笑いと拍手がわき、場の空気が一気に和やかに。また、お嬢様の美紗子さんも、「母と一緒に治療をしているので、食後は歯のどこに何が詰まっているかを言い合ったりできて楽しいです」と笑顔で話してくださいました。

熊谷さん、金輪さん、受賞おめでとうございます!

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

 そして、最後はいよいよ最優秀賞受賞者の表彰です。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」最優秀賞に選ばれたのは......。

「作品タイトル『北アルプスをめざして!!』、大阪府在住の山本広美さんです」

 司会者の声と同時に、ステージのスクリーンに、登山姿の山本さんがさわやかな笑顔でピースサインをする受賞作品が大きく写し出されます。

山本広美さん(大阪府)
最優秀賞受賞者 「北アルプスをめざして!!」
 山本広美さん(大阪府)

山本広美さまの写真コメント
60才になってから山登りを始め、
身体を動かす事により、何事にも前向きに!
昨年末、矯正歯科にトライ!
まわりからは今さらと思われながら、
矯正の装置や歯の微妙な変化を楽しんでいます。
そして、北アルプスをめざすトレーニングを
している今日この頃です。


山本広美さまの写真 受賞作品の口もとにはカラーゴム(※)をつけたブレースが。よく見ると、ステージ上で満面の笑みを浮かべる山本さん(61歳)の口もとにも、カラーゴムがついています。 「60歳を過ぎてから矯正を始めたいという私の思いを受け止めてくださった主治医の先生に感謝いたします」と壇上でコメントした山本さん。決して60代とは思えないその若々しさに、会場からまたもや大きな拍手がわき起こりました。

山本さん、本当におめでとうございました!

※カラーゴムは正式には「カラーモジュール」といい、ブラケットにワイヤーを固定するために使われる小さな輪ゴムを指します。カラーモジュールには目立たない色のほか、ブルーやピンクなど、カラフルな色もあります。

点線

ブレーススマイルコンテスト「ブレスマ」こと「ブレーススマイルコンテスト」は、毎年開催されます。

 2013年も、初夏から作品の募集が始まる予定。現在、矯正歯科治療中の方あるいは家族や友人などが治療中という方は、素敵な思い出のひとつとして、とびっきりの笑顔で「ブレスマ」に応募してみては?

 来年、このトレンドウォッチに登場するのは、今この記事を読んでいる"あなた"かもしれません!

<ブレーススマイルコンテストについての最新情報は、矯正歯科医会のホームページをご覧ください。>


次のページでは、最優秀賞に輝いた山本広美さんの治療のきかっけや現在の思いをご紹介!

第8回「ブレーススマイルコンテスト」 第8回「ブレーススマイルコンテスト」

Vol.06 第8回「ブレーススマイルコンテスト」表彰式と、舞台裏

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

「いくつになっても、変化を楽しみながら、  
    新しいことにトライしていきたいですね」

 今回、最優秀賞に選ばれた山本さんは、歴代の受賞者の中で最年長の61歳。しかし実際には、実年齢を疑いたくなるほど若々しくみえる素敵な女性です。そんな山本さんに、受賞作品のことを始め、治療に踏み切ったきっかけや治療後の生活、そして今のお気持ちなどについて率直にうかがいました。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第8回「ブレーススマイルコンテスト」――今回は最優秀賞の受賞、おめでとうございます。選ばれたときのお気持ちは?
 まさか選ばれると思っていなかったのでビックリしました(笑)。でも、うれしかったです。

――この写真は、どういうときに撮られたものですか?
 近くの低山で、山登りのトレーニングをしているときのものです。山登りを始めたのは60歳になってからですが、60という数字に特別な意味はなくて、たまたま夫が山登りの仲間から誘われて、私も一緒に行くことになったのがきっかけです。そのメンバーで昨夏、はじめて北アルプスに登ることになったんですが、北アルプスといえば標高2500メートル以上あり、登り慣れた人ならともかく、初心者の私が簡単に登れるようなものじゃありません。ですから、本番に備えて毎月、近くの山を登って足腰を鍛えていたんです。

――ブレースをつけての登山、特に問題なかったですか?
 この写真を撮った後に登った北アルプスでは、往路の夜行で1泊、山小屋に3連泊という行程だったので、歯磨きが大変でした(笑)。山小屋では水はたくさん使えないし、山歩き中は「行動食」といって小休憩のときに食事をとるので、食べ物がブレースにはさまったときのケアが難しくて。でも、なんとか乗り切りました。
高い山はそれだけ大変なんですけど、下山するとなんだか山が懐かしく思えてきて、また行きたくなるんですね。

――大変だけど続けたいって、どこか矯正歯科治療と似ている気もしますね。
 そうかもしれませんね。私はもともと新しいことを始めるのが好きなほうなんです。もし何かを始めてよくないことが起こったとしたても、それをよい方向に変えていけばいいし、その努力も楽しいものです。「言うは易し」で、なかなか実行はできませんけれど。
矯正の治療でも、歯をキレイに並べるために、治療の途中であえて歯と歯の隙間を空けたりすることもありますよね。そんなときは、歯の動きを見て「これで大丈夫かな?」と思うこともあります。でも、そんな気持ちも含めて、治療しているのは楽しいことです。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

第8回「ブレーススマイルコンテスト」――山本さんが今、治療を始めたいきさつを教えてください。
 もともと歯並びに問題があって、矯正治療を受けたいとずっと思っていました。実際に歯科に相談したこともあるんですが、私が若い頃はまだ矯正をする歯科の数が少なくて家からも通いにくかったし、結局、断念しました。その後、もう年齢的に治療は無理だろうなと思っていたんです(笑)。年齢を重ねるに従って咬み合わせが深くなり、痛みが出てきたので治療したい気持ちはありましたけどね。

 そうこうしているとき、知り合いの女性が矯正治療を始めたんです。その方は私より15歳くらいお若いんですけど、ブレースをつけているのをみて、「やろうと思えばできるんだ」と改めて思いました。また、その数年後、行きつけの歯科医院で矯正歯科治療の相談を受け付けていることを聞き、相談してみることにしました。いきなり矯正歯科医院を訪ねるのは二の足を踏んでも、相談会なら気軽に行けますからね。その相談会で気持ちが固まったのが直接のきっかけです。

――そこからすぐに治療を、となったんですか?
 いえ、相談した先生からは「今からの治療は、いろんなリスクもあって大変ですよ」と言われました(笑)。でも、私は逆にこの歳でもトライできることをみんなに知ってもらったほうがいいと思って、治療することに決めたんです。

――では、迷いはなかったですか?
 ありましたね(笑)。矯正歯科を訪ねたとき、先生から「治療には骨を削る手術もありますよ」などと言われて驚きました。しかも、治療期間は「ブレースをつけるのが3年、その後の保定期間(動かした位置で歯を保つための装置をつける期間)が3年、計6年くらいかかります」と言われたときは、さらに「えっ、そんなに?」って。

 それでも治療したい気持ちは変わりませんでした。このまま何もしないで入れ歯になるよりは、キレイな歯並びに整えることで将来に備えたいと思ったからです。結局、私の場合は手術をするには年齢的なリスクが大きいだろうということで、多少ブレースをつけている期間が延びても手術はせずに治療する道を選び、今に至ります。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」――カラーゴムが素敵ですね。
 ありがとうございます。せっかく治療しているんですから、ブレースを隠すことはないと思うんです。なので、私は毎月の通院のたびにカラーゴムの色を変えたりして楽しんでいます。受賞作品ではレインボーカラー、今は口の中から季節を先取りしようと桜色です(笑)。

 ほかにも、夏ならさわやかな青、秋なら紅葉の黄や茶色、クリスマスの頃なら赤と緑と、季節を色で楽しんでいるんですよ。でも、クリスマスの赤と緑は不評でしたね、どうやら赤がよくなかったみたいです(笑)。

――周囲の方は山本さんの治療について、どういう反応ですか?
第8回「ブレーススマイルコンテスト」 私、デイサービスでボランティアをしているんですが、そこで会うお年寄りたちは、カラーゴムの色が変わったら「変わったね」と言ってくださいます。なかには「そこまでしなくても」と言う方もいらっしゃいますが、頑張っている私を応援してくれる方が多いですね。ボランティア先でもヘッドギア(※)をつけることがあるんですよ。もちろん、周囲に断った上でね。つけると皆さん、ちょっと驚かれますけど、自分の意志で始めた治療ですから周囲の目は気になりません。

 治療が終わったら、今は食べづらい固いおせんべいなどを食べて、しっかりとあごを鍛えて、安定した咬み合わせを長持ちさせたいですね。

 山本さん、素敵なお話、ありがとうございました!

※ヘッドギアとは、上の奥歯を後方に移動させるために使われる、取り外しのできる装置。

次のページでは、優秀賞と東京大会賞に選ばれた3組のインタビューをご紹介!

第8回「ブレーススマイルコンテスト」 第8回「ブレーススマイルコンテスト」

Vol.06 第8回「ブレーススマイルコンテスト」表彰式と、舞台裏

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

「整っていく歯並びは喜び!」
3組4名の受賞者から、前向きな言葉がたくさん飛び出しました!

続いてこのページでは、優秀賞に選ばれた大阪府の金輪さんと北海道の熊谷さん、そして東京大会賞に選ばれた黒澤さんに、受賞の喜びや矯正歯科治療をしている今思うことなどについてうかがいました。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

優秀賞優秀賞
 もともと歯並びがガタガタで、ずっと矯正治療を受けたかったんですが、なかなか踏み出せずにいました。30歳過ぎで矯正治療を考えたときは、親知らずが複雑な形で生えていて口腔外科でも抜けないと言われて泣く泣く断念。その後、子育てでそれどころじゃなくなりました。それでも子どもを歯科検診などに連れていくと、またムクムクと治療したい気持ちが湧いてきて...。でも、どのクリニックに相談しても、大人が治療することにいい顔をしないというか。私の世代の気持ちをわかって治療をしてくださる先生との出会いがなかなかありませんでした。

 そんな中、娘が矯正治療することになり、どんどん歯並びがキレイになっていくのをみると羨ましくて(笑)

優秀賞 ようやく知人の紹介で、大人の治療を積極的に行っている矯正歯科医と出会うことができたんです。その先生は「コンプレックスを自慢のタネに変えましょう」と言ってくださいました。それはまさに自分の気持ちを代弁する言葉。すごく勇気づけられましたね。

 表彰式でも言いましたが、私が49歳で治療を始めてから、まわりの同世代の女性が10人近く矯正を始めたんですよ(笑)。やっぱり歯並びをキレイにしたいという思いって、みんな持ってるんですね。自分の経験から思うのは、一度でも矯正治療をしたいと思ったら、その後の人生でその思いはずっと消えないということ。それなら一日でも早くスタートしたほうがいいと思うんです。私の治療はまだ途中ですが、子育ても終えたこの時期にスタートできて本当によかった。私にとって最高の始めどきだったと思っています。

優秀賞優秀賞
私はブレースをつけてすぐは「ほんまにイヤ」でした(笑)。でも、友達から「ブレースもチャームポイントやで」と言われて、今では治療が終わって外すのが寂しいような気持ちです。私が治療を始めてから母も矯正を始めたので、二人で食事した後は、どこに何が詰まっているかをチェックしあっています。矯正してキレイになったって言われると嬉しいし、してよかったと今では心から思いますね。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

優秀賞優秀賞
 おうぼした写真は、去年の6月に、お兄ちゃんが通ってる中学の運動会で、お父さんにとってもらいました。お父さんから「優秀賞に選ばれたよ」って聞いたときは、「まじ? 夢じゃないの」って思いました(笑)。こんなふうに賞をもらったのは初めてで、すごくびっくりでした。

優秀賞 今は、矯正を始めて2年目です。治療する前は歯がガタガタしてても別にイヤじゃなかったけど、歯が整ってくるのをみると、やっぱりうれしい。矯正はいたみもなくて、ぜんぜんつらくないです。いつも先生のところに行くと、カラーゴムの色を自分で選んでます。おうぼした写真ではピンクのゴムで、今日つけてるのは赤。赤い色にしたのは、大好きな「ミニーちゃん」の色だから。これからディズニーランドに行くのが、すごく楽しみです!

優秀賞優秀賞
 このコンテストのために写真を撮るとき、最初は娘の名前にちなんで桜の木と一緒に撮ろうと思ったんですが、うまく行きませんでした。受賞した写真も、下から見上げるようにして撮ったら、青空が真っ白になってしまったのがちょっと残念ですね。でも、娘の自然な笑顔が撮れたのはよかったと思います。

 この写真の頃より今のほうが歯並びも整ってきて、来月には上のブレースが外れます。この調子で、娘にはキレイな歯並びで明るく成長してほしいですね。

第8回「ブレーススマイルコンテスト」

優秀賞優秀賞
 矯正を始めたのは小学3年のときで、空手は5歳のときからやっています。空手を始めた理由は、お父さんとお兄ちゃんがしていて、かっこいいと思ったから。大きな声を出せるから気持ちがすっきりするし、空手はすごく楽しいです! 今も週2回は練習しています。でも、空手のかっこうをした写真が選ばれるなんて思ってなかったから、うれしいです。

優秀賞 矯正は、ブレースをつけたばっかりのときは、いたかったけど、だんだん慣れてくるといたくありません。歯が整ってくると、やっているかいがあります。空手と同じように、矯正も自分からやりたいって言いました。矯正をして空手をしていても、気を付けているから、今のところケガしたことはありません。

 治療が終わったら、思いっきり空手をして大会で優勝するのが夢です。その日を目指して、矯正も空手もがんばります!

最優秀賞

2015年4月24日

Vol.02 「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート

366作品から選ばれたとびきりの

ずらりと並んだ応募写真は、圧巻!
2010年9月16日、東京・渋谷。
会議室に並んだ長テーブルの上には、6歳から71歳という幅広い年齢の方から届いた366点もの写真が、ところ狭しと並んでいます。被写体の年齢も、性別もさまざま。唯一、共通するのは、写っているのはみな矯正装置(ブレース)をつけた、とびきりの"ブレース スマイル"だということです。


ブレースを見せながら元気よくピースサインを出す男の子。ブレースをものともせず、おいしそうにご飯を食べる女の子......。1枚1枚の写真からは、治療期間を自分らしく楽しむ前向きなパワーが伝わってきます。そんな写真を真剣に見つめるのは、このコンテストを主催する日本臨床矯正歯科医会の先生と、協賛企業の担当者。

「ここから数名を選びだすのは難しいですね」
「ぜんぶ選びたいところだけど」
なごやかな雰囲気の中、部屋のあちこちからそんな声が聞こえてきます。


1次審査を行ったこの日は、全国から送られてきた366作品から13作品を選出。そして、後日行われる2次審査で8作品にしぼり、最終審査ではその8作品の中から得票数の多かった順に「最優秀賞」1作品と「優秀賞」2作品が選ばれるのです。
受賞者は、2011年に行われる表彰式で正式発表されることになります。その表彰式を、今回は「さっぽろ雪まつり」で賑わう冬の札幌で開催することに。今回は、それを記念して、道内からの応募作を対象とした「札幌大会賞」を特別に設定。計5作品が受賞の対象となりました。


「患者さんの笑顔を見るのは、我々矯正歯科医にとって、いちばんうれしいこと。しかも、送られた写真からは治療期間を前向きにとらえる患者さんの気持ちが伝わってきて、感動しますね」

「このコンテストを通じて、ブレースをつけていることがごく自然で普通のことだという意識が、もっともっと広まってほしいですね」

審査を担当する矯正歯科医の、そんな言葉が印象的でした。

札幌大会賞を受賞したのは...

Vol.02 「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート

「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート


年が明けて2011年。いよいよ受賞作の表彰式が行われる2月10日を迎えました。この日の札幌は、数日前までの寒さが少しゆるんだ、心地よい晴天。
表彰式の会場である「札幌コンベンションセンター」のホール一角には、ブレスマの全応募作品がずらりと張り出され、インパクトを放っています。


11時45分。
表彰式の開始とともに、受賞者のみなさんと主治医が壇上へ。関係者が見守る中、その表情は少々、緊張しているようにもみえます。


日本臨床矯正歯科医会の会長挨拶に続いて、さっそく受賞作品の発表がはじまります。

まずは、札幌大会賞に輝いた2作品の発表から。

「治療をして将来の夢をみつけました」札幌大会賞の高桑葉月さん


【札幌大会賞】
『やったね!!』高桑菜月さん(12歳/北海道在住)

一人目の札幌大会賞は、小学6年生の高桑葉月(はづき)さん。
作品名は、『やったね!!』です。

剣道着を着て、首からキラキラと輝くメダルをさげてスマイルする高桑さん。 晴れ晴れとした笑顔は、勝利の喜びにあふれているようです。そんな高桑さんに、これまでの矯正ライフについて、うかがってみました。


応募した写真はいつ撮ったものですか?

昨年8月に道内であった剣道の大会で、チーム優勝したときのものです。偶然この日は12回目の誕生日だったこともあって、いい結果が出せてすごくうれしかったです。

矯正歯科治療と剣道の両立は問題なかったですか?

はい。最初は面をつけるとよけい歯が締めつけられる感じがして痛かったんですけど、キレイな歯並びになりたいから、がんばって治療を続けました。昨年12月にブレースがはずれたので、今はリテーナー (※)をつけています。


リテーナーはちゃんと使えていますか?

はい。先生からもリテーナーをきちんとつけないと、せっかく並んだ歯が動いてしまうよって言われているので、歯みがきと食事のとき以外はちゃんとつけてます。つけていると、ちょっとしゃべりにくいですけど(笑)。

矯正歯科治療を受けてよかったと思いますか?

すごくよかったと思っています。この間、矯正歯科医院で治療前にとった歯型と、治療後にとった歯型をくらべてみたんですけど、全然ちがいました。以前はガタガタで、とんでもなかった!

治療してよかった、と思うことはなんですか?

将来、歯科衛生士さんになるという夢ができたことです。初めて矯正歯科に行ったとき、受付にいたおねえさんがカラーゴムをつけて矯正の治療をしていたんです。それをみて、こんなに矯正ってかわいいものなんだ! ってびっくりして。
それから矯正歯科の歯科衛生士さんになりたいって思うようになりました。私も治療したから、患者さんの気持ちがわかってあげられると思うんです。

中学生になっても剣道を続けて、将来はぜひ素敵な歯科衛生士さんになってくださいね。

※リテーナー:矯正歯科治療で動かした歯を、その位置で保定させるための装置。

「矯正するのが楽しみでした」札幌大会賞の富永晃成さん


【札幌大会賞】
『うれしい!楽しい!矯正!』富永晃成さん(8歳/北海道在住)

そして、札幌大会賞の二人目に選ばれたのは、小学3年生の富永晃成(こうせい)さん。
作品名は、『うれしい!楽しい!矯正!』です。

矯正歯科治療をスタートして約1年。その間に妹が誕生したという富永さん。受賞作は、兄妹で過ごす自宅でのワンシーンです。


受賞の知らせを聞いたときは、どう思いましたか?

ええー! って、すごくびっくりして、うれしかったです。妹があんなに泣いている写真なのに選ばれたんだなあって。

妹さんとは仲がいいんですか?

はい。すごくかわいいです。

矯正歯科治療をはじめたのはなぜですか?

前歯が出ているのが気になって、自分から矯正したいって言ったんです。だから、装置をつけるのは楽しみでした。ヘッドギア(※)をつけることになるとは思わなかったけど。


ヘッドギアにはもう慣れましたか?

はい。自分でつけたりはずしたりするのは、ちょっと大変だけど、歯並びがよくなると思えば平気です。最初は時間がかかったけど、今は一人で早くつけられるようになりました。夜もちゃんとつけて寝ています。

もうずいぶん歯並びが整ってきてますね

もしかしたら、もうすぐブレースをはずすかもしれないんです。ブレースがなくなったら、これまでちょっと食べにくかったハンバーガーとかお餅を、思いっ切り食べたいです!

将来は、大好きな電車の運転手さんになりたいという富永さん。整った歯並びで、笑顔のカッコイイ運転手さんを目指してくださいね。

高桑さん、富永さん、受賞おめでとうございます!

※ヘッドギア:上あごの発育を抑えて奥歯を後方に移動させるための取りはずし式の装置。

審査の様子はこちら優秀賞を受賞したのは...

Vol.02 「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート

「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート

「自分のコンプレックスを愛せるようになりました」出崎朝子さん



【札幌大会賞】『見て!!私のコンプレックス』
出崎朝子さん(27歳/大阪在住)

次は優秀賞2作品の発表です。まず一人目は、大阪在住の出崎朝子さん。
作品名は、『見て!!私のコンプレックス』です。

歯並びの悪さと、あごが出ていることが長年のコンプレックスだったという出埼さん。そのコンプレックスを改善するために決意したのが、外科手術を併用した矯正歯科治療でした。



治療先をどのように選ばれたのですか?

以前通っていた一般歯科の先生に咬み合わせが悪いことを相談したら矯正歯科の先生を紹介してもらえて、2年前に初めて矯正歯科に行ったんです。信頼している先生からの紹介だったので、まったく不安なく矯正治療をはじめることができました。

4月に外科手術を受けるとのことですが、今の心境は?

正直言って、手術をする不安より、コンプレックスが解消される歓びのほうが大きいですね。手術を受けると、あごの形は変わります。つまり、このあごの形は今だけのもの。そう思うと、長年のコンプレックスだった自分のあごを愛してあげようと思えるようになったんです。
だから応募作のタイトルも『見て!!私のコンプレックス』です。
こう思えるようになったのは、自分にとってかなり大きな変化ですね。

応募作は、どなたが撮ったものですか?

カメラを勉強中の友人が昨夏、地元の海で撮影してくれました。今回、表彰式にもその友人と一緒に来ています。表彰式が終わったら、二人で札幌の雪まつりや小樽を見て回るのが楽しみです。


今の段階で、治療してよかったと思えることは何かありますか?

今は外科手術にそなえて「術前矯正」(※)をしているところで、この先も治療はまだまだ続きます。でも、すでに自分の歯を大事にしようという気持ちがわいてきました。
歯みがきにしても、これまではうわべだけザッと磨いていたんですが、今は歯の1本1本を意識して、ていねいに磨いています。治療前はむし歯も6本くらいあったのですが、これからはむし歯なんかできないように、自分の歯を大切にしていきたいと思っています。

やわらかな雰囲気が印象的な出崎さん。これからの治療、がんばってくださいね。

※術前矯正:手術後に歯が咬み合うように行う、術前の矯正歯科治療。

「「部活に治療に全力投球!」宇野澤萌さん


【優秀賞】『Enjoy & High School Life』
宇野澤 萌さん(16歳/千葉在住)

続いて二人目の優秀賞に選ばれたのは、千葉県在住の高校1年生、宇野澤 萌さん。
作品名は、『Enjoy & High School Life』です。

高校生らしく表彰式に学校の制服で参加してくれた宇野澤さんは、ブレース スマイル コンテストへの応募3度目で、みごと賞に輝きました。


これまでの2回はどんな写真で応募したのですか?

どれも部活のソフトテニスをしている写真ばかりです。ソ
フトテニスは中学から始めて、今も毎日しています。一日の中心が部活といってもいいくらいです(笑)。

受賞作も「これから部活」というシーンですか?

はい、そうです。去年の夏休み、朝7時頃に練習のために家を出たところをお母さんが撮影してくれました。



治療を始めた理由はなんですか?

デコボコだった歯並びを治すためです。乳歯のときは揃っていたのに、永久歯に生えかわってから、だんだんガタガタになってきたんです。最初は治療するのがイヤでした(笑)。痛いって聞いていたから。でも、先生のところでいろいろ話を聞くうちに、歯並びがキレイになるんだったら、やってもいいかなと思えてきました。

実際、治療の痛みはいかがでしたか?

ブレースをつけてすぐは痛かったです。でも、はじめたからには頑張ろう! と思ったのと、歯が揃ってくるのを見ると気持ちいいし、今はやってよかったって思えます。

そんな宇野澤さんの将来の夢はなんですか?

体を動かすことが大好きなので、体育の先生になりたいです。

安定した咬み合わせは、将来の夢をしっかりバックアップしてくれることでしょう。

出埼さん、宇野澤さん、受賞おめでとうございます!

札幌大会賞を受賞したのは...いよいよ決定!最優秀賞を受賞したのは...

Vol.02 「第6回ブレーススマイルコンテスト」表彰式レポート

「父から娘へ笑顔のバトンタッチ」宍戸昌行・愛実さん


【最優秀賞】『矯正笑顔 バトンタッチ!』
宍戸昌行さん(38歳)・愛実(あみ/8歳)さん(北海道在住)

そして、いよいよ最優秀賞の発表です。
366作品の中から「第6回ブレース スマイル コンテスト」最優秀賞に選ばれたのは、父娘で治療中の宍戸昌行さん・愛実(あみ)さん。
作品名は、『矯正笑顔 バトンタッチ!』です。

昌行さんが矯正歯科治療を始めた3年後に、長女の愛実さんも治療をスタート。そんな父娘の爽やかな笑顔が、最優秀賞受賞の決め手になりました。


そもそも昌行さんが治療を始めた理由はなんですか?

あごの腫れや痛みを改善するためです。顎関節がずれていて、咬み合わせも悪く、指1本分も口が開きませんでした。頭痛もひどくて、なんとかしたいと思っていたんですが、原因がハッキリしません。
そんなとき、矯正歯科の先生に「咬み合わせを治せばよくなるかもしれない」といわれたのですが、人前に出る仕事をしていることもあり、30代半ばにもなって矯正装置をつけることに抵抗があったんです。でも、機能面での不具合ですから、放置するわけにはいきませんよね。それで思い切って治療を始めました。


治療を受けて体の不調は改善されましたか?

はい。咬み合わせが整ってきたことで口も大きく開くようになり、頭やあごの痛みもすっかり消えました。体調が安定したので、先日は地元のフルマラソンにも出場することができたんですよ。

仕事をするうえで、治療がネックになったことはありますか?

いいえ。最初は僕自身、ブレースが気になって作り笑顔が多かったのですが、今は装置への抵抗感はまったくありません。逆に、矯正装置をつけていることで、お客さんから『うちの子どもも矯正を考えているんだけど』などと話しかけられ、会話の材料になったりしています(笑)。


愛実ちゃんが治療を始めたことをどう思われますか?

よかったと思います。将来、僕のような機能面での問題が出る前に治しておいたほうがいいと、心から思えますから。娘は生まれつき舌小帯が短いので、矯正しながら舌のトレーニングもしています。
それと、家にいるときはヘッドギアもつけています。 コンテストに応募する写真を撮ったときは、まだ治療を始めて2カ月だったので、ヘッドギアが恥ずかしくて、外で写真を撮るのをいやがっていたんです(笑)。
でも、今はだんだん慣れてきたようですね。

では、最後に愛実ちゃんに。歯がキレイになったら何がしたいですか?

ツルッツルの歯をさわってみたいです!

昌行さん、愛実ちゃん、最優秀賞、本当におめでとうございます。

優秀賞を受賞したのは...

壇上で主治医を交えて集合写真を撮るときには、最初のような緊張した様子はなく、受賞者のみなさんは、とても和やかでうち解けたムード。

今回の受賞が、一人ひとりの今後の治療ライフをより前向きにするきっかけになりますように。そして、咬み合わせと歯並びの大切さが、この壇上から、さらに多くの人へと広まっていきますように。

受賞したみなさんの笑顔を見ながら、そんなことを思った表彰式でした。

2015年4月23日

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

気になる矯正歯科治療

気になる矯正歯科治療

■歯並びが気になるのに、そのままでいるのはなぜ?

「整った顔だちと素敵な笑顔、あなたはどちらに魅力を感じますか?」
こんな質問をされたら、あなたは何と答えますか。
2010年7月に全国の10代~50代の男女計1,000人を対象に実施された「全国1,000人意識調査」(日本臨床矯正歯科医会)では、7割近くの人が「異性の魅力は整った顔だちより笑顔にある」と回答。また7割以上の人が、素敵な笑顔のポイントは「歯並び」にあり、歯並びの良し悪しで第一印象が左右されると答えています。
気になる矯正歯科治療
昔から「目は口ほどにものを言う」などと言いますが、この調査結果をみると、目に負けず劣らず自分を印象づけるのが口もと、のよう。そのことをさらに裏付けるように、同調査では6割以上の人が「自分の歯並びを気にする(したことがある)」と答えています。 ...にもかかわらず「歯並びについて歯科医に相談したことがある」人は、わずか2割強どまり! いったい、なぜでしょう?
気になる矯正歯科治療

■知っているようで知られていない、矯正歯科治療

 考えられる理由の一つが、矯正歯科治療への理解不足です。
グラフを見てもわかるように、「歯ぐきが健康なら、何歳からでも治療できる」ことや「健康保険が利く場合がある」ことなどを知らない人が、まだまだ多いのが現状なのです。

気になる矯正歯科治療

 実際には、子どもも大人も、力を加え続けると歯が動く原理に変わりはありません。そのため、歯ぐきや歯を支える歯槽骨(しそうこつ)という骨などに問題がなければ、年齢を問わずに矯正歯科治療を受けることができます。
また、基本的に健康保険が利かない矯正歯科治療ですが、医療費控除の対象にはなります。そして、あごの外科手術を伴う治療(外科矯正治療)や厚生労働省が定める(主に先天性)疾患に起因する不正咬合の改善などには、都道府県から指定を受けている医療機関で治療すると健康保険が適用されます。

こうした"基本"を頭に入れた上で、今回はよりよい矯正歯科治療が受けられるクリニック選びのポイントについて取材しました。

矯正歯科治療についてくわしく知るなら、この本がおすすめ!

こどもの矯正歯科治療がよくわかる!キッズの歯ならび*すくすくスクール『こどもの矯正歯科治療がよくわかる!キッズの歯ならび*すくすくスクール』
700円(税込)

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★次のページでは、信頼できる治療先の見極めポイント〈検査・診断編〉をご紹介!

質の高い治療

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

質の高い治療

質の高い治療現在、日本には約6万軒の歯科医院があるといわれていますが、このうち矯正歯科の看板を出しているクリニックは約2万軒。しかし、その中身は千差万別。なかには矯正歯科の看板を出していても、矯正歯科の専門的トレーニングを受けていないドクターもいるといわれています。

誰でも、せっかく治療を受けるなら、技術の高い信頼できる先生のもとで受けたいもの。数あるクリニックから、そんなクリニックを見分けるポイントについて、日本臨床矯正歯科医会*1(以下、矯正歯科医会)の会長、富永雪穂さんにお話をうかがいました。

質の高い治療

「質の高い矯正歯科治療が受けられるかどうかを見分けるポイントは、いくつかあります。その中でも、治療前に『セファロ』によるレントゲン検査を行い、また検査結果の説明時に、セファロを用いた診断と治療方針の説明があるかどうかを確認してはいかがでしょうか? セファロというのは、頭部X線規格写真(セファログラム)のことで、矯正歯科治療の診断に不可欠な機器です。矯正歯科治療を専門に行う医院では必ずセファロ撮影と診断を行いますから、セファロのないクリニックでの治療は、慎重にされた方が無難だと言えます」と話す富永さん。

 繊細な作業を求められる矯正歯科治療では、口腔内の検査にレントゲンは必須。なかでも、セファロという機器を使うことで、上下のあごの大きさやそのズレ、あごや唇の形態、歯の傾斜、口もとのバランスなどの状態を正確に知ることができるのだそうです。

「矯正歯科が一般歯科と違うのは、セファロという機器を使って、顔面と頭部のX線写真を撮影して分析し、診断を下すことにあります。また、治療前・治療中・治療終了後と、同じ規格で撮影したセファロの画像があれば、どのように歯が動いたか、顎骨がどんなふうに変化したかが比較できます。これも矯正歯科治療を専門に手がける医院なら、行っていること。私が知る限り、たとえ経験豊富な矯正歯科医であっても、セファロの検査をしないで治療を行うことはないと思います。セファロがなくても矯正歯科治療はできますが、確実に治療の質が下がってしまいますから」

セファロとは、写真のような機器(左)を使った検査。しっかりと覚えておきたいものです。
セファロ
左:セファロ。 右:セファロで撮影された頭部のX線写真。

*1 矯正歯科医会とは、日本で唯一40年の活動実績をもつ矯正歯科専従開業医の団体のこと。2013年7月現在、450名の矯正歯科医が所属しています。

質の高い治療

セファロの撮影とともに大切なのが、各種資料の採取。要するに、口の中・顔面・パノラマX線などの写真撮影と石こう模型の採取だと富永さんは話します。

「初診の次に行うのが、精密検査です。写真撮影や石こう模型などの資料は、そのときに採取するものです。採取する目的は、治療前の患者さんの状態を記録して、治療方針を決めるため。矯正を専門に行う歯科医院では、採取した資料を後日、患者さんにお見せしながら、診断や治療方針の説明を行います。この説明で重要なのは、患者さんにきちんと納得していただくこと。その意味で、資料を見せて説明しないクリニックはおすすめできませんね」

また、これらの資料の保管も大切です。矯正歯科治療は一般的に2~3年かかるので、その間に治療経過の確認をしたり、患者さんが転居などによって受診先を変更したりする際にも、転居先の矯正歯科医にキチンと治療開始前の資料を渡してもらわなければなりません。そのため、検査や診断の資料をきちんと保管していることが、とても重要になるのです。
セファロ

質の高い治療

そして、3つめのポイントは、その歯科医院の対応可能症例。

「そのクリニックが、部分的な矯正歯科治療や難易度が高い外科矯正治療(注:あごがゆがんでいる場合などに行われる外科手術を併用した矯正歯科治療のこと)に対応しているか*2、口唇(こうしん)・口蓋裂(こうがいれつ)の治療を行っているか*3なども、シビアにチェックしてください。これらの症例に対応しているクリニックは、平均的で難易度が高くない矯正歯科治療をしているところより、高い技術力と豊富な経験を持っているといえます」

対応可能症例については、各歯科医院のホームページなどでも調べられるので、事前にチェックしてみるとよいでしょう。

*2 顎口腔機能診断施設。 *3 障害者自立支援指定医療機関。

★次のページでは、信頼できる治療先の見極めポイント〈治療費・医療態勢編〉をご紹介!

素敵度ダウン 要チェック

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

見極めポイント

見極めポイント

見極めポイント「また、矯正歯科を専門とする歯科衛生士さんがいるかどうか、先生が常勤かどうかなど、医療態勢もチェックすべき点です。スタッフの熟練度などは患者さんからはわかりづらいと思いますが、矯正歯科を専門にしている歯科医院なら歯科衛生士も矯正歯科治療に熟練していて、治療中の食事や歯が動くときの痛みなどにもきちんとしたアドバイスとケアができますから」

と同時に、矯正歯科を担当する歯科医が常勤であることも、とても大切だと話す富永さん。

「なぜなら、矯正歯科治療中は装置が外れたり、ワイヤーが歯肉に当たって痛くなったりすることもあるため、そんなとき、毎月一日だけ「矯正歯科の日」に診療する非常勤の矯正歯科医では、緊急時の対応が十分とはいえないからです。やはり常勤の先生と専門のスタッフがいて、緊急時の対応がしっかりできるクリニックを選ぶほうがよいと思いますね」

見極めポイント数年におよぶ治療期間中、誰もが一度は装置がとれたり、痛みが出たり、あるいは急用ができて予約した通院日を変更したり、といった事態が発生するもの。そのとき、ベテランのスタッフや常勤の先生がいないと適切な対応がすぐにとれず、結果として治療期間が延びることにもなりかねません。その点で、医療態勢が万全かどうかは大きなポイントといえるのです。

見極めポイント

「これまでお話しした以外にも、治療前に治療費がきちんと数字と文書で提示されているか、治療内容についてくわしく書かれた治療同意書の説明があるか、なども見極める上でのポイントです」

治療開始前に矯正歯科治療費が明示されていれば、治療が進むごとに予想外の費用が加算されることを避けることができます。そのため、治療開始前の治療費の説明時に、治療期間が延長した時、治療費を追加で支払う必要があるのかをきちんと聞き、それが同意書に記載されているのかを確認しておくのがおすすめだといいます。 また、治療同意書にサインして歯科医院と患者さんが双方に保管しておくことも、重要なこと。治療中、万一何かのトラブルが起こった場合には、この同意書の内容が問われるためです。

「これらも矯正専門のクリニックなら当然行っていること。きちんとした提示がないなら、治療を始める前にセカンドオピニオンとして別のクリニックを訪ねるのがよいでしょう」

見極めポイント

そして最後の見極めポイントは、矯正歯科治療を専門に行っているかどうか。

「矯正歯科治療を専門に行う歯科医は、矯正歯科医であるという自負を持っています。実際、矯正歯科治療に特化した医院では、年間平均60~150名の治療を手がけているので、さまざまな症例に対応できるといえます。この経験値の高さは、かなり大きなポイントになるのではないでしょうか」

年間平均60~150名というのは、矯正も手がける一般歯科が行う治療数の、約6倍にもあたる数字。患者さん一人ひとりに適した質の高い治療は、こうした豊富な臨床経験から生まれるものなのでしょう。

見極めポイント富永さんは続けます。
「矯正歯科治療とは、その人自身の歯をよりよい状態に整えることで、患者さん一人ひとりの人生の質を高めていく治療です。私たち専門開業医は、そのために知識を広げ、深めることに日々専念しています。そして、その専門領域に対して最後まで責任を持つという、社会的な責任を担っているのだと思っています」

咬み合わせや歯並びの状態は、一人ひとりで違うもの。その違いをみて、その人の状態に応じたふさわしい治療を行うことができるのが、経験豊富な矯正歯科医。質の高い治療とは、矯正歯科治療に特化して、日々技術を磨き、高めている専門クリニックを置いてほかにはなさそうです。 自分の歯並びが気になっている人、どの歯科医院に行けばいいのかわからないという人は、まずは矯正歯科を専門に行うクリニックに相談してみては?

見極めポイント

☑ 矯正歯科専用レントゲン「セファロ」による分析診断を行っている
☑ 口の中の写真や顔の写真、また歯型をつくり、それに基づいた診断の説明がある
☑ 顎変形症(がくへんけいしょう)や口唇(こうしん)・口蓋裂(こうがいれつ)の患者さんの
  治療を行っているか、あるいは適切な対応ができる
☑ 治療開始前に治療費用が明示されている
☑ 治療同意書がある
☑ 矯正歯科治療専門の歯科医が常勤している
☑ 矯正歯科治療専門の歯科衛生士がいる
☑ 矯正歯科治療に特化したクリニックである


質の良い治療 患者OG

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

患者OGインタビュー

5年前、姉妹でほぼ同時期に矯正歯科治療を始めたというM美さんとE子さん。現在、二人とも矯正装置(マルチブラケット装置)をつけての治療を終え、整った咬み合わせを保つためのリテーナー(治療後の歯並びを保つ保定装置)期間中。 矯正専門クリニックでの治療を改めて振り返り、当時感じたことなどをお話しいただきました。

■信頼できる一般歯科医からの紹介で、矯正歯科専門クリニックへ

――お二人が矯正歯科治療を受けようと思った理由は何ですか?

M美さん:以前はそうでもなかったのに、二人とも大学の頃に親知らずが生えてきて、それから歯列が少しずつ乱れてきたんです。高校の頃まで自分の歯並びが悪いなんて思ったこともなかったし、まわりにも矯正をしている人がいなかったので、大人になってから矯正治療を受けるなんて思ってもいなかったんですが、だんだん乱れてくる自分の歯並びをなんとかしたいと思うようになりました。
E子さん:私も同じです。徐々に歯並びがガタガタしてきて、これは一体なにが原因なんだろうと。結局、地元の一般歯科でレントゲンを撮ってもらって初めて、親知らずが歯を押しているせいだとわかり、治せるものなら治したいと思いました。
M美さん:ただ私の場合、治療して歯並びをキレイにしたい反面、装置をつけるのが恥ずかしいという気持ちもあって...。それで、一般歯科の先生に相談してみたんです。そしたら先生が「人はそんなに見てないものよ」って。その言葉に勇気をもらって、矯正治療に踏み切りました。

患者OGインタビュー
治療前の歯並び。二人とも、上下の前歯に同じようなガタつきがあった。

――矯正歯科はどうやって探したんですか?

M美さん:一般歯科からの紹介です。「絶対に専門のところがいい」とのことで、矯正歯科専門のクリニックを2軒紹介してもらいました。信頼できる一般歯科からの紹介だったので、その時点で安心感がありましたね。結局、最初に訪ねたクリニックの雰囲気がよく、先生やスタッフの対応がきちんとしていたので、そこで治療することにしたんです。

――矯正歯科専門のクリニックに、どんな印象を持ちましたか?

M美さん:どんなふうに治療していくのか、期間はどれくらいかなど、治療する前の説明が丁寧で、わかりやすかったですね。それと先生のお人柄もあるんでしょうが、そのクリニックで取り組んでいることや矯正歯科としての使命みたいなものを外に開示していこうという意識が伝わってきたのも好印象でした。
E子さん:先生もスタッフも矯正治療にしっかり取り組んでいて熱心。その分、治療をサボると先生に怒られそうだなって思いましたけど(笑)。

■先生の説明+冊子などの情報提供で、歯並びへの意識が高まった

――治療を始める前、不安に感じていたことなどありましたか?

E子さん:私は姉の数カ月後から治療を始めたので、始める前に姉からいろいろ話を聞いていたこともあって、治療に関して特に不安はありませんでした。しいて言えば、治療前に抜歯するのが最初は少し怖かったですね。でも、先生から「抜歯をしないと歯がキレイに並ばない」ことや、「抜歯をしてあごのスペースに合わせて咬み合わせを整えたほうが自分の歯が長持ちする」ことなどを聞いて、結果的には納得できました。
M美さん:私も大きな不安はありませんでしたね。ただ、最初に「リテーナーを使う期間を含めると、治療期間はトータル5年くらい」と言われたのは長いなーって感じました(笑)。でも、それも最初に2年半って言われて結果的に長くなるよりはいいし、矯正装置を外した後のリテーナーの期間って治療した歯並びを安定させるために大事なので、そこも治療期間に含めて伝えてくれたのはよかったと、今は思えますね。最初に2年半って言われると、ついリテーナーをサボっちゃうかもしれませんから。

患者OGインタビュー
矯正装置をつけて、動的治療スタート!まずは、抜歯した第1小臼歯の隙間を利用して前歯の重なりをとっていく。

――矯正歯科専門のクリニックで治療をして、よかったと思うことは?

M美さん:いろいろありますが、矯正治療に関するいろんな情報をいただけたのは専門クリニックならではだと思います。例えば、矯正治療をした著名人の体験談などを載せた冊子を、治療前にクリニックでもらったんです。その中にあった当時ヤクルトの青木選手の話が印象に残っていますね。青木選手は、矯正治療をしたことでパフォーマンスが上がってよく打てるようになったそうなんです。治療前、期間の長さが気になっていたときにその記事を読んだことで、「私も前向きな気持ちで取り組んでみよう」って思えました。
あと、80歳で20本の歯を保とうという8020運動のことも矯正治療を通して知りましたし、先生からの説明だけじゃなくて、いろんな形で咬み合わせの大切さを理解して、自分の意識を変えていけたのはよかったと思っています。

患者OGインタビュー
歯がまっすぐに並んだら、今度は犬歯を後ろ側に動かしていく。

――治療をして、歯に対する意識はどんなふうに変わりましたか?

E子さん:歯磨きも楽にできて、ご飯も食べやすく、見た目も整っている今の状態をこれからも維持したいですね。ですから今は、食事と歯磨きのとき以外、リテーナーはきちんとつけていますよ。楽して手に入れた歯並びなら、少し変になってもまた治してもらえればいいやって安易に思うかもしれませんけど、時間と手間をかけて手に入れたものなので、ずっと大切にしたいという気持ちが生まれるんだと思います。
特に、私は歯磨きのしかたやアイテムにこだわるようになりました。以前は歯の表面だけを磨けばいいと思っていたんですが、今はデンタルフロスなども使って歯間の汚れをとったりもしています。これは治療前には思いもしなかったことですね。歯ブラシもヘッドの小さいものを買って、毎月取り替えるようになりました。そうやってお手入れをすると歯もキレイになるし、気持ちもいいですね。

患者OGインタビュー
より安定した咬み合わせにするために、整った歯列を微調整。ここまできたら動的治療終了まで、あと少し!

――これから矯正をする人に何かアドバイスをするとしたら?

M美さん:矯正装置をつけていた時期、何人かの人に「矯正してるんですね」って話しかけられました。歯並びを治したいと思っている人はけっこう多いと思います。これから始める人には、やっぱり矯正歯科専門のクリニックで治療することをおすすめしたいですね。もし、治療に踏ん切りがつかない場合は、相談という形でまずクリニックに行ってみるといいと思います。実際、足を運ぶことでそこの雰囲気がわかりますから。通いやすい場所にあって、先生やスタッフの方の動きに気持ちがこもっているようなところが、私のおすすめです。
E子さん:治療期間の短さや費用の安さなど、いいところだけを話す先生は要注意かもしれません(笑)。私たち患者は矯正について知識のない中、治療を始めるので、期間や通院頻度、料金などについて、注意点も含めて、こちらが納得できるように丁寧に説明してくれるクリニックに出合ってほしいと思います。 

患者OGインタビュー
動的治療が終わると、歯並びはこんなにすっきり。その歯並びを保つために、リテーナー(写真右)は必須。

要チェック 患者OGインタビュー

気になる矯正歯科治療、いったいどこで受ければいいの?

患者OGインタビュー

インタビューに応じてくれたのは、長年、気になっていた歯並びを治すため、矯正歯科専門のクリニックで 30代で治療を受けたという引田さん。
治療を終えて数年経つ今だからこそのホンネトークを交えながら、よりよい治療を受けるためのクリニックの選び方についてお話しいただきました。

■治療例をたくさん見せて説明してもらえたことで、踏ん切りがついた

――矯正歯科治療を受けようと思った理由は何ですか?

 実は、高校を卒業する頃から自分の歯並びが気になっていました。というのも、前歯がデコボコで、特に1本の歯が内側に向かって生えていたため、噛み合わせると上の歯が下の歯にぶつかっていたので。それに奥歯にも内側に倒れている歯があって、食べものがつまりやすいのも気持ち悪く感じていました。

患者OGインタビュー
引田さんの治療開始直後の歯並び。噛み合わせるとき、下の歯にあたるので、あごをずらすようにしなければならなかった。

――高校のときから気になっていたのに、実際に治療を始めたのはかなり後からですね。

そうなんです(笑)。一般歯科で矯正治療もしているクリニックに相談に行って、検査まで受けたことはあるのですが、なかなか決心がつかなくて。相談したクリニックの先生は話しやすい感じで好印象だったんですが、検査結果の説明が短くて、歯を抜かずに短期間で治すことばかり強調されている気がして...。本当にそれで自分の歯のデコボコが解消されるのかなと疑問に思ってしまったんです。それに、そのクリニックは月に一度しか矯正歯科専門の先生がいらっしゃらないので、仕事をしていた私にとっては通うのがちょっと難しいかなと思ったことも、二の足を踏んでしまった理由です。

患者OGインタビュー――では、治療先はどんなふうに探したんですか?

その後、私の友人が矯正を始めたことで、やっぱり私も治療を受けたくなって、その人が通っていたクリニックに相談に行ったんです。そこは矯正歯科だけを専門にしているところで、以前行った一般歯科とはいろんな意味で違いましたね。

――どんなふうに違いましたか?

はじめて相談で行ったとき、パソコンを使っていろいろな治療例を見せてくれたり、実際に先生が口の中を見て大まかな治療の流れや費用について説明をしてくれたり。矯正治療は、歯のデコボコを装置で治したら終わりではなく、その後も歯が戻らないようにリテーナーという装置を何年か使う必要があることも、このときはじめて知りました。
次の精密検査では、写真やレントゲンを何枚か撮りました。もちろん、歯型も。あごの関節の動きや筋肉の動き、咬み合わせのチェックなども時間をかけて行いましたね。その上で、「治療をするかどうかは後日の検査結果を聞いてから決めればいい」と先生に言われました。今振り返っても、全体的に説明が明確で、私に合わせた治療を考えてくれそうな印象を受けたので、ここなら安心かなと、思い切って治療することにしたんです。

患者OGインタビュー
歯を動かした後、上下の歯列にはめて動いた位置で歯を保定するリテーナーという装置。いくつかの種類がある。

■メリットとデメリット、両方の説明を受けたことで納得できた

――引田さんは、治療前に抜歯*はされたんですか?

いえ、しませんでした。私自身、抜歯しなくて済むならそのほうがいいと思っていたのですが、非抜歯で治療する場合、歯がきれいに収まるスペースをつくるために、奥歯を後ろに動かしたり、歯列全体を広げる治療をしなければならないんです。そのとき、広げすぎると咬み合わせの安定性に影響するらしいんですが、私の場合は、少し広げれば歯列が整うということで、非抜歯が選択されたようです。
その説明のときも、先生は「抜歯をしたらこうなる、抜歯しなかったらこうなる」と、両方のメリットとデメリットを話してくれたので納得できましたね。ちなみに、抜歯して前歯が引っ込むと老けてみえることもあるという話も先生から聞きました。歯を並べるだけじゃなくて、いろんな側面から考えてくれるんだなと思いましたね。
*矯正歯科治療では、よく噛める状態をつくるために、必要に応じて抜歯を行うことがあります。

――今、治療期間を振り返って思い出すことは?

歯が動くときの痛みや、食事の後に食べ物がワイヤーに絡まるといったことは当然ありましたけど、大きなトラブルは特になく、順調だったと思います。
何より、あごが楽な位置で噛めるようになったのがうれしかったですね。実際治療期間は数年かかるので、その間に装置が頬に当たって痛かったり、硬いものを食べたときに装置が外れてしまったりしたこともありましたが、すぐに応急処置をしてくれたので助かりました。また、スタッフの方には、難しい矯正中の歯の磨き方を指導していただいたことで、歯磨きがかなり上達したと思いますよ。快く対応してくださった先生やスタッフの方に感謝しています。

患者OGインタビュー――最後に、これから矯正治療を考えている人にアドバイスを!

私は治療を開始するのに時間がかかりましたが、もし思いとどまっている人がいたら、思い切って行動に移してほしいですね。その際には、ぜひ納得できるクリニック選びをしてほしいと思います。治療を終えた今、言えるのは、矯正治療を専門にされている先生なら、豊富な引き出しの中から自分に合った治療方法を提示してもらえると思うので、そういうクリニックを選んでいただきたい、ということです。あとは、メリットだけでなく、ある程度の治療期間が必要なことや痛みがあることなど、治療のデメリットもきちんと伝えてくれるところなら信頼できると思います。
それと、治療が始まると月に一度のペースで通院することになるので、先生の人柄も大事です。相談という形で矯正歯科に行っても、迷ったらその場で治療するかどうかを決めなくてもいいと思うので、必要に応じてセカンドオピニオンも取り入れながら、納得のいくところで治療するのがいいと思います。

患者OGインタビュー
治療後、キレイになった歯並び。がたつきがとれて、すっきり。咬み合わせも安定した。

患者OGインタビュー

2015年4月15日

知っておきたい!犬歯の異常には早めの対処が必要なこと

知っておきたい!犬歯の異常には早めの対処が必要なこと

大人の犬歯が正しく生えない場合があるのは、なぜ?

■あごの動きを正常に保つのが犬歯の役割

最初に、歯の役割についてご紹介しましょう。
歯には大きく分けて、前歯にあたる「切歯(せっし)」と、奥歯にあたる「臼歯(きゅうし)」、そしてその中間にある「犬歯(けんし)」の3種類があります。それぞれの歯には役割があり、その役割に適したカタチをしています。
例えば、食事をするときものを噛み切ったり、発音をよくしたりするのが平たいカタチをした切歯。そして、切歯で噛み切った食べものをすりつぶしたり、細かくしたりするのが厚みのある臼歯。
そんな切歯と臼歯の間にある犬歯はひし形のようなカタチをしていて、食べものを切り裂く「牙」に相当します。そのため、すべての歯の中で根っこ(歯根)がいちばん長く、強度があり、切歯・臼歯に比べて最後まで残存しやすいといわれているのです。また、犬歯は咬み合わせの位置を保ち、あごの動きを正常に行うという大切な役割も担っています。

乳歯から永久歯に生えかわり始めるのは、平均すると6歳~12歳。歯が生える順番や時期には個人差があるため一概にはいえませんが、上あごの場合、最初に乳切歯が抜け、次に乳臼歯、最後に乳犬歯が抜けることが一般的です。

それに対応する永久歯は、最初に六歳臼歯といわれる大臼歯が生え、次いで切歯、そして小臼歯、最後に犬歯が生えて、大人の歯列が完成します。

●乳歯の名前と生えかわる時期の目安
乳歯の名前と生えかわる時期の目安

●永久歯の名前と生えかわる時期の目安
乳歯の名前と生えかわる時期の目安

このうち上あごの犬歯が生えてくるのは、年齢でいうと10~12歳頃が一般的。ほかの歯が生えた後、高い位置から顔を出す犬歯は、生えきるまでの移動距離が長いため、通常、先に生えている側切歯の歯根(歯の根っこ)の縁を沿うようにして降りてくると考えられています。

しかし、最近ではそんな犬歯が正しい位置に生えない子どもが増えていというのです。
いったい、なぜでしょうか。

■あごが細く歯が大きい現代っ子は、犬歯が正しく生えにくい!

新潟大学の小児歯科のグループは、上あごの犬歯が正しい位置に生えない割合は、中切歯の39%に次いで約15%を占めると報告しています。

その理由は、最近の子どもたちは昔に比べて頭が小さく、あごの幅も狭いのに対して、歯の幅が大きくなっているため。要は、食生活などの変化に伴ってあごが細くなり、永久歯が生える十分なスペースがなくなったことで、最後に生えてくる上あごの犬歯が行き場を失い、萌出障害(正しい位置に生えないこと)を起こすというわけです。

先ほど書いたとおり、犬歯は咬み合わせを安定させる要となる歯。その犬歯が正しい位置に生えないと、臼歯に対する力のコントロールができないため、長期的にみて臼歯の咬み合わせに負担がかかったり、歯列を乱したりする原因となります。
また、切歯から犬歯までは微笑んだときにも目立つため、ゆがみなどがあると審美的にもよくありません。

それだけではなく、上あごの犬歯の萌出障害は、口の中の健康にさらに大きなリスクをもたらすことにもなるのです。

★次のページでは、犬歯がうまく生えないことのリスクについてご紹介!

歯の根っこが短くなるって、どういうこと?

2015年4月14日

知っておきたい!犬歯の異常には早めの対処が必要なこと

歯の根っこが短くなるって、どういうこと?

■犬歯が正しく生えない子どもの0.8~2.9%に歯根吸収が起こっている

上あごの犬歯の萌出障害がもたらすリスク、それは隣りあう歯の根(歯根)のセメント質や象牙質を溶かし、短くしてしまうことにあります。これを「歯根吸収」と呼びます。
しかし、歯根が半分くらいになっても、歯に痛みや変色などは起こりません。そのため、発見が遅れて、さらに歯根吸収が進行すると、やがて歯に痛みを感じ、最悪の場合には歯が抜けることもあるのです。

海外の研究データによれば上あごの犬歯の萌出障害が起きた人のうち38%に、隣接する切歯の歯根吸収があったということです。また、その割合を子どもに限定すると、0.8%~2.9%に隣接歯の歯根吸収が起きていたのだとか。

その結果、犬歯の萌出障害は女児が男児の1.9倍にのぼり、span class="bold-text">問題があらわれる年齢は男女とも10~11歳がもっとも多い*ことがわかっています。

*公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会の研究から引用

●110症例の男女比
110症例の男女比
110症例の男女比

■歯根が切り落とされるような重度だと、抜歯するしかない

具体的に、画像を見ながらご紹介しましょう。
Aのエックス線写真は、11歳の女児の歯の生えかわりの様子を示すものです。乳歯を押すように、顎骨の中に永久歯が準備されていることがわかります。
一方、Bの画像では、上あごの犬歯が斜めを向き、隣り合う切歯の歯根に重なっています。その結果、切歯の歯根が切り落とされ、切歯は安定を欠いた状態に......。
ここまでくると歯としての機能は望めず、切歯を抜歯するしかありません。

A顎骨の中で生える準備をしている上あごの犬歯(問題のない例)
顎骨の中で生える準備をしている上あごの犬歯(問題のない例)

B上あごの犬歯によって切歯が歯根吸収された例
上あごの犬歯によって切歯が歯根吸収された例

抜歯した後はブリッジやインプラントなどの方法で抜いた歯のすき間をカバーするか、矯正歯科治療で犬歯を切歯の位置に動かして歯列を整えることになりますが、こうなる前にリスクを回避することが大切なのはいうまでもありません。

では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?

★次のページでは、予防法についてご紹介!

大人の犬歯が正しく生えない場合</span>があるのは、なぜ?予防するには、どうすれば?

2015年4月13日

知っておきたい!犬歯の異常には早めの対処が必要なこと

予防するには、どうすれば?

■小学校低学年のうちに、パノラマエックス線撮影を!

犬歯が正しい位置に生えないことによるリスクを回避するには、犬歯が生えてくる前の7~8歳の間に、矯正歯科や一般歯科でパノラマエックス線写真を撮り、歯の生えかわりが順調かどうかをチェックしておくことが大切です。
パノラマエックス線写真とは、口の中全体を1枚のエックス線フィルムに撮影する写真のこと。撮影することで歯の数の異常(先天性欠如歯など)や骨の中の異常、顎骨の中にある永久歯の状態を知ることができたり、歯の生え変わりや将来の歯並びなどを、ある程度予測することができます。

小学校低学年のうちに、パノラマエックス線撮影を!

このパノラマエックス線は一般歯科でも撮影できますが、矯正歯科に行くことで、生えかわり期に必要な歯並びと咬み合わせのチェックも受けることができます。
撮影には健康保険が適用されず、3,000円~5,000円(消費税は除く)の自己負担となりますが、将来のために受けておく意味は大きいといえます。

■矯正装置をつけ、埋まった歯を引っぱり出すことも

そして、パノラマエックス線撮影をして犬歯の萌出障害が見つかったら、乳犬歯を抜くなどの処置を受けることも大切です。そうすることで犬歯の生えるスペースができ、傾いていた犬歯が正しい位置に生えやすくなるからです。
さらに矯正歯科では、犬歯の萌出障害の状態によっては、一般歯科と連携し、埋まっている犬歯を引っぱり出す「開窓(かいそう)」という処置をして、歯列を整えることもあります。このとき、仮に隣の歯に歯根吸収が起きていたとしても、程度が軽ければ、犬歯の位置をずらすことで吸収された歯根は自然に再生されます。

大切なのは、切歯の歯根吸収というリスクを回避して、健康な歯を守ること。そのためにも、まずは小学校低学年で生えかわりの状況をチェックしておきたいものです。

●上あごの犬歯による切歯歯根吸収のリスクを回避した例
上あごの犬歯による切歯歯根吸収のリスクを回避した例

6歳7カ月で矯正歯科に来た女の子の例です。
小学校低学年でパノラマエックス線写真を撮影したところ、
上あごの犬歯による切歯歯根吸収が起きる直前だということがわかりました。
上あごの犬歯による切歯歯根吸収のリスクを回避した例

リスクを回避するために、上あご右側の犬歯を開窓し、引っ張り出す処置を受けました。

矢印
上あごの犬歯による切歯歯根吸収のリスクを回避した例

その結果、犬歯による切歯の歯根吸収は回避されました。
※現在、永久歯列になるまで経過観察中。その後、矯正歯科治療で咬み合わせを安定させる予定。

Self Check
こんなこと、ありませんか?
乳歯から永久歯への生えかわり時期の歯と歯並び

list
★チェックの数が多いほど、将来の歯並びには注意が必要です。早めに矯正歯科に相談しましょう。

パノラマエックス線撮影をして、咬み合わせや歯列に問題があることがわかったら矯正歯科治療を受けておくことも大切です。
成長期だからこそ、できることもあるもの。子どもの咬み合わせや歯列について、今一度、見直してみてはいかがでしょう。

成長を利用できるのが、子どもの矯正歯科治療

矯正歯科治療は、安定した咬み合わせと美しい歯列をつくるために受けるもの。治療は大人になってからでも受けられますが、子どものうちから始める利点もあります。

ひとつは、子どものときに始めることで、成長発育が利用できること。咬み合わせや歯並びの悪さは、歯だけではなく、顎骨にも問題がある場合が多いものですが、大人の場合はすでに成長が止まっているため、たとえ顎骨に問題があったとしても、歯の位置を動かして治すことしかできません。そのため、治療効果にも限界があるともいえるのです。
一方、発育過程にある子どもの場合、上下のあごの成長を抑制したり、促したりして治すことができます。つまり、顎骨と歯並びの両面から治療することが可能なわけです。
また、子どもの場合は比較的シンプルな矯正装置を使用することができ、また子どもは大人に比べてむし歯や歯周病などによる治療跡が少ないため、矯正装置の装着が容易にできるのも利点です。さらに、最近では学校にも矯正歯科治療中の子どもが増えてきているため、疎外感もなく、治療になじむのも早いでしょう。
注意点としては、治療する子ども本人に前向きかどうか。親の意向で始めたとしても、治療する目的や理由は子どもにきちんと伝えておくことが大切です。

歯の根っこが短くなるって、どういうこと?</span>があるのは、なぜ?

2015年4月 4日

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー

「プレーススマイルコンテスト」表彰式レポート①
歴代の最優秀賞受賞者8名に共通するのは堂々とした輝く笑顔!

■全国から多数のスマイルフォトが集まった
 第9回「ブレース スマイル コンテスト」

全国から多数のスマイルフォトが集まった第9回「ブレース スマイル コンテスト」「ブレース スマイル コンテスト(以下、ブレスマ)」。それは矯正歯科専門開業医の全国組織である公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会(以下、矯正歯科医会)が、矯正歯科治療中の患者さんのスマイルフォトを募集するコンテストです。2005年度にスタートして以来、毎年開催されているブレスマには、毎回ブレース(矯正装置)をつけた笑顔の写真が数多く寄せられています。

第9回目を迎えた2013年度も、「希望あふれる笑顔」というテーマのもと、全国の7歳から66歳という幅広い年齢層の方から236作品ものスマイルフォトが送られてきました。

その中から1次、2次と厳正な審査を行い、最優秀作品と優秀作品、そして大会特別賞を選出。去る2月12日(水)午後2時から、仙台国際センターの大会議室において表彰式が執り行われました。
まずは、その表彰式の様子からご紹介しましょう。

全国から多数のスマイルフォトが集まった第9回「ブレース スマイル コンテスト」

■矯正歯科治療は年齢不問だからこそ

表彰式では、最初に過去の最優秀賞に輝いた作品がステージのスクリーンに大きく映し出されました。

北海道のひまわり畑を背景に弾けるような笑顔を見せる松本さんの作品、生まれたばかりのわが子との幸せそうなツーショットが印象的な松澤さんの作品、そして整ってきた歯並びを鏡で表現した中西さんの作品......。改めて見ると、最優秀賞に輝いたのは、子どもからシニアまでの幅広い世代。その共通項は、どれも"輝くような笑顔"が魅力的だということです。

歴代最優秀受賞作品ギャラリー 歴代最優秀受賞作品ギャラリー

歴代の受賞作品を振り返った後は、昨年の最優秀賞受賞者である山本広美さんから届いた応援メッセージが紹介されました。

letter山本さんからの応援メッセージ

山本さんからの応援メッセージ

昨年、表彰式に出席した山本さんは、とても60代とは思えない若々しい印象の女性でした。
それは単に見た目だけのことではなく、年齢にとらわれず、気になる歯並びを治療して人生をさらに充実させたいという内面の前向きさの表れなのかもしれません。

実際、矯正歯科治療には年齢による制限がありません。歯ぐきの状態がよく、「治療を始めたい」という気持ちがあれば、年代相応の配慮は必要になるものの、いくつになっても治療を受けることができるのです。
「私の受賞によって、そのことがさらに世の中に広まれば」
昨年の表彰式でそう語った山本さんの想いが、この応援メッセージからも感じられました。

★次のページでは第9回ブレスマの受賞者とその作品をご紹介!

第9回ブレスマの受賞者とその作品

2015年4月 3日

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー

「プレーススマイルコンテスト」表彰式レポート②
最優秀賞1名・優秀賞2名・東北大会賞1名にあたたかな拍手が送られました

■東北大会賞は、青森県在住の戸舘さん
東北大会賞「ハイ・チーズ」戸舘 円さん(青森県在住)さて、いよいよ表彰の始まりです。
最初は、表彰式の開催地である宮城県にちなんで設定された東北大会賞の発表から。
東北大会賞に選ばれた青森県在住の戸舘 円(とだて まどか)さんはこの日、残念ながら都合によりご欠席でしたが、この日のために書き送っていただいた喜びの声が読み上げられました。


letter戸舘さんからの受賞メッセージ

戸舘さんからの受賞メッセージ

戸舘さん、おめでとうございます!

■優秀賞は、キュートな笑顔が素敵な萩原さんと袖林さん

続いて、優秀賞2作品に選ばれた茨城県在住の萩原 宏樹さん(10歳)と、岩手県在住の袖林 佑希奈さん(27歳)の表彰です。

letter萩原 宏樹さんの応募コメント


letter袖林 佑希奈さんの応募コメント

司会者に名前を呼ばれると、お二人は少し緊張した表情で順にステージの中央へ。

賞状と記念品を受け取り、それぞれの主治医より「おめでとうございます」の言葉とともに両手いっぱいの花束が贈呈されると、お二人から満面の笑みがこぼれました。

萩原さん、袖林さん、おめでとうございます!

■最優秀賞は、沖縄の海にも負けない笑顔の山本さん

そして、お次はいよいよ最優秀賞の表彰です。
今回、236作品の中から栄えある最優秀賞に輝いたのは、東京都在住の山本 俊太朗さん(11歳)、作品名は「お口の中もエメラルドグリーン」でした。
ステージの大きなスクリーンに、青い海と空に負けないくらいの爽やかな笑顔を見せる山本さんの受賞作品が映し出されると、会場からは大きな拍手がわき起こりました。

letter山本 俊太朗さんの応募コメント


山本さん、おめでとうございます!

大会賞の戸舘さんには賞金が、そして優秀賞に選ばれた荻原さんと袖林さん、最優秀賞に輝いた山本さんには、それぞれ賞金と、副賞として東京ディズニーリゾート2デイパスポート(ペア)と東京ディズニーリゾートギフトカード5万円分が贈られました。

ブレスマの受賞がよい記念となり、この先の治療ライフがより充実したものとなることをお祈りいたします。


選ばれた喜びと、治療してくれたクリニックへの感謝の気持ちを言葉にする受賞者の皆さん。

★次のページでは、最優秀賞の山本さんにインタビュー!

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー最優秀賞の山本さんにインタビュー!

2015年4月 2日

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー

最優秀賞者インタビュー
最優秀賞を受賞した山本俊太朗さんに、
矯正歯科治療を始めたきっかけや治療について思うことなどをうかがいました。

最優秀賞者インタビュー「毎月の通院でカラーゴムを選ぶのが楽しみです!」

--受賞を聞いたときのお気持ちは?
受賞するとはあんまり思っていなかったので、電話がかかってきたときはビックリしました。すごくうれしいです。

--応募作品はどこで撮ったものですか?
去年の夏、家族で沖縄旅行に行ったときにお父さんが撮ってくれました。その前に矯正歯科でこのコンテストのチラシをもらっていたので、沖縄だったら景色がきれいだし、いいかなと思って。お父さんがカメラ好きなので、どこかに行くと、僕をいろんなところでたくさん撮ってくれるんです。だから、沖縄で撮った写真はほかにもたくさんあるんですけど、いちばん笑顔と海がよく撮れていたのを選んで応募しました。

最優秀賞者インタビュー--矯正歯科治療を始めたきっかけは?
前歯が出ているのを治すためです。僕自身、歯が出てるのがちょっと気になっていたんです。でも、お母さんのほうがもっと気にしていたと思います。そんなときに学校の歯の健診で『問題あり』という手紙をもらったので、矯正歯科に行くことにしました。自分に治したいっていう気持ちがあったのと、クラスにも治療してる子が2~3人いたので、ブレース(矯正装置)をつけるのは、そんなにイヤじゃなかったです。

--治療先はどうやって探しましたか?
お母さんが家から通いやすいところを選んでくれました。クラスの子もそこに通っていたから、ここなら安心かなっていうことで。先生もやさしくて、通院してワイヤーをかえてもらうときも痛くないから、いつも診察台では眠っちゃいます(笑)。

--毎日の歯磨きはどんなふうにしていますか?
まず、僕は矯正の治療を始める前、むし歯がたくさんあったので、その治療をしました。だから、ブレースをつけてからは、むし歯ができないように、週に1度は染め出し液※を使ってみがけてないところをしっかりみがくようにしています。矯正歯科で、奥歯と前歯の裏側をしっかりみがくようにっていわれてるので、がんばっています。

ただ、毎日時間をかけて全部みがくのは大変だから、矯正の先生からもらったカレンダーに「今日しっかりみがく場所」を書き込んで、月曜から土曜まで、それを守るようにしています。そして日曜は染め出し液を使って、ちゃんとみがけてるかを確認します。

※歯垢を赤く染めて、磨き残しをチェックする溶液のこと。

--治療について今、どんなことを思っていますか?
毎月の通院でカラーゴム※の色をかえるのが楽しみです。今日は春を先取りしてオレンジとピンクのカラーゴムです。1年くらい前にブレースをつけたときはちょっと痛かったけど、1日で慣れて、今ではほとんど気になりません。でも、大好きなポップコーンを食べるとブレースにはさまっちゃうから食べるのをガマンしています。ブレースがはずれたら、たくさんポップコーンが食べたいです!

ブラケットにワイヤーを固定するための直径3ミリ程度の小さな輪ゴム状の
高分子化合物のこと。ブルーやピンクなど、カラフルな色がたくさんある。

最優秀賞者インタビュー

主治医、小野美代子先生★主治医、小野美代子先生より

「俊太朗くんは穏やかで真面目な患者さんで、ルービックキューブの天才です(笑)。うちの待合室に置いてあるルービックキューブの6面をすぐに合わせてしまうんですよ。頭がよくて、運も強いのか、これまで抽選で北海道旅行とか自転車とか、いろんな懸賞で当たったことがあるみたいです。そして今度は、ブレスマの最優秀賞! この受賞は私にとっても名誉なこと。これからもカラーゴムで矯正歯科治療を楽しみながら、きれいな歯並びを目指してほしいですね」(談)

小学1年生からサッカーを続けていて、今はディフェンダーとしてサイドバックを守備しているという山本さん。矯正歯科治療をしていてもサッカーは問題なくできるとのことです。かつて「少し気になった」という前歯も、治療を始めて1年強で凹凸があまり目立たなくなり、受賞作品を見ても、口もとはすっきりとした印象です。これからもスポーツに勉強に、そして歯のお手入れに楽しく取り組みつつ、大きく成長していただきたいものです。

★次のページでは、優秀賞に選ばれたお二人にインタビュー!

第9回ブレスマの受賞者とその作品をご紹介!最優秀賞の山本さんにインタビュー!

2015年4月 1日

第9回「ブレース スマイル コンテスト」レポート&インタビュー

優秀賞者インタビュー
優秀賞に選ばれたお二人に今の気持ちをうかがいました!

優秀賞者インタビュー

ブレースをつけていても何でも食べるし、痛みもなし!
恐竜みたいだった歯が治っていくのが、うれしいです

優秀賞 萩原 宏樹さん(10歳)

優秀賞者インタビュー「去年の夏休みに自由研究で火山について調べるために、浅間山の鬼押出しに行ってきました。受賞した写真は、そのときお母さんに撮ってもらったものです。応募は主治医の先生からもすすめられていたので、ブレースをつけた歯がちゃんと見えるようにいろいろ撮ってもらいましたが、意識しないで撮った写真がいちばん自然に写っていたので、その写真で応募しました。
治療する前、 ぼくの前歯は90度回転していて、恐竜みたいだったんです。自分でも気になっていたし、お父さんにも歯医者さんにも治したほうがいいっていわれたので、歯医者さんに矯正歯科の先生を紹介してもらいました。

矯正歯科は、学校の帰りに歩いて行ける場所にあるから便利だし、先生も衛生士さんも受付のお姉さんもみんなやさしくて話しやすいので、通院するのが楽しいです。
そして、通院するたびにカラーゴムの色をかえるのも楽しみです。学校のみんなは、ぼくが違う色のゴムをつけてると「また変わったね」っていってくれます。ぼくがいちばん好きな色の組み合わせは、青と緑。でも、いつも同じじゃなくて、いろんな色にして楽しんでいます。

ブレースがついていると、カタイものが食べられないとかいいますけど、ぼくはぜんぜん平気。ガムもかめるし、カレーもおせんべいも何でも食べてます。だから、つらいとか、まったく感じません」(談)

主治医、坂寄正美先生★主治医、坂寄正美先生より

「宏樹くんはもともと受け口で、上の前歯が曲がって生えていました。そこで矯正歯科治療で咬み合わせを整えるとともに、舌で前歯を押すクセがあったので、それを直すよう、舌のトレーニングを続けています。治療をはじめて今で1年半ほど経ちますが、舌のクセはずいぶんよくなってきています。明るい宏樹くんは、うちのクリニックのアイドルです。今回の受賞を励みに、これからも明るく楽しく治療を続けていってほしいですね」(談)

優秀賞者インタビューコンプレックスだった笑顔に自信が持てた!
そのことが、人間関係や意識を
いい方向に変えてくれました

優秀賞 袖林 佑希奈さん(27歳)

優秀賞者インタビュー「前歯が出ているのが気になって、ずっと笑顔に自信が持てなかった私が、スマイルのコンテストで賞をいただくなんて思ってもみませんでした。どんな賞よりも嬉しいです。

応募した写真は職場で、自分で撮ったものです。ブレスマに出すために、特別にしっかり笑ってみました。片目をつむっているのは、ブレスマのポスターのマネをしているんですよ(笑)。ああいう笑顔になれたのは、歯並びがよくなって笑顔に自信がついてきたからこそ。笑顔に自信がつくと、やはり人間関係にもいい影響が出るんですね。私自身、治療を始めてから精神的にも元気になれたと思っています。

矯正治療は以前からやりたかったのですが、お金も時間もかかるし、なかば諦めていました。でも社会人になり、お給料をいただくようになって、自分のためにお金と時間を使えるのは今だけかもしれないと思い始め、思い切って治療を受けることにしました。 治療先は、インターネットで調べて、5~6軒は訪ねましたね。その中で、まわりの評判と自分自身の感覚の両方で選んだのが、矯正歯科治療専門のクリニックです。治療を始めてみて、やはり先生はその道のプロフェッショナルだなと感じますね。とても信頼しています。

私は今、人間ドックの看護師をしていますが、矯正の治療を始めたことで、自分の歯についてはもちろん、体や心の健康にもっと関心をもって、自己管理していくことが大事だと実感しました。単に歯だけのことじゃなくて、心身の健康を管理する大切さに気づけたのが、いちばん大きな変化なのかもしれません」(談)

主治医、安野松王先生★主治医、安野松王先生より

「クリニックで見る袖林さんはキリッとした美人ですが、受賞作ではふんわりした印象で、最初は誰かすぐにわかりませんでした。彼女の魅力が賞を引き寄せたのですね。袖林さんは時間などをきちんと守る、しっかりした患者さんです。そのため治療も順調に進み、もうすぐブレースが外れる予定です。治療が終わったら、キレイな笑顔で思いっきり笑ってほしいと思います」(談)

■最後に・・
受賞者の方々にお話をうかがう中で感じたこと、それは会話の中ですぐに笑顔がこぼれることでした。

これまで気になっていた歯並びが矯正歯科治療によって整い、安定してくると、たとえ治療中であっても嬉しくて、笑顔が増えていくのだということを、そんなふとしたことからも感じました。そのときブレースは"つけているのが恥ずかしい治療器具"などではなく、自分と一緒に未来をつくる"相棒"のような存在になっているのかもしれません。

希望あふれる笑顔のひみつ、それは昨日よりも今日、今日よりも明日と、よりよい方向に少しずつ進んでいるという前向きな実感がもたらすものなのでしょう。

ブレスマはこれからも毎年開催され、2014年の夏には第10回目の応募が始まります。今、治療中の方も、これから治療を始める方も、このコンテストへの応募を、矯正歯科治療中の思い出のひとつにしてみてはいかがでしょう。

>>ブレーススマイルコンテストに関する詳細は、日本臨床矯正歯科医会の公式サイトをご覧ください。
(http://www.jpao.jp/)

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